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【市況】有賀泰夫の有望株リサーチ

今村証券 <日足> 「株探」多機能チャートより

●今村証券 <7175> [JQ]
―株式市場復活で光あたるか、中小証券―

 日経平均株価の上昇が止まりません。まさに過熱感なき上昇相場の様相を呈しています。これは今のグローバルな景気動向で、やはり過熱感なき景気拡大という状況を反映したものです。過熱感がない分、景気も相場も物足りないという論調も多いのですが、過熱すればその反動も大きなものになりますので、過熱感がないことはむしろポジティブに捉えるべきでしょう。

 足元の状況は、外国人投資家がインデックスに近い株を買っていますので、なかなか個別銘柄では儲けにくいという印象があります。しかし、今の相場は完全に循環相場ですから、動いていない、好業績で、割安な株を買っておけば実は着実に大きく儲かります。

 もちろん、高いが活況な一握りの人気銘柄はこんな時期にもどんどん上値を切り上げていますが、一方でそんな銘柄には乗りたくない慎重派の待機資金がどんどん積み上がっています。国内の機関投資家や個人が利食って証券会社に預けたままになっている資金です。

 これらは、買いたくても上がり続けているために買えずにいる待機資金です。これらがある限りはどうしても相場は上がり続けます。

 そんな中でこの25年間、見捨てられた産業として株式市場から無視されてきた産業に証券会社があります。当然、株式市場が半ば死んでいたのですから、株で稼ぐ証券会社が無視されてきたのは致し方ない面があります。しかし、株式市場の復活があれば、証券株にも光が当たる可能性が出てきます。

 しかも、証券会社は今や国内株で稼ぐだけではなく、債券、外国株、受益証券など収益の多様化を行っていますので、企業間格差も開き、この1年を見ても利益が低迷している会社がある半面、利益を大きく増やしている会社も実は多くなっています。それゆえ、個々の企業を細かく見て行く必要があります。さすがに野村証券(野村ホールディングス <8604> )や松井証券 <8628> はこんな相場でも他業種並みの評価を受けていますが、特に中小証券では異常に割安な銘柄が目につきます。

 今回は地方にあって、独特な経営哲学で安定的な経営成績を残している今村証券 <7175> [JQ]に注目したいと思います。

(10月30日 記)

有賀泰夫(ありがやすお)
H&Lリサーチ代表。新日本証券(現みずほ証券)に入社後、アナリストとしてクレディ・リヨネ証券に転職。現三菱UFJモルガンスタンレー証券を経て、09年4月に独立して、H&Lリサーチを設立。ファンド向けアドバイスなどを行う。日本証券アナリスト協会検定会員。

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