【市況】29日の香港市場概況:ハンセン1.1%高と3日ぶり反発、HSBCが6.3%上昇
上海総合 <日足> 「株探」多機能チャートより
29日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比281.92ポイント(1.10%)高の25965.42ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が23.83ポイント(0.23%)高の10432.02ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は808億8200万香港ドルに拡大している(28日の売買代金は770億4600万香港ドル)。
中国と香港の政策期待が強まる。香港返還20周年式典を7月1日に控え、中国の習近平国家主席はきょうから3日間の予定で香港に滞在する予定だ。昨夜の海外株高や、この日の本土株高も買い安心感につながっている。
ハンセン指数の構成銘柄では、香港域内の金融株が高い。HSBC(5/HK)が6.3%、中銀香港(BOCホンコン:2388/HK)が3.2%、恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が2.8%、東亜銀行(23/HK)が1.2%ずつ値を上げた。
紙・パルプセクターも急伸。玖龍紙業(2689/HK)が5.8%高、理文造紙(2314/HK)と山東晨鳴紙業集団(1812/HK)がそろって3.0%高で引けた。元高が進行するなか、輸入原料コストが低減すると期待された。29日の上海外国為替市場では、対米ドルの人民元レートが約8カ月ぶりの元高水準で推移している。
中国自動車セクターもしっかり。吉利汽車HD(175/HK)が4.7%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.4%高、北京汽車(BAICモーター:1958/HK)が2.2%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.8%高と上昇した。
非鉄や鉄鋼、建材など素材セクターも物色される。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.9%高、江西銅業(358/HK)が3.0%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.1%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.0%高と買い進まれた。
なお、H株指数の上昇率が小幅なものにとどまったのは、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が現金配当(1株当たり2.97人民元)の権利落ちで13.6%のマイナスとなったため。株価の調整後は4.4%高となる。
本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.47%高の3188.06ポイントで取引を終えた。時価総額上位の金融株が相場をけん引。石炭株や非鉄株、セメント株なども買われた。
【亜州IR】
《CS》
提供:フィスコ