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2017年11月15日15時11分

【特集】BS11 Research Memo(1):良質な番組の提供による広告収入獲得の流れが2ケタ増収として結実

BS11 <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

日本BS放送<9414>は無料のBSデジタルハイビジョン放送「BS11(ビーエス・イレブン)」を運営する独立系BS放送局だ。BS放送は地上波放送と比較して、放送衛星を介して全国の約4,000万世帯の視聴者に全時間帯に同一放送を提供できるという特長がある。同社はこの特長と独立系としての強みを生かして高収益体質を実現している。

1. 2017年8月期は増収増益で着地
2017年8月期は売上高11,569百万円(前期比13.3%増)、営業利益2,227百万円(同5.6%増)と、増収増益で着地した。同社は良質の自社制作番組を充実させて広告収入(スポンサー収入)の獲得を目指す戦略で臨み、レギュラー番組が着実に固定ファンを増やしたほか、開局10周年でリリース数を増やした特番も全般に高評価を獲得し、スポンサー収入の増大につなげた。業界全体の成長率が1ケタ台にとどまるなか、それを大きく上回る2ケタ増収を達成したことは十分評価に値する実績と言えるだろう。

2. 中期経営計画の業績計画を見直し。2020年8月期に売上高150億円の達成を目指す
同社は2016年8月期から2018年8月期までの3ヶ年中期経営計画『Forward 18 by Team BS11』に取り組んでいたが、2017年8月期の実績を踏まえて計画を見直した。新計画は2018年8月期からの新3ヶ年中期経営計画となっており、最終年度の2020年8月期に売上高15,000百万円を目指している。前述のように良質の自社制作番組を送り出して広告収入の拡大につなげるという戦略は着実に進捗している。しかし、業界全体の広告収入の伸びが1ケタ台の一種の踊り場といった業界環境や、広告収入を稼げる看板番組の充実度が同社の期待値を満たさなかったことなどから、計画の修正に至ったとみられる。

3. 売上高は同社の媒体価値の表象。市場自体と同社自身の2つの要素で高い成長余地
同社が掲げる売上高15,000百万円という目標値は、キー局系の先行5社の一角に割って入ることへの同社の強い思いを表している。無料BS放送局である同社のビジネスモデルにおいては、(実額や成長性など様々な)売上高の数値は同社の媒体価値を表象するものでもある。媒体価値の高さがスポンサーを引き付け、また広告単価を左右することになる。BS放送を含めた衛星放送メディア市場は依然として成長途上にあるほか、同社自身、すべての広告枠を売り切っているわけではなく、売上高の成長余地はまだまだ大きい。売上高15,000百万円は通過点に過ぎず、長期的には4K放送などをけん引役としてさらにその上を目指すことになるだろう。

■Key Points
・レギュラー番組の充実と特番の積極投入で、タイム収入・スポット収入が順調に拡大
・番組制作費と広告宣伝費に積極的に費用を投下。効率的な費用の使用に努めて利益の計画達成も実現
・『4つの“力”』と『5本の矢』という基本戦略は不変。自社制作番組の充実が大きなカギ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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