市場ニュース

戻る
 

【材料】ラクス---クラウドシステム「楽楽精算」の導入加速。オフィス移転費用をこなして増益

ラクス <日足> 「株探」多機能チャートより

ラクス<3923>は8月14日、2018年3月期第1四半期の決算発表を行った。

売上高は14.15億円(前期比23.3%増)、営業利益は2.91億円(同0.5%増)、経常利益は2.91億円(同1.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1.99億円(同1.2%増)となった。「楽楽精算」をはじめとするクラウドサービスが成長を持続して順調に増収を達成。5月に本社を含む3拠点を統合・移転し、その一時費用(0.52億円)が発生したが、増収効果により増益を確保した。

クラウド事業の中でも著しい成長を見せるのが、クラウド経費精算システム「楽楽精算」だ。導入社数は2,226社(2017年7月末)に達し、月60社増加(2017年3月期平均)から月67社増加(2017年4月~7月平均)に導入ペースを加速している。「楽楽精算」は初期導入の簡単さ、経理部門だけでなく申請者や承認者の負担が少ないこと、月額3万円からという低い価格設定などが特長。8月中には新たなTVCMの放映も予定しており、更なる導入社数の向上を目指す。

新たにクラウドサービスのポートフォリオに加わったのは、「チャットディーラー(Chat Dealer)」だ。Eコマースやソーシャルゲームなどの業界で、チャットによるカスタマーサポートを行いたい企業を対象に、定型化された質問に自動返答する機能(チャットBot機能)などにより効率的な対応を可能にする。業界No.1のメール管理・共有システム「メールディーラー」で培ったノウハウを活用して次の成長を担うサービスに育てたい考えだ。

働き方改革が本格化する中で、生産性向上は重要なテーマとなっている。同社のクラウドサービスはすべてが企業内の業務効率化につながる仕組みであり、働き方改革の進展は追い風となる。

2018年3月期の連結業績計画は、売上高で60.50億円(前期比22.7%増)、営業利益は11.72億円(同20.2%増)、経常利益で11.76億円(同20.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8.37億円(同14.4%増)と期初の予想を据え置いた。クラウド事業はストック型ビジネスであり、第1四半期に獲得された顧客(売上)は通期で業績に貢献する。通期の売上高予想に対する1Q進捗率は23.4%(前期比0.1ポイント増)であり、スタートダッシュに成功したと言えるだろう。

なお、同日、株式の流動性向上を目的とした立会外分売を行うことを発表した。分売予定株式数は1,130,000株。分売期間は2017年8月22日(火)~2017年8月25日(金)を予定し、買付については1人につき 2,000 株(売買単位:100 株)を限度としている。

《MW》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均