【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:エイチーム、田中化研、丹青社
エイチーム <日足> 「株探」多機能チャートより
8日、エイチーム <3662> が決算を発表。17年7月期の連結経常利益は前の期比96.7%増の41.1億円に拡大して着地。続く18年7月期も前期比14.1%増の47億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。前期は昨年6月にリリースしたスマートフォン向けゲーム「ヴァルキリーコネクト」を中心に好調だったエンターテインメント事業が収益を牽引した。今期は金融メディア、引越し比較サイトなどを展開するライフスタイルサポート事業が前期比34.9%の大幅増収を見込む。業績好調に伴い、今期の年間配当は前期比5.5円増の32.5円に増配する方針としたことも支援材料となった。なお、配当実施は前期まで中間期と期末の年2回としていたが、今期から期末のみの年1回に変更する。
■田中化学研究所 <4080> 1,889円 +152 円 (+8.8%) 11:30現在
田中化学研究所<4080>、ニッポン高度紙工業<3891>、オハラ<5218>、ステラ ケミファ<4109>、IMV<7760>、ホソカワミクロン<6277>などリチウムイオン電池関連株に物色の矛先が向かっている。日産自動車<7201>が6日、電気自動車(EV)「リーフ」の新型を10月2日に国内で発売すると発表した。1回の充電で走れる距離が400キロメートルと先代と比べ4割も伸び、価格は約315万円からで、補助金の分を引くと実質275万円からということもあってEVの普及を牽引しそうだ。つれてリチウムイオン電池や急速充電器の市場も急拡大していくことが予想され、関連株に改めて注目が集まっている。
■丹青社 <9743> 1,338円 +84 円 (+6.7%) 11:30現在 東証1部 上昇率10位
ディスプレー大手の丹青社 <9743> が急伸し、年初来高値を更新した。8日に発表した18年1月期上期(2-7月)の連結経常利益は前年同期比2.5%増の29.6億円で着地した。4日に業績上方修正した数値とほぼ同値での着地となったが、足もとの業績好調を評価する買いが改めて入っているようだ。良好な市場環境を背景に、大型の企業PR施設やテーマパーク関連、ホテル分野の新改装案件のほか、アパレルや飲食店向けなどが伸びた。第1四半期(2-4月)は前年同期比30.2%の減益だったものの、第2四半期(5-7月)は2.4倍の大幅増益となり、累計で増益に転換した。通期計画の43億円に対する進捗率は68.9%にしており、通期業績の上振れを期待する買いも向かっている。
■第一工業製薬 <4461> 669円 +41 円 (+6.5%) 11:30現在
第一工業製薬<4461>が大幅高で4連騰と上値指向を鮮明としており、時価は1996年以来約21年ぶりの高値圏に浮上、実質的な青空圏を突き進む展開となっている。同社は水溶性高分子製品など界面活性剤の大手で業績は好調、14年3月期以降営業利益、経常利益、最終利益いずれも2ケタ増益基調を続けている。リニア中央新幹線のトンネル工事に使う固結材を手掛け、中長期的な収益面への追い風が期待されるほか、リチウムイオン電池正極材の高性能化および安全性を引き出すイオン導電性高分子電解溶媒を製造していることから、電気自動車(EV)の普及で需給逼迫が伝わるリチウムイオン電池関連の一角としてにわかに脚光を浴びている。
■村田製作所 <6981> 16,655円 +470 円 (+2.9%) 11:30現在
村田製作所<6981>、TDK<6762>が6日ぶりに反発、またアルプス電気<6770>は7日ぶりに反発するなど米アップルのサプライヤーリストに指定される電子部品メーカーに買いが集まっている。アップルが12日(現地時間)に開催する新製品発表会でiPhoneの新型モデルを披露することが予想されており、これを前に関連銘柄の押し目を拾う動きが顕在化している。今回の新型iPhoneはワイヤレス充電や有機ELディスプレーが採用されるとの思惑から話題性が高く、電子部品や素材を手掛ける関連銘柄への収益恩恵が期待されている。
■TSIホールディングス <3608> 833円 +20 円 (+2.5%) 11:30現在
TSIホールディングス<3608>が反発している。同社は8日取引終了後に、8月度の直営店月次売上高を発表。既存店売上高は前年同月比3.5%増となり、2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感されているようだ。オンラインショップの既存店売上高が同18.7%増(7月は8.6%増)と大きく伸びたほか、小売店が同0.3%増と2カ月ぶりのプラスとなったことが寄与した。なお、全店ベースの売上高は同1.0%減となっている。
■ホソカワミクロン <6277> 5,550円 +100 円 (+1.8%) 11:30現在
ホソカワミクロン<6277>は反発、8月末に580円高と急騰を演じたが、その後も目先筋の利益確定売りを完全に吸収、上値指向の強さを見せつけている。同社は粉体製造装置を手掛け、ナノレベルの高度な粉砕技術など他社の追随を許さない高度な技術力が光る。ここ各社生産ライン増強に躍起となるリチウムイオン電池分野では、同製造に使うネオジム、鉄、ボロンなどの磁性材料をジェットミルなどにより粉砕し製品化しており、今後の収益機会の拡大が必至とみられている。
■ファナック <6954> 21,335円 +320 円 (+1.5%) 11:30現在
ファナック<6954>やツガミ<6101>、DMG森精機<6141>など機械株が高い。内閣府が発表した7月の機械受注統計は、設備投資の先行指標である「船舶電力を除く民需」(季節調整値)が前月比8.0%増と市場予想(同4.1%増)を上回った。為替が円安方向に振れたことも機械株には買い材料となった。
■清水建設 <1803> 1,180円 +14 円 (+1.2%) 11:30現在
清水建設<1803>や大成建設<1801>、鹿島<1812>など建設株が高い。大成建、鹿島は年初来高値を更新した。クレディスイス証券は11日、建設セクターに対し「強気継続」とした。清水建に対しては、投資評価を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」へ引き上げた。目標株価は1300円から1400円に見直した。18年3月期業績予想の上方修正などを見込んでいる。また、鹿島の目標株価は1050円から1200円、大成建は1300円から1500円に引き上げた。ともに投資評価は「アウトパフォーム」としている。大林組<1802>は、相対的な投資評価を考慮して「アンダーパフォーム」としているが、目標株価は1300円から1400円に見直した。
■島津製作所 <7701> 2,128円 +25 円 (+1.2%) 11:30現在
島津製作所<7701>が4日続伸。大和証券が8日付で、投資判断を「3」から「2」とし、目標株価を1900円から2400円へ引き上げたことが好材料視されているようだ。第1四半期業績は営業利益が前年同期比13.8%減の38億8400万円となったが、前年度に計上された在庫の未実現利益消去に関する一時利益の影響(8億円)や戦略的な投資費用(6億円)が主たる減益要因と指摘。一方で、主力の計測機器事業の売り上げは堅調であることから、同証券では計測機器を牽引役として安定的な業績拡大が続くというシナリオに変更はないと判断している。第1四半期決算の減益と利益率低下を嫌気して決算後の株価は下落したため、エントリーの好機としている。
■アウトソーシング <2427> 6,970円 +80 円 (+1.2%) 11:30現在
アウトソーシング<2427>に注目したい。同社は工場製造ラインへの人材派遣が主力。高水準の有効求人倍率が続くなか、同社の業績は好調。第2四半期(1~6月)連結決算は、営業利益が35億6200万円(前年同期比51%増)と従来計画の29億円を上回って着地した。今12月通期の同利益は前期比71%増の95億円で据え置かれているが、市場には105億円前後への増額修正観測が出ている。株価は業績拡大を好感し8月末に7660円まで値を上げた。同社では、この株価上昇を受け9月末時点の株主に対して1対5株の株式分割を実施する。分割実施後は、再上昇が狙えるだけに、ここは権利取りを狙いたい。(地和)
■イトクロ <6049> 4,905円 +25 円 (+0.5%) 11:30現在
イトクロ<6049>が大幅反発。前週末8日の取引終了後、17年10月期の単独業績予想について、売上高を35億円から39億円(前期比12.7%増)へ、営業利益を15億1200万円から17億4000万円(同27.0%増)へ、純利益を9億8700万円から11億3600万円(同27.8%増)へ上方修正したことが好感されている。「塾ナビ」「みんなの学校情報」「家庭教師比較ネット」「医学部受験マニュアル」などの主要ポータルサイトによる売り上げが好調に推移したことに加えて、コンサルティングサービスも前回予想を上回ったことが売上高・利益を押し上げたとしている。なお、同時に発表した第3四半期累計(16年11月~17年7月)決算は、売上高31億9600万円(前年同期比17.4%増)、営業利益16億6600万円(同25.0%増)、純利益10億8300万円(同25.9%増)だった。
■ツバキ・ナカシマ <6464> 2,237円 -107 円 (-4.6%) 11:30現在
8日、ツバキ・ナカシマ <6464> が米カーライル・グループ傘下のCJP TNホールディングスによる1767万4400株(海外追加分上限103万9100株含む)の売り出しと、オーバーアロットメントによる上限97万2900株の売り出しを実施すると発表。売り出し株数が最大1864万株で発行済み株式総数の約46%に相当することから、株式需給悪化が嫌気された。売出価格は26日から28日までのいずれかの日に決定。売出しの目的は、流動性の向上と株主層の拡大を図ることが狙い。
■チタン工業 <4098> 294円 +80 円 (+37.4%) ストップ高 11:30現在 東証1部 上昇率トップ
チタン工業<4098>が急騰、ストップ高の294円に買われる人気となった。同社はリチウムイオン電池向けにチタン酸リチウムを提供しており、その有力関連株として人気化した。10月に順次発表が行われるノーベル賞では、リチウムイオン電池は有力候補みられているが、とりわけ光触媒の活性物質である酸化チタンが改めて注目される可能性が高まっている。
■トーシン <9444> 701円 +100 円 (+16.6%) ストップ高買い気配 11:30現在
8日、トーシン <9444> [JQ] が決算を発表。18年4月期第1四半期(5-7月)の連結経常利益が前年同期比3.6倍の1.3億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。同社は中部地盤の携帯販売代理店。第1四半期は主力の移動体通信関連事業の利益率が改善したほか、一般管理費や営業外費用が減少したことが大幅増益の要因となった。上期計画の1.8億円に対する進捗率は73.5%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
●ストップ高銘柄
杉村倉庫 <9307> 525円 +80 円 (+18.0%) ストップ高 11:30現在
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース