市場ニュース

戻る
 

【特集】Iスペース Research Memo(1):アフィリエイトサービス好調で18/9期も売上高、営業利益は過去最高見込む

インタスペス <日足> 「株探」多機能チャートより

 

■要約

インタースペース<2122>はアフィリエイト広告を中心としたインターネット広告事業と、育児支援サイト「ママスタジアム」を中心としたメディア運営事業を展開している。また、インドネシアやタイ、ベトナムなど東南アジアにおいてアフィリエイトサービス事業を育成しており、今後の成長が見込まれている。

1. 2017年9月期業績は2ケタ増収増益と好調を持続
2017年9月期の連結業績は、主力のインターネット広告事業が人材派遣・エステ、eコマース関連を中心に好調に推移したことにより、売上高で前期比19.2%増の27,754百万円、営業利益で同19.2%増の1,073百万円となり、期初計画(売上高25,585百万円、営業利益1,000百万円)を上回る好決算となった。また、営業外で投資事業組合運用益191百万円を計上し、経常利益は同43.3%増の1,291百万円と大幅増益となった。新規事業として育成中のネイティブ広告や新規メディア、海外のアフィリエイトサービスについては先行投資段階で若干の損失が続いているが、着実に売上高は積み上がってきており、直近ではタイ、ベトナム法人が単月黒字化するなど今後の収益貢献が期待される。

2. 2018年9月期も営業利益は増益を継続
2018年9月期の連結業績は売上高で前期比8.1%増の30,000百万円、営業利益で同7.1%増の1,150百万円と増収増益が続く見通し。経常利益では投資事業組合運用益がなくなるため同10.9%減の1,150百万円となるが、本業ベースではインターネット広告事業を中心に着実な成長を見込んでいるほか、ネイティブ広告や海外事業も収益改善が続く。海外ではタイが通期黒字化する見込みとなっている。なお、アップルの「iOS11」が搭載するCookieブロック機能※によるアフィリエイト広告への影響が懸念されているが、同社はその影響は軽微にとどまると見ている。「iOS11」の普及率がまだ低いほか、同問題に対応したトラッキングツールを2017年10月末にリリースしており、2018年9月期第2四半期までにはすべての対応が完了すると見ているためだ。

※2017年9月よりリリースされたアップルの基本ソフト「iOS11」において、サードパーティーのクッキー情報が24時間を超えると消去される機能が搭載されたため、24時間以降のクッキーによるトラッキングが不可能になり、アフィリエイト成果報酬の発生が確認できず、成果報酬額が減少するといったリスクが出てきている。


3. 既存事業の拡大と新規事業への投資により中長期的に持続的な成長を目指す
同社は中長期で持続的な成長を実現していくため、既存事業の拡大に加え新規事業の開発に注力していく戦略となっている。アフィリエイト広告では新規商材の発掘とシェア拡大により、成長を続けていく。また、新規事業については東南アジアでのアフィリエイトサービスの育成や国内での新規メディアサイトの開発・育成に注力していく。また、M&Aやアライアンスなども積極的に推進していく方針だ。このうち、海外事業については売上構成比率で現在の1%弱から早期に10%程度まで拡大していくことを目標としている。新規メディアについては、「ママスタジアム」とのシナジーが期待できる教育分野での開発、M&A等を模索している。また、2017年9月に世界大手のアフィリエイトサービス企業である米CJ Affiliate,LLC(以下、CJ)と、グローバルクライアントの日本展開を目的とした独占的な戦略的業務提携を締結しており、国内におけるアフィリエイト広告の収入増だけでなく、将来的には東南アジアや欧米での協業も視野に入れた展開も視野に入れており、今後の動向が注目される。なお、同社は中期の経営数値目標を発表していないが、2017年5月に発行した役員・従業員向けストック・オプション(行使価額1,467円)で、「2020年9月期から2022年9月期のいずれかの事業年度で営業利益1,800百万円を達成すること」を行使条件としており、同数値が1つの目安になると考えられる。

■Key Points
・アフィリエイトサービスとメディア運営事業を展開
・eコマース、サービスカテゴリーを中心にアフィリエイト広告が前期比2ケタ増収と好調
・2018年9月期も売上高、営業利益は増収増益が続く

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均