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【材料】飯野海運---3Q純利益8.4%増、業績予想の上方修正を発表

飯野海 <日足> 「株探」多機能チャートより

飯野海運<9119>は31日、2018年3月期第3四半期(2017年4-12月)の連結決算を発表した。売上高が前年同期比2.3%減の609.77億円、営業利益が同10.1%減の46.83億円、経常利益が同2.7%減の42.59億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同8.4%増の41.34億円となった。

外航海運業は、売上高が前年同期比0.7%減の463.87億円、営業利益が同27.1%減の16.52億円となった。オイルタンカーは支配船腹を中長期契約に継続投入することで、安定収益を確保した。ケミカルタンカーは、引き続き同社の基幹航路である中東からアジア及び欧州向けの数量輸送契約を中心に安定的な数量を確保したことに加え、スポット貨物を効率的に取り入れ高稼働を維持した。プロダクトタンカーは、支配船腹を中長期契約に継続投入した。しかしケミカルタンカー、プロダクトタンカーともに前期の採算を上回ることはできなかった。大型ガスキャリアは、LPGキャリア及びLNGキャリア共に既存の中長期契約へ継続投入することで安定収益を確保した。ドライバルクキャリアは石炭専用船とチップ専用船については概ね順調に稼働した。ポストパナマックス船は市況上昇のタイミングを捉えた配船や数量輸送契約に投入し、収益の確保に努め、ハンディ船も市況上昇でのスポット航海を中心に効率的な配船・運航に努めた結果、両船型とも採算は改善した。

内航・近海海運業は、売上高が前年同期比8.0%増の67.43億円、営業利益が同650.5%増の5.02億円となった。出荷プラントの定期修繕、運航船の入渠等による稼働減少の影響を受けたが、効率配船の実施と定期用船契約の有利更改により、採算を維持した。近海ガス輸送は、新造船流入圧力の低下等により市況は大幅に上昇し、従前の契約に比べ有利更改を果たし、採算は改善した。

不動産業は、売上高が前年同期比16.6%減の79.07億円、営業利益が同12.2%減の25.29億円となった。賃貸ビルは、所有する各ビルにおいて良質なテナントサービスの提供に注力し概ね順調に稼働した。また、飯野ビル近隣の築浅中規模ビルの一部持分を取得し、再開発計画については詳細検討段階に入った。同社グループのイイノホール&カンファレンスセンターは、セミナー、講演会等の積極的な誘致により稼働の維持に努めた。スタジオ関連事業を行うイイノ・メディアプロは、主力のスタジオ部門とプロダクション等の各部門で連携しての積極的な利用誘致で新規大型広告案件を獲得する等、稼働は堅調に推移した。

2018年3月期の連結業績予想について、同日、上方修正を発表している。売上高が前期比2.8%減(前回予想比1.3%増)の810.00億円、営業利益が同18.1%減(前回予想比1.9%増)の54.00億円、経常利益が同6.0%減(前回予想比11.6%増)の48.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.7%増の43.00億円としている。

《MW》

 提供:フィスコ

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