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【市況】10日の香港市場概況:ハンセン0.05%安と小反落、高値警戒感で利食い売り

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

10日の香港市場は小動き。主要50銘柄で構成されるハンセン指数は前日比15.65ポイント(0.05%)安の29120.92ポイントと、小幅に反落した。本土企業株で構成されるH株指数は1.27ポイント(0.01%)高の11745.81ポイントと、小幅ながら続伸。売買代金は1094億1300万香港ドルにやや縮小した(9日は1144億6700万香港ドル)。

高値警戒感が上値を抑える。ハンセン指数は前日に約10年ぶりの高値を付け、節目の29000ポイントを突破しただけに、目先の利益を確定する動きが先行した。前日の米株安も弱気材料。業績期待の強い銘柄が買われる中、同指数はプラス圏で推移する場面も見られたが、引けにかけてこう着感を強め、結局、小幅安でこの日の取引を終えた。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産系コングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)が1.1%下落。同社は前日引け後、航空、海洋サービスの両部門で多額の減損損失を計上する方針を明らかにし、これが2017年通期の業績にマイナスの影響を及ぼすとの見通しを示している。このほか、足元堅調だった騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が0.7%下落し、指数の重しとなった。

半面、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が3.9%高で値上がり率トップ。同社がこの日の昼休み時間に発表した第3四半期(7~9月)の業績は、前年同期比27%増収、24%増益という結果だった。証券ブローカー各社が強気のスタンスを継続する中、後場には一時9.1%値上がりする場面も見られた。

保険株も高い。中国平安保険(2318/HK)が3.2%高、中国人寿保険(2628/HK)が0.7%高で取引を終えた。本土株に連れる形で、後場に上げ幅を広げた格好。足元の本土マーケットの上昇を受け、投資収益の増加が意識された。また、政策メリットへの期待感も浮上。中国政府が9日、金融業界の外資参入規制を緩和する方針を示したことで、「保険業界の構造改革が進み、国内外の保険会社による優位性補完が期待できる」と一部で指摘されている。

本土市場は5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.14%高の3432.67ポイントで引けた。政策などを追い風に保険株が上昇し、全体相場をけん引。インターネット通販の一大商戦日である「シングルデー」を翌日に控え、消費関連株などが買われたことも相場を支えた。

【亜州IR】

《CS》

 提供:フィスコ

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