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【市況】ビットコインのセグウィット適用が確定、今後の流れと価格への影響は【フィスコ・ビットコインニュース】

フィスコ <日足> 「株探」多機能チャートより

 

ビットコイン(BTC)にセグウィット(Segwit、Segeregated Witness)という取引処理能力向上のための技術施策が適用されることが、日本時間8月9日午前3時ごろ確定した。確定がほぼ確実とみられていたことから、5日頃からビットコイン価格は上昇し、フィスコ<3807>傘下の仮想通貨取引所のビットコイン/日本円チャートでは8日、393,400円の過去最高値を記録した。

9日に確定したセグウィット適用だが、実際に使われるようになるのは、ユーザーやマイナー(採掘者)がソフトウェアをアップグレードする必要を考慮して2週間ほど後、8月23日前後と見られている。この前後にも、ビットコインの価格が動く可能性がある。

セグウィットとは、ビットコインの長年の課題だった取引処理能力を高めるために非常に有力視されている技術だ。ビットコインの取引履歴の保存をする技術はブロックチェーンと呼ばれ、約10分に1ブロックの頻度で取引履歴データを格納するが、ビットコインの取引量が今後も増えた場合に、この1ブロックのサイズが不足してしまう恐れがあった。サイズ不足による処理能力の限界により、取引の遅延や停止が生じる可能性や取引手数料の高騰が懸念されていたが、セグウィットの導入は、取引履歴データのサイズを圧縮することで1ブロック当たりのデータ容量を高めることができ、懸念を払拭すると期待されている。

セグウィットの適用にはマイナー(採掘者)と呼ばれるビットコインの発行作業に貢献するネットワーク参加者の80%以上の支持が必要だったが、結果は100%の支持を得て、満を持してのスタートとなる。

セグウィットが適用されると、ビットコインによる支払い機能の利便性が飛躍的に高まることが期待される。例えばセグウィット適用後に可能になると見込まれるライトニングネットワークと呼ばれる技術は、ビットコインによる1円以下の超少額支払いや、それを可能にするごく少額の取引手数料、また1秒以内の取引完了の実現を目指す。また、アトミックスワップという技術では取引所などの仲介者を介することなくビットコインやライトコインといった異なる通貨を個人間で交換するためのものだ。

こうした超高速、超安価な送金が実現すれば、現状では実際の利用者はまだごく少ないビットコインを利用するインセンティブが上昇するという期待感があり、セグウィットとそれに関する技術動向は今後もビットコイン市場を動意づける大きな要素のひとつとなろう。

《SI》

 提供:フィスコ

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