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【市況】【ビットコイン・ニュース】イーサリアム分岐の事例からビットコイン分岐を読み解く


ビットコイン・キャッシュが誕生し、数日経過しましたが、現在の価格は20000円ほどで推移しています。一方、ビットコインは史上最高値(36万9995円、フィスコ仮想通貨取引所)を更新しており、8月6日15時時点では、35万-36万円で推移しています。ビットコインとビットコイン・キャッシュに分岐して以降、両通貨とも価格が大きく変動しています。

そこで今回は、参考事例として、昨年7月に分岐したイーサリアムのケースを振り返ってみたいと思います。一年前と違い仮想通貨に対する関心が高いなど状況は異なりますが、分岐という数少ない過去の事例を検証しておくことは重要です。

2016年7月、イーサリアムの分岐直後には1ETH=13米ドル前後に対して1ETC=2.2米ドル前後で、イーサリアム(ETH)側の価格は分岐の直前と大きな違いが出ませんでした。むしろ、分岐前の1~2か月間の方が、分岐やその他のニュースに影響されて価格は乱高下していました。イーサリアム・クラシック(ETC)は分岐直後に一時高騰し、イーサリアム価格の半分ほどまで迫るかと見えた数日間がありましたが、その後は落ち着いて2016年中はイーサリアム価格の10分の1程度(1ETH=1米ドル前後)での推移が続きました。

2017年春以降、仮想通貨市場全体の時価総額が急成長した影響で、イーサリアム、イーサリアム・クラシックそれぞれの価格も大きく伸びました。特にイーサリアムの方が伸び率は大きく、7月31日現時点では1ETH=197米ドル前後、1ETC=13米ドル前後で取引されています(Coin Market Capより)。

イーサリアムとイーサリアム・クラシックとの価格差を考える上でのひとつのヒントは、取引に対応する取引所数やマイニング(採掘、発行作業)をしているマイナー(採掘者)の数と処理能力の規模の違いということができます。例えばイーサリアム・クラシックを取り扱う取引所の数は、イーサリアムの半分以下程度です。

今回のビットコイン・キャッシュも、どれだけのマイナーがマイニングを行うか、取り扱う取引所がどれだけの規模になっていくのかが注目されます。現状ではviaBTCというマイナー1社がマイニング作業を行い、22の取引所が取引を予定していると声明を出しており、業界内ではまだ一部という状態です。ビットコイン・キャッシュの価格形成において、マイナーと取引所の動向はおさえておきたいところでしょう。

なお、ビットコイン投資は利益が出るときもあれば、損失が発生することもあります。投資は自己責任でお願いします。

(フィスコ仮想通貨取引所: ビットコインアナリスト 田代昌之)

《MT》

 提供:フィスコ

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