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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

レーザーテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■レーザーテク <6920>  2,991円 (+81円、+2.8%)

 レーザーテック <6920> が4連騰で連日の最高値更新、修正後株価で初となる3000円大台乗せを達成した。半導体向けマスク関連装置を主力に手掛け、メーカーの積極的な微細化投資需要を背景に受注を拡大、17年6月期営業利益は12%増益の49億6000万円と2ケタ伸長。18年6月期について会社側は前期比強含み横ばいの50億円を予想するが、これは研究開発投資に積極的に資金投下する計画で利益を押さえる形になるため。トップラインは前期比21%増の210億円を見込んでおり、実質的には高成長が継続するとみてよい。今期の受注は前期比で6割増と急拡大することが予想され、特に次世代半導体技術であるEUV関連装置の大口案件が中期的に収益を押し上げる。レーザー技術は量子コンピューター分野でも重要で、同関連銘柄としてもマーケットの注目度は高い。

■関電化 <4047>  1,228円 (+30円、+2.5%)

 関東電化工業 <4047> が反発。岩井コスモ証券は20日、同社株の目標株価を1300円から1420円に引き上げた。投資判断の「B+」は継続した。同社は14日、18年3月期の連結営業利益を従来予想の70億円から75億円(前期比20%減)に増額修正した。半導体・液晶用特殊ガス類の需要が好調に推移。3DNANDOフラッシュメモリーの生産が増え、この材料ガス(六フッ化タングステン)の需要が急増するなど、特殊ガスは絶好調状態にある。同社の業績修正に対して、同証券では「保守的な印象」とし今3月期の連結営業利益は79億円と一段の増額を予想。19年3月期の同利益は100億円を見込んでいる。

■エクセディ <7278>  3,370円 (+80円、+2.4%)

 エクセディ <7278> が続伸。SMBC日興証券が20日付で、投資評価「2」を継続しつつ、目標株価を3250円から3500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。日本や中国で四輪車用AT部品(トルコン、湿式クラッチ)が好調なほか、その他に含まれる二輪車用クラッチ(インド、インドネシア)も需要旺盛なこと、さらに売上高が会社計画を上回るとみて、限界利益の増分を織り込み、18年3月期の営業利益予想を230億円から235億円へ、19年3月期を同240億円から260億円へ上方修正。内燃機関に関連するサプライヤーであることから、今後のEV化進展に伴うバリュエーション低下リスクはあるが、当面は業績順調を下支えに安定した株価推移が予想されるとしている。

■フューチャー <4722>  1,245円 (+27円、+2.2%)

 フューチャー <4722> が4日続伸し連日の年初来高値。21日、傘下のフューチャーアーキテクトがローソン <2651> のクルーマスタ登録管理システムを構築したと発表しており、これが好感された。ローソンでは、全国に1万3111店舗(17年2月期)を展開し、約23万人のクルーの雇用契約を管理しているが、クルーの採用から勤務開始までのリードタイムを極小化し、平均20人のクルーが勤務する店舗のオーナーや店長の業務負担を軽減しつつ法令遵守を徹底するのがシステム構築の狙い。今回、フューチャーアーキテクトが開発した新システムは、採用したクルーの情報を店舗で直接入力でき、契約書類の作成や郵送の手間を省くほか、クルーの賃金管理や所轄官庁に提出する書類の自動作成などでオーナーや店長の労務管理業務の負荷を軽減するとしている。

■中外薬 <4519>  5,630円 (+120円、+2.2%)

 中外製薬 <4519> が3日ぶりに反発。20日の取引終了後、エミシズマブの第3相国際共同治験で主要評価項目を達成したと発表しており、開発の進捗への期待感から買いが入ったようだ。同治験は、血液凝固第8因子に対するインヒビター(投与された血液凝固因子を異物とみなしてつくられる抗体)を保有しない12歳以上の血友病A患者を対象に、出血抑制を目的にエミシズマブを週1回または2週に1回皮下投与した第3相国際共同治験。主要評価項目は、本剤定期投与群での非投与群に対する出血頻度の抑制であり、エミシズマブの定期投与により出血頻度の統計学的に有意な減少が確認されたとしている。

■Dガレージ <4819>  2,755円 (+48円、+1.8%)

 デジタルガレージ <4819> が5日続伸し、年初来高値を更新。同社は21日、ブロックチェーン人工知能(AI)を活用した新たな金融事業の創出に向けて東京短資(東京都中央区)と提携したと発表。また、ブロックチェーン関連技術の開発を手掛けるカナダのブロックストリーム社と日本国内での事業連携に関して正式契約を結んだことも明らかにしており、これらが買い手掛かりとなったようだ。

■TOTO <5332>  5,820円 (+100円、+1.8%)

 TOTO <5332> が反発。SMBC日興証券が20日付で投資評価「3」を継続しつつ、目標株価を4000円から4700円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、国内リモデルについて高付加価値の新商品の販売が順調なことや、中国事業の好調、静電チャックの拡販を踏まえて新領域事業を増額修正したことなどから、18年3月期の営業利益予想を515億円から540億円へ、19年3月期を同570億円から610億円へ、20年3月期を同630億円から670億円へ上方修正しており、これが目標株価引き上げの要因。ただ、中期的な成長性や19年3月期から配当性向のメドを40%に引き上げるという株主還元姿勢については、高く評価しているが株価には織り込まれているとして、投資評価は据え置いている。

■大気社 <1979>  3,680円 (+60円、+1.7%)

 大気社 <1979> が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を2990円から3590円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、建築工事進捗状況を勘案した環境システム事業の売上高予想の減額や、好事業環境を背景に環境システム部門のマージン予想の引き上げ、海外個別案件の影響に伴う塗装システム部門のマージン見直しなどを考慮し、18年3月期の営業利益予想を110億円から118億円へ、19年3月期を同127億円から135億円へ上方修正しており、これが目標株価引き上げの要因という。また、第1四半期(4-6月)営業利益は、塗装システム部門での不採算案件の影響で前年同期比50.0%減益となったが、第2四半期(7-9月)は同33.2%増と大幅増益転換していることから、個別工事に関わる収益へのマイナスインパクトは一巡したとみているという。

■JIGSAW <3914>  5,570円 (+80円、+1.5%)

 JIG-SAW <3914> [東証M]が上伸。20日の取引終了後、自社株買いの取得枠拡大と取得期間の延長を発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。9月4日に発表した今回の自社株買いでは、上限を1万2000株、または1億円としていたが、2万4000株・2億円に変更する。また、取得期間も従来は12月4日までだったが、来年3月20日までに延長する。なお、11月17日までに1万100株を取得し、取得価額の総額は5942万円に上る。

■セイコーHD <8050>  3,050円 (+35円、+1.2%)

 セイコーホールディングス <8050> が反発。ドイツ証券は21日、同社株の目標株価を3200円から3500円に引き上げた。レーティングは「バイ」を継続した。同証券では、「時計完成品とムーブメントは販売拡大フェーズに入った」と指摘。半導体事業を非連結化してもウオッチ事業が牽引役となり、営業利益の成長は達成できるとみている。同証券では、18年3月期の連結営業利益を従来予想92億円から98億円に、19年3月期は91億円から105億円に増額修正している。

■三井倉HD <9302>  351円 (+4円、+1.2%)

 三井倉庫ホールディングス <9302> が続伸。20日の取引終了後、上場有価証券5銘柄を売却したのに伴い、第3四半期に投資有価証券売却益7億2200万円を特別利益として計上すると発表しており、これを好感した買いが入った。投資有価証券の売却は、政策保有株式の保有意義見直しと財務体質の強化を図るのが目的。なお、18年3月期業績予想に変更はないとしている。

■フィード・ワン <2060>  284円 (+3円、+1.1%)

 フィード・ワン <2060> が3日続伸。20日の取引終了後、約110億円を投じて、北九州市に畜産用配合飼料の新工場を設立すると発表しており、増産効果による業績への貢献を期待した買いが入った。隣接する水産用配合飼料専用工場である北九州工場と共同で原料調達などを行うことで相乗効果を狙い、競争力の強化を進めるのが目的。なお、新工場は18年9月に着工し、20年4月の完成を予定している。

※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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