市場ニュース

戻る
 

【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

指月電 <日足> 「株探」多機能チャートより

■指月電 <6994>  976円 (+58円、+6.3%)

 指月電機製作所 <6994> [東証2]が全体下げ相場に抗して4連騰し、約27年ぶりの高値をつけた。同社はフイルムコンデンサーでトップシェアを誇る。成長期待の大きい電気自動車(EV)用コンデンサーの開発に注力している。その一環として村田製作所 <6981> と資本業務提携するなど本腰を入れている。世界的な自動車の環境規制強化の流れは、欧米や中国でEVシフトを加速させており、同分野に注力の構えを見せる同社株も急速な見直し買いの対象となっている。

■カブコム <8703>  399円 (+20円、+5.3%)

 カブドットコム証券 <8703> が3日続伸。24日に決算を発表。18年3月期第3四半期累計(4-12月)の経常利益(非連結)が前年同期比5.0%増の56億円に伸びて着地したことが買い材料視された。日経平均株価が26年ぶりの高値水準まで上昇するなど、株高を背景に株式委託手数料が増えたことが寄与。信用取引の増加で金融収支が伸びたことも収益を押し上げた。なお、直近3ヵ月である10-12月期の同利益は38.2%増益だった。上期時点では14.1%の減益だっただけに、増益に転じたことが好感されたようだ。

■電通 <4324>  5,150円 (+200円、+4.0%)

 電通 <4324> が大幅反発。SMBC日興証券は24日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は5600円から6400円に見直した。17年は、長時間労働問題の影響などで厳しい年となったが、今年からは追い風が吹き始めると予想。18年12月期には、大型スポーツイベント関連広告の寄与や海外事業の新規アカウントの寄与拡大により業績モメンタムが回復し、東京五輪に向けて中期的に利益成長率の上昇が見込めるとみている。

■シンフォニア <6507>  492円 (+17円、+3.6%)

 シンフォニアテクノロジー <6507> が大幅反発。国内自動車メーカーが自動車大国である中国の電気自動車(EV)普及をにらみ積極進出の構えをみせるなか、EV関連銘柄への注目度が改めて高まっている。そのなか、電子精密機器メーカーである同社はEV用試験システムを自動車メーカーに供給。また、世界初方式のEV用モーターシミュレーターを開発していることもあり、関連有力株として頭角を現している。

■ウィルG <6089>  1,901円 (+59円、+3.2%)

 ウィルグループ <6089> が6日続伸。12日につけた昨年来高値1879円を上回り新高値に買われた。同社は家電量販店や携帯ショップなどに人材を派遣しスマートフォン販売支援を主力としている。また、外国人留学生を対象とするアルバイト求人サイトも運営し、飲食店を中心に高水準の広告需要を確保している。有効求人倍率は昨年11月に1.56倍と高水準を極めており、同月のアルバイトの募集時時給も三大都市圏平均で1024円まで上昇、15年末比で約4%も水準が切り上がっている。特に建築や介護、飲食関連で人手不足が顕著であり、同社のビジネスチャンスにつながっている。18年3月期営業利益は前期比14.6%増の22億5000万円を計画しているが、大幅な上振れが見込まれる。

■ユニバーサル <6425>  4,965円 (+110円、+2.3%)

 ユニバーサルエンターテインメント <6425> [JQ]が反発し昨年来高値を更新。ドイツ証券は24日、同社株の目標株価を5000円から5700円に引き上げた。レーティングは「バイ」としている。同社がフィリピンのマニラで展開するカジノ・リゾート(OKM)は堅調。中国とフィリピンの関係改善が追い風となっており、業績の拡大が見込めることなどを評価している。

■住友鉱 <5713>  5,270円 (+116円、+2.3%)

 住友金属鉱山 <5713> 、DOWAホールディングス <5714> 、東邦亜鉛 <5707> など非鉄株が高い。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で金先物価格は24日、2月物が前日比19.6ドル高の1トロイオンス1356.3ドルと上昇。一時1361ドル台と昨年9月初旬以来、4ヵ月半ぶりの水準に上昇した。ドル安基調が強まるなか、ドルと逆相関の動きとなる傾向がある金に資金が流入した。また、他の非鉄市況も総じてドル下落場面では投資資金が流入する傾向にあるため、非鉄株全般に見直し買いが流入した。

■高松グループ <1762>  3,160円 (+65円、+2.1%)

 高松コンストラクショングループ <1762> が反発。24日、同社が発行済み株式数の1.7%にあたる66万株(金額で18億6781万円)を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。公開買い付け期間は1月25日から2月22日まで。買い付け価格は24日終値を9.63%下回る2797円。主要株主の三孝社が保有株の一部を売却する意向を示したことに対応する。

■カチタス <8919>  3,235円 (+55円、+1.7%)

 カチタス <8919> が小幅ながら5日続伸、目先筋の利益確定売りをこなして強さを発揮した。同社は昨年12月12日に東証1部に上場した直近IPO銘柄だが、初値こそ公開価格近辺でのスタートとなったが、その後は着実に上値を追う格好となっている。空き家を中心に買い取り、付加価値を高めて販売する戸建て住宅のリノベーションを展開する。18年3月期営業利益は前期比40%増益の70億3000万円を計画。また、会社側では19年3月期に営業利益85億円レベルに引き上げる中期計画を掲げ、成長期待が強い。円高局面でも影響の受けにくい内需株として買いが入った。

■日電産 <6594>  18,035円 (+305円、+1.7%)

 日本電産 <6594> が反発。24日に発表した18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結税引き前利益は前年同期比11.1%増の1197億円に伸びて着地。同期間として過去最高益を更新したことが買い材料視された。家電・商業・産業用モーター部門での買収効果に加え、車載モーターでは電動パワーステアリング用モーターやコントロールバルブの販売が好調だったことが寄与。産業用ロボットなど機器装置部門の収益拡大や、円安による収益押し上げ効果も増益に貢献した。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の1.01%にあたる300万株(金額で500億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことも支援材料となった。

■東急 <9005>  1,904円 (+32円、+1.7%)

 東京急行電鉄 <9005> が3日続伸し昨年来高値。全体相場が軟調に推移するなか、不動産関連株物色の流れが東京・渋谷を中心に豊富な土地を持つ同社株に波及してきた格好だ。鉄道株はディフェンシブ色が強く全体相場のなかで出遅れ感があり再評価余地が出ている。25日はJR西日本 <9021> が新高値に買われたほか、JR東日本 <9020> やJR東海 <9022> も高値圏で堅調に推移した。

■昭和シェル <5002>  1,625円 (+21円、+1.3%)

 全般軟調地合いにあって、昭和シェル石油 <5002> 、MORESCO <5018> 、出光興産 <5019> など石油元売り企業が買い優勢の展開をみせた。ここ原油市況が上昇基調にあり、24日にWTI原油先物価格は1ドル14セント高と急伸、1バレル=65ドル61セントと2014年11月以来の高値水準に浮上、これを背景に24日の米国株市場ではシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー関連株が買われた。東京市場でもこの流れが波及する格好となった。石油セクターは業種別騰落率でも値上がりトップとなった。

※25日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均