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【経済】米年内追加利上げ観測が一段と後退する?経済指標、為替を要チェック! 住信SBIネット銀行(三井智映子)


こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。

まずは先週のおさらいから。9月1日に発表された米8月雇用統計の結果が予想を下ぶれたことでFRBの年内利上げ観測は一段と後退しました。また、9日に北朝鮮が建国記念日を迎えることでミサイル発射などが懸念され、地政学リスクも台頭していましたね。そして足元ではハリケーン「イルマ」がメキシコ湾岸東部の米石油施設に甚大な影響を与える可能性もあり、「イルマ」の影響を見極めたいというムードもありました。

レポートでは、『ドラギ総裁の会見で資産買入れ縮小へのアプローチに対して市場が予想したほど積極的ではなく、ドイツをはじめ欧州各国の債券利回りが低下したことから、アメリカの10年債利回りも昨年11月の大統領選前の水準となる2.03%台へ低下。さらにハリケーン・ハービーの被害拡大やフロリダに接近のハリケーン・イルマへの影響も懸念され米10年債利回りは2.01%台へ低下(中略)北朝鮮の挑発行動への警戒感から上値の重い展開を継続し、107円台後半で先週末のNY市場の取引を終えています』と分析しています。

では今週の注目ポイントはどこなのでしょうか?「ウィークリーレポート」では、まず北朝鮮リスクに言及し、『9日の北朝鮮建国記念日での弾道ミサイル発射など挑発行動は見られなかったものの引き続き警戒感は残ったまま、11日に予定される対北朝鮮制裁を巡る国連安保理での採決など北朝鮮情勢を巡る波乱要因が金融市場の重石となりそうです』と伝えています。

また為替の変動要因については、『イギリスやスイス中銀の金融政策委員会が開催されるだけにポンドやスイスフランの動向がドル/円のどのような影響を及ぼすのか注目です。今週は北朝鮮への制裁を巡る国連安保理決議の行方、それ以降の世界の政治的バランスによって金融市場にも影響が及ぶかもしれません』と分析しています。

前週末(8日)にドルは107円32銭まで下落しましたが、9日と10日に北朝鮮によるミサイル発射が確認されなかったことから、11日早朝よりドルの買い戻しが観測されました。また、米長期金利が小幅に上昇したこともドル相場を支えています。ただ、米朝間の情勢緊迫化が引き続き予断を許さない中、比較的安全資産とされる円を買う動きは根強いと考えられますが、『14日のアメリカ消費者物価指数、15日の小売売上高を受けてFRBの利上げ観測が一段と後退し、仮にアメリカの10年債利回りが2.0%を割込むようなことになればドル/円も先週末の107円32銭を下回る可能性もあるだけに予断の許さない、神経質な1週間となりそうです』とまとめています。

最後に、今週の主な経済指標・イベントとして下記が予定されています。

12日
仏:2Q 雇用者数
英:8月 消費者物価指数
米:8月 NFIB中小企業楽観指数、7月 JOLT労働調査[求人件数]

13日
日:3Q 景況判断BSI
欧州:2Q 雇用者数、7月 鉱工業生産
独:8月 消費者物価指数
英:8月 失業率
米:9/8 MBA住宅ローン申請指数、8月 生産者物価指数、9/8 EIA原油在庫、8月 財政収支

14日
中国:8月 小売売上高
日:7月 鉱工業生産
仏:8月 消費者物価指数
スイス:9/14 スイス中銀 政策金利、
英:9/14 英中銀 政策金利
米: 8月 消費者物価指数、9/9 新規失業保険申請件数

15日
欧州:7月 貿易収支
米:9月 ニューヨーク連銀製造業景気指数、8月 小売売上高、8月 鉱工業生産、9月 ミシガン大学消費者信頼感指数、7月 企業在庫

為替の値動きを睨みつつ、経済指標をチェックしたいですね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子

《DM》

 提供:フィスコ

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