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2017年12月27日13時05分

【特集】「テレワーク難民を救え!その秘策とは」 ブイキューブに聞く! <直撃Q&A>

東京テレワーク推進センターに採用されたテレキューブ
 安倍政権が長時間労働の是正を掲げ推し進めている「働き方改革」。そのカギを握るとして注目を集めているのが、ICT(情報通信技術)を活用することで場所や時間にとらわれない働き方を実現できる「テレワーク 」だ。働き方に対する意識が変わり始めるなか、総務省の2016年度「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されているブイキューブ<3681>の執行役員である高見耕平氏および人事グループマネージャーの今村亮氏に、導入のメリットや普及に向けた取り組みなどを聞いた。

Q1 テレワークが注目されている背景をどのようにみていますか

今村 少子化の進展で働き手が減少するなか、労働生産性を維持・向上させる手段のひとつとしてテレワークが注目されています。介護や育児などさまざまな事情によって、従来の勤務形態にのっとって就業することが難しくなることがあります。社員を取り巻く生活環境に変化があっても柔軟に対応し、働ける機会を損じないように体制を整えることで、労働力不足に起因する課題の解決につながることが期待されています。

 テレワークは仕事と生活のバランスを保つだけでなく、企業にとってもフルタイムでの勤務が難しい人や遠隔地に住む人を採用することができ、優秀な人材を確保しやすくなるといったメリットがあります。また、通勤に費やす時間を、生活を充実させるための時間に充てることもできますし、身体的な負担も軽減されるため、単純に働く時間を延ばすのではなく、労働生産性を向上させることができます。

Q2 今夏には政府主導のもと「テレワーク・デイ」が実施されました。参加者の反応はいかがでしたか

今村 政府や東京都、経済界が連携して7月24日に実施した「テレワーク・デイ」に、特別協力団体として参加しました。実施後に行った社内アンケートでは、実際にテレワークを行って感じたメリットとして「通勤の負担が減った」「より仕事に集中できる時間帯が増えた」「家族と過ごす時間が増えた」など前向きな意見が多く寄せられました。また、多くが「課題は特に感じなかった」とした一方、「コミュニケーションがとりづらかった」「できる仕事が限られた」との意見なども一部にありました。こうした課題を解消していき、さらに働きやすい環境づくりに取り組んでいきたいと思っています。
 
 今後は、テレワークの基本的な分類である「在宅ワーク」「モバイルワーク」「サテライトワーク」など、場所を自由に選択できることはもちろんのこと、より時間もフレキシブルに使える制度が広がることで、育児や介護などを抱える人や、思い切って地方に移住して勤務する人など、それぞれが「自分らしく」働ける社会になるのではないか、と期待しています。
 
Q3 テレワークをサポートする企業としての立ち位置は

今村 テレワークは「ワークスタイル(仕事のやり方)」と「人事などの制度面」が両輪となりますが、企業が「ワークスタイル」を確立するうえで弊社が貢献できる部分は大きいと考えています。テレワークで業務を行う場合、重要となってくるのが社内のコミュニケーションをどのように図るかということになってきますが、ビジネスパーソンが組織やチームで働くための効率的なコミュニケーション手段として、Web会議サービス「V-CUBEミーティング」などのツールを提供しているほか、10月からはコミュニケーションブース「テレキューブ」=写真=の販売を開始しました。

Q4 「テレキューブ」の開発に至った背景と今後の展開を教えて下さい

高見 働く場所が多様化するなか、テレワークを行うための人事制度やICTツールは徐々に整ってきていますが、一方でコミュケーションができる場所が少ないという問題があります。テレワークが進んでいくと必然的にモバイルワーカーも増えていくと考えられますが、外出先では周囲に気兼ねなく話をしたり、秘匿性のある情報を扱うことが難しく、自宅では自分専用の仕事部屋がないことも多く、こうした"テレワーク難民"を救出したいという思いで開発に至りました。

 まずは企業向けとして10月から納品が開始され、11月にはパーソルホールディングス<2181>のグループ会社が運営する「東京テレワーク推進センター」に導入されました。年内には30台を納入する予定で、初年度で100台の販売を目指しています。また、今後は空港や駅といった公共スペースに設置することを前提に、だれでも利用できる一般向けの「テレキューブ」を開発する計画です。

Q5 8月1日付で設立された「テレキューブコンソーシアム」の趣旨を教えてください

高見 テレワークを日本で当たり前の働き方として定着させることを目指し、その推進に向けて新たなICT社会インフラを構築していくことを目的として設立されました。コンソーシアムにはテレワークを行うためのツールを手掛けている企業をはじめ、さまざまな業種の企業が参加しており、これらの企業が持つ知見やノウハウ、サービスを組み合わせて、働き方改革を実現させる環境の整備を進めていきます。今後もコンソーシアムに参加する企業と共同でテレワークの環境整備に取り組んでいきたいと考えています。

Q6 「テレワークのブイキューブ」としての成長戦略をお願いします

高見 国内でテレワークを導入している企業・団体の割合は未だ11%程度に留まっていますが、政府は20年までに導入企業数を3倍に高める目標を掲げています。この数値目標を実現するための後押しを、弊社がどのように貢献できるかを考えながら、「テレワークで日本を変える」とのキーワードを掲げて現在事業を展開しています。これまで注力してきた遠隔医療や教育ICT化、フィンテック、ドローンといった分野への取り組みは今後も変わりませんが、働き方改革という追い風を十分に享受できるよう同分野に経営資源を集中していきます。

(聞き手・三宅和仁)

<プロフィール>
●高見耕平(たかみ・こうへい)
 執行役員、社長室室長。2014年より社長室長として、新規事業企画やグループ広報活動を取り仕切る。

●今村亮(いまむら・あきら)
 人事グループマネージャー。2016年3月に入社し、翌年1月より現任。マネージャーとして採用、労務に目配りをする傍ら、ブイキューブ自身の働き方改革に取り組む。2017年10月、全面的なテレワークとフレックス勤務制度を導入。

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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