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2017年11月16日19時30分

【特集】今だからフリマアプリ関連株、メルカリ上場延期も“注目銘柄”続出中 <株探トップ特集>

コメ兵 <日足> 「株探」多機能チャートより

―急成長でネットオークション逆転目前、拡大市場の有望企業は―

 11月7日付の日本経済新聞で「メルカリ(東京・港)が年内に計画していた東京証券取引所への上場の延期が濃厚になった」と報じられた。12月13日に東証1部または2部に上場予定のSGホールディングス <9143> (佐川急便の持ち株会社)と並ぶ年内の大型上場と目されていた同社の上場延期との報道は、メルカリに出資するユナイテッド <2497> [東証M]の株価急落などを招き、関連銘柄に対する関心も薄れたかのように見える。ただ、フリマ(フリーマーケット)アプリ市場は順調に拡大傾向にあるほか、メルカリの上場思惑もなくなったわけではない。関連銘柄には今だからこそ注目したい。

●メルカリは12月上旬に仕様変更

 メルカリはこれまで、上場に関しての発表は行っていないが、7月に複数のメディアが「東証に上場申請した」と伝えたことで、上場に関する思惑が台頭していた。前述の報道は、こうした市場の関心に冷水を浴びせた格好だが、報道によると問題となっているのは2点。一つは同社のフリマアプリ「メルカリ」の利用者が商品を売った代金を預かる仕組みが「資金決済法に抵触する恐れがある」とされたことで、もう一つが出品者の本人確認に関するものだという。

 これに対してメルカリでは、11月14日に「メルカリの仕様変更のお知らせ」を発表した。12月上旬から、売上金を預かっておける期間を従来の1年から90日に短縮し、期間が過ぎれば利用者の銀行口座に自動的に振り込むようにしたほか、売上金を使用した直接の商品購入をできなくし、商品を購入できるポイント(1ポイント=1円)と交換してもらうようにした。

 また、初回出品の際に、本人情報(住所・氏名・生年月日)の登録を必須とし、登録された本人情報と売上金の銀行口座名義が一致しない場合は売上金を引き出せなくした。本人情報登録を振込申請時から初回出品時に早めることで、盗品などの出品を抑止するとともに警察・捜査機関と、より早期からの連携を可能にしたという。

●フリマアプリ市場はネットオークションに迫る勢い

 こうしたシステムの透明性を高める施策により、上場に向けた準備が再び進むとの見方が強まっているが、フリマアプリに注目するのは、メルカリの上場に関する思惑からだけではない。市場が急拡大しているからだ。

 国内最初のフリマアプリは2012年7月にスタートした「フリル」で、同年10月にハンドメード商品のフリマアプリとして有名な「ミンネ」がサービスを開始した。「メルカリ」のスタートは13年7月で、その後、スマートフォンの普及に合わせてフリマアプリ市場は拡大し、現在に至っている。

 経済産業省が4月下旬に発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、16年の フリマアプリの市場規模(推計)は3052億円で、約4年で形成された新たな市場としてはその規模は非常に大きいとしており、17年以降も市場規模はさらに拡大すると予測している。一方、CtoCによるネットオークション の市場規模は3458億円であり、1990年代後半に誕生した同市場に対して、フリマアプリの急成長ぶりがうかがえる。

●メルカリを追撃する楽天

 現在では、ジャンル別のプラットフォームが続出し、フリマアプリに慣れたユーザーのなかには服を買うならこのサイト、小物や雑貨を買うならあのサイト、という使い分けも進んでいる。新規参入組も含め、市場はさらに拡大しそうだ。

 こうしたなか、メルカリに迫る勢いを見せているのが、楽天 <4755> だ。同社では、「ラクマ」と「フリル」の2つのフリマアプリを運営しているが、テレビCMの効果や手数料無料化などの施策により、10月時点の2サービス合計の流通額は年換算で1000億円を突破。従来「17年内」としていた目標を前倒しで達成した。特に「フリル」は9月の流通総額が前年同月比で5.9倍と高い伸びを記録し、三木谷浩史社長も第3四半期決算説明会で「倍々以上で伸びている」と成長を強調した。

 また、ヤフー <4689> では、オークションサービスの「ヤフオク」で今年2月、それまで、「ワンプライス出品」としていたものを「フリマ出品」と名称変更し、新サービスとしてスタートさせた。オークションは締め切りまでに一番高い金額を提示した人が落札するが、フリマ出品では即決価格で出品するため、すぐに取引できるのが特徴で、利用者も増加している。

●特定のジャンルに特化したフリマアプリも続々登場

 また、特定のジャンルに特化したフリマアプリとして有名なのが、アクセサリーやインテリアなどハンドメード作品のみを扱うGMOペパボ <3633> [JQ]の「ミンネ」だ。今年3月に月間流通金額が9億865万円と過去最高を記録。その後はやや伸び悩んでいるものの、年末商戦に向けてテレビCMなどの施策でテコ入れを図るという。

 また、ノジマ <7419> は今年3月、日本初のデジタル&家電のフリーマーケット「nojima online フリーマーケット(ノジマフリマ)」をスタートさせた。パソコン、テレビ、カメラ、掃除機、レンジなどを扱い、ノジマオンラインのアウトレット 品や特価品、中古品など目玉商品も出品。また、ノジマ店頭で出荷などの手続き支援も実施し、来店動機にもつなげている。

●鑑定機能付きで高額品の取引も容易に

 このほか、直近の動きとして注目されるのが、コメ兵 <2780> [東証2]が今月スタートさせたフリマアプリ「KANTE(カンテ)」だ。ブランド品に特化したフリマアプリで、最大の目玉は「KOMEHYO カンテイ」という鑑定機能。売買が成立する際にコメ兵が仲介し、鑑定してから手元に届けるというオプションで、買い手は安心してブランド品を購入できる。また、売り手にとっても出品後に買い手がつかなかった場合でも、KOMEHYOの鑑定士が査定した買取参考価格が提示される「買取サービス」を利用することで、売りたい品物を売り切ることが可能になるという。いわば「お墨付き」を与えることで、高額な商品でも安心した取引が可能になり、高額品のフリマで競争優位に立ちそうだ。

 さらに、子会社がオタクグッズに特化したフリマアプリを運営するjig.jp(東京都渋谷区)も上場準備を進めているとされている。メルカリ同様に関連するニュースに注目したい。

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