市場ニュース

戻る
 

【特集】価値開発 Research Memo(4):地域に応じた特色のある取り組みが強み

価値開発 <日足> 「株探」多機能チャートより

■成長戦略

価値開発<3010>の成長ドライバーはベストウェスタンホテルの新規開業である。2021年3月期に全国30棟を目指しており、年間4棟から5棟のペースで開業する計画だ。2018年12月までに計画している新規オープンは、札幌大通公園、千歳、東京秋葉原、大阪北浜の4棟である。

札幌大通公園は、札幌市の中央部に位置しビジネスや観光の起点となるロケーション。札幌市営地下鉄大通駅徒歩7分、客室数60室。ベストウェスタンブランドで直営展開する。2018年2月の開業予定である。

千歳は、北海道の空の玄関口である新千歳空港から2駅の至近距離に立地する。JR千歳線千歳駅徒歩7分、客室数154室。ベストウェスタンブランドで直営展開する。2018年5月の開業予定である。

東京秋葉原は、言わずと知れたクールジャパンの中心地であり、訪日外国人に人気のエリアである。JR秋葉原駅徒歩7分、東京メトロ末広町駅徒歩4分、客室数80室。ベストウェスタンブランドで直営展開する。2018年10月の開業予定である。

大阪北浜は、関西の各観光地へのアクセスが良好であるため宿泊需要が見込めるとともに、関西の経済の中心地であるビジネス街でもあるためビジネスユースの宿泊需要も大きい。地下鉄堺筋線北浜駅徒歩1分、130室、ベストウェスタンブランドで直営展開する。2018年12月の開業予定である。

いずれの立地も中長期に需要が見込めるエリアであり、高稼働率が期待できる。

同社は既存ホテルの宿泊者の利便性向上に向け、様々な取り組みを行っている。その一例として、客室設置型タブレット「イータブ・プラス」がある。この端末は、館内案内を始め、天気予報、電子書籍、周辺観光スポット情報など多言語で提供するもので、外国人観光客の快適な滞在をサポートするものだ。同社スタッフの人的サービスの負担軽減にも役立つツールである。既に10棟での導入を完了している。

また、主に中国からのインバウンドの利便性向上を目的に、中国国内でモバイル決済シェア最大のアプリ「Alipay」の導入を開始した。同社ホテルの中でも外国人宿泊者の比率の多い大阪心斎橋を始め、名古屋、沖縄の2棟で使用可能だ。ベストウェスタンホテル名古屋では、レゴランドジャパンのオフィシャルパートナーホテルとなった。1DAYパスポート付プランを用意するなど、パートナーホテルとしての様々な付加価値サービスを提供する。

ベストウェスタンホテルチェーンとしての統一性は守りながら、地域特性に応じて特色のあるきめ細かなサービスを提供するのが同社の強みとなっている。

■株主還元策

価値開発<3010>の株主優待制度は非常に人気が高い。2017年3月期株主優待制度の内容は、3月末の1単元以上保有している株主全員に対して、同社グループが運営するホテル及びフランチャイズの一部のホテルを優待価格で宿泊できる券が保有株数に応じて2枚~4枚贈呈された。正規料金で14,000円のスタンダードシングルが5,000円で利用できるなど、割引率が大きい(約6割引)。なお、2018年3月期に関しても、株主優待制度は継続の方針であるが、詳細内容は未定である。2018年3月期は配当の予定はない。

■情報セキュリティ
同社では、情報セキュリティ対策として、情報インフラ設備については、コンピュータ・ウィルスの検知及び除去用のハードウェア及びソフトウェアを整備し、様々な予防対策を行っている。今後は、サーバーのクラウド化や情報セキュリティに関する保険の加入なども検討する予定である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均