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【特集】日本調剤 Research Memo(5):処方せんの枚数・単価とも堅調に上昇し、前年同期比・計画比とも増収増益で着地

日本調剤 <日足> 「株探」多機能チャートより

■日本調剤<3341>の業績の動向

2. 調剤薬局事業の動向
調剤薬局事業は処方せん枚数と処方せん単価の積でおおむね売上高が決定される。今第2四半期の処方せん枚数は6,752千枚で前年同期比6.9%増となった。既存店ベースでは1.2%増だったが、前年に出店した店舗が今期はフル稼働となり、全社ベースの伸びを押し上げた。

処方せん単価は前年同期比1.1%増の14,628円となった。処方せん単価には調剤技術料のほかに薬剤費も含まれるため、特に高単価の薬剤の影響を受けやすい。代表的高単価薬剤であるC型肝炎薬の影響を除いたベースの処方せん単価は前年同期比5.8%増の14,121円となった。この要因に長期処方(1回で30日分超の薬剤を処方すること)がある。今第2四半期は長期処方が減少することを見込んで前期比横ばいで想定していたが、想定ほどには減少せず、業績の計画比上振れの大きな要因となった。

業績をわかりにくくさせるC型肝炎薬の売上高は、2016年3月期に202億円と急伸したが、2017年3月期は処方量減少と30%超の薬価の引き下げで107億円に急落した。2018年3月期は処方量の一段の減少により通期で42億円(上期23億円、下期19億円)を計画している。第2四半期実績は前述のように前年同期比37億円減の34億円となった。

薬剤料の推移(対前年同月比)を見ると、C型肝炎薬を除いたベースでは、今第2四半期は明確に100%を超えた水準で推移している。この要因としては店舗構成の優位性が挙げられている。2018年3月期第2四半期末時点で568店舗(調剤薬局のみ)を展開しているが、そのうち72%が門前薬局となっている。門前薬局では大学病院等が手掛ける高度医療に関連して、比較的高単価の薬剤や新薬が処方されることが多いことが薬剤料の伸びにつながっているとみられる。

一方、技術料単価も順調に上昇が続いている。2016年4月の調剤報酬改定により、一時は前年同月比を大きく下回ったが、2016年12月にプラス転換した後は順調に前年同月比を上回った状況が続いている。

調剤技術料改善の取り組みの具体的内容については2017年6月14日付の前回レポートで詳述したとおりだ。調剤基本料、基準調剤加算、後発医薬品調剤体制加算の3点での改善による調剤技術料の押し上げが継続している。同社が特に注力してきたジェネリック医薬品の使用率は、今第2四半期で82.5%に達し、国が目指す2020年9月までに80%という目標を超えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MH》

 提供:フィスコ

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