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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

メディネット <日足> 「株探」多機能チャートより

■メディネット <2370>  185円 (+50円、+37.0%) ストップ高

 メディネット <2370> [東証M]がストップ高。10日の取引終了後、抗がん抗原抗体の高感度検査法に関して、日本での特許が成立したと発表しており、知的財産戦略の強化につながるとの見方から買いが入った。同検査法は、岡山大学大学院自然科学研究科(二見淳一郎准教授)などと開発したもので、既に中国やシンガポールおよび台湾で特許が成立している。なお、17年9月期業績への影響は軽微としている。

■リミックス <3825>  1,440円 (+300円、+26.3%) ストップ高

 リミックスポイント <3825> [東証M]が後場に入って急伸し、ストップ高。同社は11日、子会社のビットポイントジャパンが7月下旬から中国本土の仮想通貨交換業に本格参入することが決まったと発表。これが材料視された。ビットポイントジャパンは今年2月に、中国の大手総合金融会社である仁和智本と合弁会社を設立しており、7月10日に調印式が執り行われた。合弁会社は仁和智本の100%出資子会社である中国仮想通貨取引所「浙江文智」に、日本で稼働実績のある仮想通貨 取引システムを提供するほか、日本で培った仮想通貨事業運営などを支援。また、将来的にはアメリカ不動産投資事業などにも展開するとしている。

■ビーマップ <4316>  2,184円 (+400円、+22.4%) ストップ高

 ビーマップ <4316> [JQG]が8連騰でストップ高。同社は、JR東日本企画などと共同でマーケティング関連の新会社を設立するとの発表を手掛かりに投機資金が流入、急速人気化に向かった。需給相場の様相を強めており、10日から日々公表銘柄となっている。

■安永 <7271>  1,477円 (+241円、+19.5%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率2位。安永 <7271> が一時ストップ高まで買われた。同社はエンジン部品メーカーでリチウムイオン電池部材で強みを持っている。市場では「直接の材料は見当たらないが、昨年11月から12月にかけてリチウムイオン電池絡みの材料で急騰した経緯があり、45万株程度まで信用買い残の整理が進んだこともあって、再度仕掛けが入ったようだ。欧州での排ガス不正の話などが取り沙汰されるなか、電気自動車(EV)関連の普及加速につながるとの思惑もあるのではないか」(国内準大手証券)と指摘していた。安永は昨年11月にリチウムイオン電池の寿命を従来比12倍に伸ばしたとの発表を材料に、株価を500円台から3750円の高値まで駆け上がった経緯がある。11日は、リチウムイオン電池関連でダブル・スコープ <6619> や昭和電工 <4004> なども買われている。

■JMACS <5817>  1,140円 (+150円、+15.2%) ストップ高

 JMACS <5817> [東証2]がストップ高。同社は10日、空中にディスプレーが浮かび上がる「非接触サイネージシステム」製品ページを公開したと発表。これが株価を刺激したようだ。この製品は、特殊加工されたAIプレートを用い、空間に結像されたメニュー画面を空中で操作することが可能なタッチレスディスプレーシステム。主な用途先として、病院の受付や銀行のATM、アミューズメント施設の案内などを挙げている。

■プレナス <9945>  2,621円 (+283円、+12.1%)

 東証1部の上昇率4位。プレナス <9945> が続急騰。10日、弁当店「ほっともっと」、定食屋「やよい軒」を展開する同社が決算を発表。18年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益が前年同期比66.0%増の20.9億円に拡大して着地したことが買い材料視された。円高による仕入れコスト低減や広告宣伝費の減少などで採算が改善したことが利益を押し上げた。売上高は前期に買収した宮島醤油フレーバーの業績上積みや新規出店効果で増収を確保した。上期計画の34億円に対する進捗率は61.6%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■クリエイトS <3148>  2,760円 (+246円、+9.8%)

 東証1部の上昇率6位。クリエイトSDホールディングス <3148> が5日ぶり反騰。10日に決算を発表。17年5月期の連結経常利益は前の期比3.2%増の147億円で着地。続く18年5月期も前期比6.3%増の157億円に伸び、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期は化粧品や食料品の品揃えを拡充するほか、生活必需品の低価格施策を進め、9.6%の増収を見込む。業績好調に伴い、今期の年間配当は前期比3円増の34円に増配する方針としたことも支援材料となった。

■ツバキナカ <6464>  2,314円 (+177円、+8.3%)

 東証1部の上昇率7位。ツバキ・ナカシマ <6464> が急反発し、上場来高値を更新した。同社が10日、米NN社の精密ベアリング部品事業を約425億円で買収すると発表したことが買い材料視された。NN社は米ナスダック市場に上場する企業で、精密ボールや精密ローラーの製造・販売を手掛けている。買収する精密ベアリング部品事業の16年12月期の売上高は2億4900万ドル、営業利益は2300万ドルだった。同社は中期的に売上収益500億円、営業利益100億円、長期的には売上収益1000億円以上を事業目標として掲げており、その達成に向け今回の買収に踏み切った。

■OKK <6205>  140円 (+10円、+7.7%)

 OKK <6205> が3連騰。同社は工作機械メーカーの老舗で中小型のマシニングセンターに強みを持っている。国内外で設備投資需要が高まりをみせるなかで、収益環境は追い風。同社はスマートフォン市場の拡大が続く中国向け半導体や、自動車・建機関連の需要回復などにより、18年3月期は営業損益ベースで12億円の黒字化(前期実績は2億5100万円の赤字)を見込む。有配企業にしてPBRがわずか0.5倍と会社解散価値の半値水準にあることで、投機資金の流入を誘う格好となった。

■博展 <2173>  596円 (+31円、+5.5%)

 博展 <2173> [JQG]が続急伸。同社は10日、セブン&アイ・ホールディングス <3382> 傘下の金融サービス事業会社であるセブン・フィナンシャルサービスがセブン保険ショップで行う営業支援活動に関する実証実験に、グループのタケロボがコミュニケーションロボット「ロボコット」を提供すると発表。これが材料視されたようだ。今回使用される「ロボコット」は、12インチタッチパネルや発話機能などを有した卓上型のロボット。ロボットの役割としては、集客や案内、商品説明、娯楽の提供などが想定されている。

■コスモス薬品 <3349>  23,050円 (+1,050円、+4.8%)

 コスモス薬品 <3349> が3連騰。SMBC日興証券が10日付で同社株の目標株価を2万2500円から2万4000円に引き上げており、これが株価を後押しした(投資評価は「2」継続)。10日取引終了後に発表したコスモス薬品の18年5月期の連結業績予想は、売上高が5500億円(前期比9.4%増)、営業利益は223億円(同0.3%増)、最終利益は170億円(同6.7%減)を見込んでいる。これを受け同証券では、前期実績と合わせ数値面でのサプライズはないが、今上期からの粗利益率回復見通しを示した点には安心感があるとしている。株価的には調整した水準にあることで強含む可能性を指摘した。

■エプソン <6724>  2,660円 (+95円、+3.7%)

 セイコーエプソン <6724> が続伸。10日、日本経済新聞社が同社を8月1日付で日経平均株価の構成銘柄に新規採用すると発表したことが買い材料。東芝 <6502> が東証2部に指定替えとなるため入れ替えを実施する。日経平均連動ファンドの組み入れ需要を見越した先回り的な買いに加え、裁定取引に伴う需要発生に期待する買いが向かった。

■ミネベア <6479>  1,850円 (+61円、+3.4%)

 ミネベアミツミ <6479> が続伸。同社主力の小型ベアリングは自動車向けに需要が増勢、生産性改善に伴う生産能力の強化も収益に貢献している。「LEDバックライトも北米向けでシェアを向上させている」(国内中堅証券)状況。また、ゲーム機向けも会社側の当初見込みからの増額が期待されている。18年3月期営業利益は前期比14%増の560億円を見込むが「上振れる可能性が高い」(同)とみられている。

■ソニー <6758>  4,439円 (+121円、+2.8%)

 ソニー <6758> が続伸。株価は前月29日につけた4408円を抜き新高値に買われた。7日に北米で公開された最新映画「スパイダーマン:ホームカミング」の週末の興行収入が1億1700万ドル(約133億円)を稼ぎ、ランキングで初登場首位となった。この興行収入は事前予想を上回ったほか、外部評価も良好。市場では、「有力シリーズ復活の意味は大きい」と評価している。今後のスパイダーマンに登場するサブキャラクターを用いた映画製作やゲーム事業との協業などの展開も期待されている。

■TSIHD <3608>  816円 (+21円、+2.6%)

 TSIホールディングス <3608> が続伸。10日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の1.92%にあたる200万株(金額で18億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は7月11日から10月6日まで。

■タカラトミー <7867>  1,383円 (+35円、+2.6%)

 タカラトミー <7867> が続伸。11日、感情表現豊かな小型AIロボット「COZMO(コズモ)」を9月23日に発売すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。「COZMO」は、人工知能(AI)を搭載し、その場の環境を見て自分で状況を判断し、感情を豊かに表現する小型ロボット。まるでパーソナリティー(人格)を持っているかのように喜怒哀楽などの感情をしぐさや声、表情、動きを組み合わせた1000を超えるパターンで表現し、人と自然なコミュニケーションを取ることができるのが特徴という。

■ディップ <2379>  2,336円 (+53円、+2.3%)

 ディップ <2379> が反発。10日、求人大手のパーソルキャリアが「DODA転職求人倍率レポート」を発表。6月の転職求人数は前月比1.9%増え、31ヵ月連続で調査を開始した2008年1月以来の最高値を更新した。これを受けて、業績拡大を期待する買いが向かったようだ。同社のほか、人材サービス大手のパソナグループ <2168> 、求人情報サイトを運営するアトラエ <6194> [東証M]、エン・ジャパン <4849> [JQ]、インターワークス <6032> なども買われた。なお、ディップは18年2月期第1四半期(3-5月)決算発表を11日に控え、好業績を先回りする買いも入ったもよう。

■オーデリック <6889>  4,975円 (+110円、+2.3%)

 オーデリック <6889> [JQ]が3連騰で年初来高値を更新した。10日、小池百合子東京都知事は都庁で行われた「LED電球交換開始イベント」にPR動画で共演したピコ太郎とともに出席。これは都内の家電店などに自宅で使用した白熱電球を2個以上持参した都民に、LED電球1個を無償提供するというもの。これが照明機器メーカー大手でLED照明を収益拡大の原動力としている同社株の有力な買い手掛かり材料となった。

■ソフトバンク <9984>  9,106円 (+178円、+2.0%)

 ソフトバンクグループ <9984> が3日ぶりに反発し9000円台を回復した。11日の売買代金は、東証1部上場企業のなかで任天堂 <7974> 、トヨタ自動車 <7203> に次ぐ3位。株価は米ナスダック市場の軟調に歩調を合わせるように6月下旬から調整していたものの、ここにきて売り物が切れ押し目買いが優勢となった。通信分野では国内メガキャリアの間でスマートフォンのプラン値下げ競争で採算悪化を懸念する声もあったが、同社は傘下に格安スマホ首位のワイモバイルを擁しており、その点で優位性が指摘されている。

■トヨタ <7203>  6,263円 (+76円、+1.2%)

 トヨタ自動車 <7203> が3日続伸。外国為替市場で1ドル=114円40銭近辺まで円安が進行しており、これを受けて輸出採算向上に対する期待が膨らんだ。売買代金も膨らみ、東証1部上場企業のなかでソフトバンクグループ <9984> を抜いて任天堂 <7974> に次ぐ2位に浮上した。同社は通期想定レートを1ドル=105円に設定しており、実勢とはかなりの開きがある。業績増額修正の要因となることが考慮され、PER12倍台の時価は割安感が改めて意識されている。テクニカル的にも、26週移動平均線を上に抜けつつあり、リターンリバーサル狙いの買いに弾みがついてきた。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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