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【材料】学研ホールディングス---医療福祉サービス事業が成長期へ。主力の教育関連事業は2020年の改革に対応を推進

学研HD <日足> 「株探」多機能チャートより

学研ホールディングス<9470>は11月14日、17年9月期連結業績を発表した。売上高が前期比3.2%増の1,021.77億円、営業利益が同23.8%増の33.82億円、経常利益が同20.6%増の35.25億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同143.3%増の33.30億円となった。当期純利益は繰延税金資産計上にともなう法人税等調整額11.66億円を計上するため、大幅増益となった。

医療福祉事業が業績拡大をけん引した。 売上構成比の約2割を占める同事業の売上高は前期比13.4%増の214.34億円、営業利益は同163.9%増の8.71億円となった。
福祉サービス事業では、サービス付高齢者向け住宅の開業効果(直近1年で9施設開業)、北陸5事業所の事業承継、さらには西日本エリアの入居率向上が好調の要因である。保育園では、開設効果(直近1年で2施設開設)や既存園の充足率向上が見られた。
一方、売上高の8割を占める教育関連3事業では、教育コンテンツ事業の営業利益が前期比58.1%増の10.58億円と好調だった。教育サービス事業は新たに連結子会社となった塾への投資先行により、教育ソリューション事業は17年9月期が教科書・教科書指導書の採択に当たらない事業年度だったこともあり、いずれも減益となったが教育関連3事業合計の営業利益は前期比4.5%増の25.08億円だった。

18年9月期業績の会社計画は、売上高が前期比4.7%増の1,070.00億円、営業利益が同6.4%増の36.00億円、経常利益が同5.0%増の37.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比21.9%減の26.00億円を見込む。
1株あたり年間配当金は10円増配し70円とする予定。
セグメント別では、引続き医療福祉サービス事業が拡大する見通し。同事業の売上高は前期比12.9%増の242.00億円、営業利益は同14.8%増の10.00億円を計画。社会保障費の抑制などの不確定要素もあるが、事業成長による採算性向上が見込まれる。

教育関連3事業では、2020年の教育制度改革を控え、ICT教材の開発と営業力・提案力の強化を進めていく方針である。教育サービス事業では今年5月の市進ホールディングス<4645>の持分法適用会社化に続き、10月に進学会ホールディングス<9760>との資本業務提携を行った。学齢人口の減少にともなう学習塾業界の競争激化や教育制度改革に対応する体制を構築する方針である。

《MW》

 提供:フィスコ

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