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【特集】ケネディクス Research Memo(4):受託資産の積み上げを実現する仕組みや豊富なラインアップに強み

ケネディクス <日足> 「株探」多機能チャートより

■会社概要

3. 企業特長
(1) 受託資産の積み上げを実現する仕組み
ケネディクス<4321>の成長モデルの特徴は、不動産を自ら保有せず、グループで組成・運用するファンドが保有することにより、安定的な収益力を追求する「ケネディクスモデル」にある。したがって、受託資産残高を積み上げることにより、アセットマネジメント事業の収益を安定的に伸ばすことが業績拡大に結び付く。特に、リーマン・ショック以降、その方針が明確に打ち出されている。不動産投資ファンドの勃興期から活躍してきた同社は、不動産市況等の影響を受けながらも、着実に受託資産残高を積み上げており、独立系の不動産アセットマネジメント会社では国内最大規模となっている。1.8兆円を超える受託資産は、同社の収益基盤を支えるとともに、ブランド力の向上や運用ノウハウの蓄積にも貢献することで、更なる受託資産の拡大につながる正の循環が成立していると言える。

また、アセットマネジメント事業を中核として、不動産関連事業と不動産投資事業の3つの事業が相互に支え合う3 本の柱として機能することで競争力の向上や価値創造を実現し、最終的には受託資産残高の拡大につながっているところも同社の強みである。

特に不動産市況が回復し、物件取得競争が激化するなかで、これまでの経験を生かした目利きの高さに加えて、他社に先駆けて様々な手法(開発型案件のほか、ブリッジファンド、私募ファンドの組成、物件取得を目的とした商業不動産担保証券への投資など)を手掛けるとともに、他社との協業などをうまく生かしながら、新たなアセットクラス(ヘルスケア、インフラ等)に挑戦してきたことも、独立系である同社ならではの機動性や先進性が発揮されている。また、最近では、「民泊」拡大を見据え、サービスアパートメント事業を開始したほか、(株)野村総合研究所との協業により、新しい不動産投資の仕組みである不動産クラウドファンディング事業の立ち上げにも取り組んでいる。

(2) 豊富なラインアップをそろえるREITビジネス
幅広い投資家層に、豊富なラインアップを提供できることも強みと言える。従来は中規模オフィスに対する目利きの高さに優位性があったが、受託資産残高の拡大とともに賃貸住宅や物流施設、商業施設のほか、注目されているヘルスケア関連施設や太陽光発電所などのインフラも手掛けており、様々な投資スキームの提供と合わせ、投資家のニーズやリスク・リターン属性に見合った最適な提案が可能となっている。特に、REITについては、様々なアセットクラスを取りそろえた6つのJ-REITと1つの私募REITなどを運用しており、世界でもまれなREIT運用グループとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《NB》

 提供:フィスコ

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