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【通貨】欧米為替見通し: ドル・円は伸び悩みか、引き続き原油価格動向を注視

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの値動きを予想したい。堅調な米経済
指標や連邦準備制度理事会(FRB)当局者のタカ派寄りの見解が示されれば、今後の利上げに関する過度な悲観論は後退する見通し。ただ、原油価格の軟調地合いが続けば、ドルの重石となりそうだ。

FRBは13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で今後の金融正常化方針について強気な見通しを示したが、市場には懐疑的な見方も多い。前日発表された米国の先週分新規失業保険申請件数はほぼ予想通りの低水準となったほか、4月FHFA住宅価格指数は予想を上振れ、3月も上方修正されたものの、市場の反応は限定的だった。ただ、ある短期筋は「経済指標の上振れが続けば、悲観論は後退する」と指摘。今晩の6月製造業PMI速報値、同サービス業PMI速報値(22時45分)、5月新築住宅販売件数(23時)などが堅調となれば、ドル買いに振れる可能性はあろう。

また、パウエルFRB理事講演(24日3時15分)も注目される(テーマは、決済と流動性関連だが)。同理事は今月1日の講演で、「経済がほぼ予想通りに進展した場合は、緩やかな利上げを続けるのが適切」との考えを述べた。今晩の講演でも同様のスタンスが示されれば、FRBの金融正常化の方針を後押しすることになり、年内の追加利上げ観測によるドル買いが強まるだろう。

ただし、原油価格がドルの重石になる可能性は残る。NY原油先物は根強い供給過剰感から、今週は45ドル台から42ドル台まで下落(時間外取引含む)。22日の海外市場では反動による買い戻しが強まったものの、産油国の一部には増産に動く可能性が指摘され、原油価格はなお不安定な値動きが見込まれる。目先も下げが続けば、株安やインフレ圧力後退の思惑から、米長期金利の低下につながりドルを押し下げる要因となる。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・6月製造業PMI速報値(予想:56.8、5月:57.0)
・17:00 ユーロ圏・6月サービス業PMI速報値(予想:56.1、5月:56.3)
・17:00 ユーロ圏・5月総合PMI速報値(予想:56.6、5月:56.8)
・21:30 カナダ・5月消費者物価指数(前年比予想:+1.5%、4月:+1.6%)
・22:45 米・6月製造業PMI速報値(予想:53.0、5月:52.7)
・22:45 米・6月サービス業PMI速報値(予想:53.5、5月:53.6)
・22:45 米・6月総合PMI速報値(5月:53.6)
・23:00 米・5月新築住宅販売件数(予想:59.0万戸、4月:56.9万戸)
・00:15 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米国経済と金融政策)
・01:40 メスター米クリーブランド連銀総裁講演
・03:15 パウエル米FRB理事講演(決済と流動性関連)

《CS》

 提供:フィスコ

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