【市況】有賀泰夫の有望株リサーチ
ニトリHD <日足> 「株探」多機能チャートより
●ニトリHD <9843>
―業績成長は不変、再び訪れた買いの好機―
日経平均株価が順調に上昇しています。しかし、手持ちの株がなかなか上がらないという印象をお持ちの投資家も多いのではないでしょうか。これは、個々の銘柄が上がっているというよりは、日本株で出遅れていた外国人投資家がまとめてバスケット的に買っているためです。
こんな時こそ、インデックスに惑わされず、個々の銘柄に目を向けるべきでしょう。むしろ日経平均が新高値を付けている割には、高値から調整している銘柄が買いチャンスとなっています。
特に昨今は需給がいいため、株価が簡単に上がる反面、下がり始めると簡単に下がってしまいます。これは決算発表前後で起こりがちで、中身が悪くなくとも見え方が悪くて株価が下がり始めると、中身が悪いのではないかと想像し、追随する売り物が出ることが多いためです。
しかし、株式投資においては見かけより本質が重要です。もちろん、本当の意味で出てきた業績の細かな点まで解釈するには、相当の知識が要ります。それゆえ、プロの投資家でも間違うくらいなのです。
ただし、企業の本質自体はそう簡単に変わるものではありません。本質は変わらなくとも市況産業や景気循環で好不調を繰り返す工作機械や電子部品などは、好調時に株価が大きく買われて、不調時には大きく売られます。
一方、内需型の消費関連企業で大きな業績変動を繰り返すような会社は、そもそもダメ企業であり、長期の投資対象とはなりません。一方で、内需型の消費関連で着実に成長する会社の本質は大きく変わりませんが、株価は不思議と上に行ったり、下に行ったりします。
長期で見れば着実に上昇しているのですが、短期的には結構変動します。ニトリホールディングス <9843> は、前回の第1四半期決算(6月28日発表)でも大きく売られました。そこで、7月19日配信の当コラムでは久々の買い場がやってきたと紹介しました。
その後、再び新高値を付けたのですが、またしても9月27日に公表した第2四半期決算で株価は大きく下げました。これもまた、投資家の考え違いなのですが。そこで、再度買い場となっています。
(10月20日 記)
有賀泰夫(ありがやすお)
H&Lリサーチ代表。新日本証券(現みずほ証券)に入社後、アナリストとしてクレディ・リヨネ証券に転職。現三菱UFJモルガンスタンレー証券を経て、09年4月に独立して、H&Lリサーチを設立。ファンド向けアドバイスなどを行う。日本証券アナリスト協会検定会員。
株探ニュース