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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

NF回路 <日足> 「株探」多機能チャートより

■シスロケ <2480>  1,381円 (+300円、+27.8%) ストップ高

 システム・ロケーション <2480> [JQ]がストップ高。20日、同社が18年3月期の連結経常利益を従来予想の2.4億円→3億円に25.0%上方修正。増益率が5.3%増→31.6%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。前期に続き新製品を稼働できなかったことや人材獲得が進まなかったことで開発費の発生が遅れ、原価と費用が想定を下回ることが利益上振れの要因となる。

■NF回路 <6864>  1,979円 (+400円、+25.3%) ストップ高

 エヌエフ回路設計ブロック <6864> [JQ]がストップ高で4連騰となり、この間に600円以上の上昇をみせる異彩の上げ足をみせた。スーパーコンピューターでは何千年を要する演算をわずか数時間で完結するといわれる量子コンピューター の実用化に日本でも官民を挙げて取り組み始めている。そのなか、微小信号のスペシャリストである同社は量子コンピューター向けに世界最高レベルの信号増幅装置を提供、関連最右翼に位置する銘柄の一角として注目度が高い。

■堺商事 <9967>  402円 (+78円、+24.1%) 一時ストップ高

 堺商事 <9967> [東証2]がストップ高。科学情報サービス会社の米クラリベイト・アナリティクスが20日、ノーベル賞候補者22人を発表し、日本人では化学賞に桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授を挙げた。「ペロブスカイト型」と呼ぶ薄くて軽い太陽電池を考案したことが評価されてのことで、MLCC(積層セラミックコンデンサー)や燃料電池向けにペロブスカイト化合物を取り扱う同社も関連銘柄として人気化しているようだ。

■DNAチップ <2397>  1,599円 (+300円、+23.1%) ストップ高

 DNAチップ研究所 <2397> [東証2]がストップ高。同社は21日、遺伝子関連検査の薬事承認に向けて、第二種医療機器製造販売業許可を東京都から取得したと発表。これが材料視されたようだ。同社は大阪府立病院機構大阪国際がんセンターとの共同研究で、肺がんにおける薬剤応答性を調べる検査(EGFR-NGSチェック検査)を開発し、今年4月に事業化。医療保険制度の下で使用できるようにするために薬機法(旧薬事法)承認を目指しており、今回の医療機器製造販売業許可取得はその一環となる。

■日本ラッド <4736>  1,097円 (+150円、+15.8%) ストップ高

 日本ラッド <4736> [JQ]がストップ高。同社は官公庁や医療機関向けシステム開発などで実績を持ち、サイバーセキュリティー分野でも強みを持っているが、ここスーパーコンピューターの性能をはるかに凌ぐ次世代コンピューターとして量子コンピューターの存在が注目されており、その有力関連株として人気化した。産業用コンピューター分野で世界トップシェアのアドバンテック(台湾)と協業体制にあり、同分野での研究開発の進捗に期待がかかっている。

■アバント <3836>  2,108円 (+258円、+14.0%)

 アバント <3836> [JQG]が5連騰。20日、同社が10月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。併せて今期の期末一括配当を10円とし、株式分割を考慮した実質配当が5.3%増配とする方針を示したことも支援材料。

■レオン自動機 <6272>  1,571円 (+175円、+12.5%)

 東証1部の上昇率2位。レオン自動機 <6272> が急反騰。20日、同社が18年3月期の連結経常利益を従来予想の28億円→36.5億円に30.4%上方修正。従来の16.4%減益予想から一転して9.0%増益を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。省人化需要の高まりを追い風に、国内やアジア向けに利益率の高い食品加工機械の販売が伸びる。業績上振れに伴い、今期の上期配当を従来計画の11円→14円に増額し、下期配当も従来計画の11円→14円に増額修正したことも買いに拍車を掛けた。なお、年間配当は28円(前期は24円)となる。

■ブレインP <3655>  1,175円 (+118円、+11.2%)

 東証1部の上昇率3位。ブレインパッド <3655> が急反騰。ディープラーニング分野の研究開発で先駆しており、独自アルゴリズムを活用した自然言語処理エンジン「マインドプラス」など技術力の高さに定評がある。同社は「NVIDIA Inception プログラム」のパートナー企業に認定され人工知能(AI)関連の有望株として一段と認知度が高まった。グローバル企業の間で導入・実験する動きが活発化する量子コンピューターが株式市場でも注目され始めた。そのなか同社はAI関連の代表株であるとともに、量子コンピューターとの融合で飛躍的な業容拡大につながるビジネスモデルを有する企業として改めて脚光を浴びている。

■芝浦 <6590>  392円 (+36円、+10.1%)

 東証1部の上昇率4位。芝浦メカトロニクス <6590> が4連騰。一時ストップ高にあと2円と迫る78円高は434円まで買われ7月28日につけた年初来高値368円を大幅に更新した。同社が400円台をつけたのは2010年7月以来7年ぶりのこと。同社は半導体やフラットパネルディスプレーなどのデバイス製造装置を手掛けるが、スマートフォンのハイエンド化やデータセンターの増設、電装化に伴う車載向け部品点数の増加などを背景とする旺盛な半導体需要が追い風となった。また、電気自動車(EV)の普及加速を背景にリチウムイオン電池などその動力源に注目が集まるなか、2次電池製造装置を提供していることで、将来的な成長期待が大きい。米アップルのiPhone最上位機種で有機ELが採用され、スマートフォン向け有機ELディスプレー市場の拡大に期待がかかっているが、同社は有機EL用貼り合わせ装置も展開していることで、ここでも恩恵を享受する。37%弱の同社株式を保有する筆頭株主の東芝 <6502> [東証2]は、その保有する全株式を銀行担保に差し入れており、現状売却について凍結状態にあることも株式需給面で安心感を与えている。

■シェアテク <3989>  2,444円 (+224円、+10.1%)

 シェアリングテクノロジー <3989> [東証M]が急反騰。同社はライフサービスのマッチングプラットホーム「SHARING PLACE」を手掛ける。20日、8月の流通総額は前年同月比61.7%増の7.6億円だったと発表しており、これが好材料視されたようだ。流通総額は4ヵ月連続で過去最高を更新した。今期経常利益は前期比6.7倍の3.6億円に急拡大する見通しだが、第3四半期時点の対通期進捗率は82.0%に達している。足もとの業績好調を受けて、通期業績の上振れを期待する買いが膨らんだ。

■フロンテオ <2158>  679円 (+59円、+9.5%)

 FRONTEO <2158> [東証M]が4日大幅続伸。20日、特許調査・分析システム「KIBIT Patent Explorer」の導入企業が20社を突破したと発表したことが買い材料視された。KIBIT Patent Explorerは、独自開発した人工知能「KIBIT」を活用し、発明の新規性・進歩性を否定する根拠となる可能性がある特許文献を、迅速に発見・抽出することによって、特許調査を効率化するシステム。15年10月の提供開始以来、着実に導入実績を伸ばしている。現在導入を検討しているユーザーも多く、さらなる拡大を期待する買いが向かったようだ。

■稀元素 <4082>  1,556円 (+130円、+9.1%)

 第一稀元素化学工業 <4082> [東証2]が急反発。科学情報サービス会社の米クラリベイト・アナリティクスが20日、ノーベル賞候補者22人を発表し、日本人では化学賞に桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授を挙げた。「ペロブスカイト型」と呼ぶ薄くて軽い太陽電池を考案したことが評価されてのことで、ペロブスカイト系材料を製品化している同社に関連銘柄としての注目が集まった格好だ。また、ペロブスカイト太陽電池の実用化を目指す桐蔭横浜大学発ベンチャーのペクセル・テクノロジーズ(横浜市青葉区)と過去に大面積・高性能プラスチック太陽電池素子を共同開発したことのある藤森工業 <7917> も関連銘柄として人気化した。なお、ノーベル賞は生理学・医学賞が10月2日、物理学賞が3日、化学賞が4日にそれぞれ発表される。

■シーズHD <4924>  3,975円 (+175円、+4.6%)

 シーズ・ホールディングス <4924> が大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で投資判断「オーバーウエイト(強気)」を継続し、目標株価を4300円→4370円に増額したことが刺激材料となったようだ。リポートでは、18年7月期の会社計画は外部EC向け売上とインバウンド関連売上の想定が保守的であると指摘。これを踏まえ、今期の営業利益予想を97億円→99.8億円(会社計画は90億円)に引き上げた。また、現コンセンサスは同証券の予想を下回るが、今後コンセンサスが切り上がるにつれ、株価上昇余地が生まれると考えている。

■日揮 <1963>  1,816円 (+67円、+3.8%)

 日揮 <1963> が4日続伸。5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現で底値圏離脱の動きが鮮明だ。ここ原油市況が回復歩調を強め、直近WTI原油先物価格は1バレル=50ドル台を回復、これは石油精製プラントを主力に手掛ける同社にとって追い風となる。OPEC加盟国の減産期待もあり、今後原油価格の大幅な低下は想定しにくいとの見方が強まっていることで同社株を中期スタンスで拾う動きが出たもよう。また、触媒・ファイン事業では4Kテレビ用機能性塗料の需要が会社側見込みを上回るスピードで拡大しており、業績への貢献が期待されている。「18年3月期営業利益260億円見通しは30億円前後の上振れが有望」(国内中堅証券)という。

■国際石開帝石 <1605>  1,179円 (+41.5円、+3.7%)

 国際石油開発帝石 <1605> 、石油資源開発 <1662> など資源開発関連株が買われた。ここ原油市況が上昇基調を強めており、20日のWTI原油先物価格は93セント高の1バレル=50ドル41セントと50ドルの大台に乗せてきた。終値ベースでの50ドル台乗せは7月31日以来。これを受け、原油価格上昇で収益メリットを受ける資源関連株に物色の矛先が向いた。

■三井不 <8801>  2,422.5円 (+81円、+3.5%)

 三井不動産 <8801> 、三菱地所 <8802> などが大きく買われた。「不動産 」は業種別騰落率で値上がり2位となった。市場では「全体指数が高値圏を走るなか、不動産セクターは相対的な出遅れ感が顕著だった。21日の日銀の金融政策決定会合の結果も想定通りとはいえ、“現状維持”であったことで超低金利環境が続くとの思惑も買いを助長している」(国内準大手証券ストラテジスト)と指摘されていた。

■日立ハイテク <8036>  4,160円 (+120円、+3.0%)

 日立ハイテクノロジーズ <8036> が反発。大和証券が20日付で投資判断を「3」から「2」に引き上げたことが好材料視されたようだ。第1四半期(4-6月)決算発表後に株価は調整したが、これにより割安感が強まったと判断したという。生化学分析装置の在庫調整は短期で収束する可能性が高く、18年度は引き続き成長トレンドに回帰すると想定していることや、TSMCの設備投資に関しても、7nm向けの投資に加え、中国南京Fabでの投資拡大により18年度も底堅く推移すると判断。インテルが10nmのランプアップを計画している点も含めて、18年度の電子デバイス事業の業績は拡大が期待できるとしている。なお、目標株価は4800円から4500円へ引き下げている。

■カカクコム <2371>  1,400円 (+24円、+1.7%)

 カカクコム <2371> が続伸。20日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の2.3%にあたる500万株(金額で70億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は9月21日から11月20日まで。

■関西電力 <9503>  1,558.5円 (+25円、+1.6%)

 関西電力 <9503> が反発。20日の取引終了後、未定としていた中間配当を15円(前期無配)にすると発表しており、6年ぶりの中間配当実施となることが好材料視された。最近の需給状況や経営環境を総合的に勘案したという。なお、期末配当については引き続き未定としている。

■日本郵船 <9101>  237円 (+3円、+1.3%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運株が買い優勢の展開。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が前日20日時点で34ポイント高の1449と5日続伸、長期波動の上値のフシとなっていた2014年10月の1428を上回った。元来、バルチック指数と株価連動性の強い海運株は出遅れ修正狙いの買いが入った。

■ジェイエイシ <2124>  1,697円 (+19円、+1.1%)

 JAC Recruitment <2124> が4日続伸。20日の取引終了後に発表した8月度の連結月次売上高が前年同月比18.4%増となったことが好感された。7月は同0.2%増にとどまり伸び鈍化が懸念されたが、8月は2ヵ月ぶりに2ケタ増に戻しており、足もとの好調が確認できたとの見方が強まったようだ。

※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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