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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、売り先行も好調な米経済を再評価

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。欧州や英国の中銀が引き締めに強気なスタンスを示す可能性があり、ユーロやポンドが買われてドルは売り先行となる見通し。ただ、米国の経済指標から消費の好調さが好感され、ドルは売られすぎの修正に向かう展開となりそうだ。

今晩は英中銀金融政策委員会(MPC)と欧州中央銀行(ECB)理事会が注目される。いずれも政策金利の据え置きが見込まれるものの、引き締めに強気な見解を示唆する可能性があるためだ。英中銀は11月に約10年ぶりの利上げに踏み切った。その後は政策メンバーの間で意見が対立し目先の利上げ時期は不透明だが、英国の欧州連合(EU)離脱交渉の進展を背景に明るさを取り戻しており、成長見通しを強めるかもしれない。

また、ユーロ圏経済は7日に発表された7-9月期域内総生産(GDP)確定値が上方修正されるなど好調さが目立っており、ドラギECB総裁から強気な景気認識が聞かれる可能性もあろう。前日の米連邦準備制度理事会(FRB)による政策決定や今後の見通しについては織り込み済みだったが、円ショートを解消するきっかけとなってドルは全面安に振れたようだ。今晩もポンドやユーロが買われれば、ドル・円をさらに押し下げるだろう。

ただ、前日発表された米国の11月消費者物価指数(CPI)は、それほど大きな失望を誘うものでもなかった。足元では感謝祭とブラックフライデーのオンラインによる小売売上高が過去最高となるなど消費の力強さが意識されており、今晩22時半の11月小売売上高も伸び拡大が予想され、ドル買い戻しの手がかりとなりそうだ。また、米共和党の上下両院の執行部は減税案に関し大筋合意に達した。法案成立を見込んだドル買いが、前日の下落分を吸収する可能性がある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・7-9月期経常収支(予想:-900億ランド、4-6月期:-1100億ランド)
・17:30 独・12月製造業PMI速報値(予想:62.0、11月:62.5)
・17:30 独・12月サービス業PMI速報値(予想:54.6、11月:54.3)
・17:30 独・12月総合PMI速報値(予想:57.2、11月:57.3)
・17:30 スイス中銀が政策金利発表(-0.75%に据え置き予想)
・18:00 ユーロ圏・12月製造業PMI速報値(予想:59.7、11月:60.1)
・18:00 ユーロ圏・12月サービス業PMI速報値(予想:56.0、11月:56.2)
・18:00 ユーロ圏・12月総合PMI速報値(予想:57.2、11月:57.5)
・18:30 英・11月小売売上高(前月比予想:+0.4%、10月:+0.3%)
・21:00 英中銀が政策金利発表(0.50%に据え置き予想)
・21:00 英中銀金融政策委員会の議事要旨発表
・21:45 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(0.00%に据え置き予想)
・22:30 ドラギECB総裁会見
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:23.6万件、前回:23.6万件)
・22:30 米・11月小売売上高(前月比予想:+0.3%、10月:+0.2%)
・22:30 米・11月輸入物価指数(前月比予想:+0.7%、10月:+0.2%)
・23:45 米・12月製造業PMI速報値(予想:53.9、11月:53.9)
・23:45 米・12月サービス業PMI速報値(予想:54.7、11月:54.5)
・23:45 米・12月総合PMI速報値(11月:54.5)
・24:00 米・10月企業在庫(前月比予想:-0.1%、9月:0.0%)
・EU首脳会議(15日まで)

《CS》

 提供:フィスコ

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