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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

住友ベ <日足> 「株探」多機能チャートより

■JVCケンウ <6632>  299円 (+11円、+3.8%)

 JVCケンウッド <6632> が大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が23日付で投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を270円から330円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。市販の利益率向上やOEMの黒字化によるオートモーティブ(AM)分野の収益拡大を要因に18年3月期の営業利益予想を50億円から64億円へ、19年3月期を同55億円から74億円へ引き上げたことが目標株価引き上げの理由としている。

■住友ベ <4203>  772円 (+27円、+3.6%)

 住友ベークライト <4203> が続伸し、年初来高値を更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が23日付で同社の投資判断「オーバーウエイト(強気)」を継続し、目標株価を770円→820円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、半導体パッケージ基板材「LαZ」の低迷が続いており、半導体封止材も成長軌道の途上にある中で、17年3月期業績が好調だったことを評価。現在の業績は良い面が全て顕在化した結果ではなく、まだ大きな成長余地を残していると指摘している。18年3月期以降は半導体封止材が成長事業になるほか、LαZの売上拡大と赤字縮小を予想している。

■任天堂 <7974>  31,880円 (+1,000円、+3.2%)

 任天堂 <7974> が3連騰で連日の年初来高値更新。個人投資家の短期資金を中心に物色人気旺盛。「ニンテンドースイッチ」の販売が想定を上回る好調で業績を牽引している。スイッチの18年3月期の出荷台数は1000万台、ソフトは3500万本を計画するが、市場では保守的との見方が強く、上方修正される可能性が高い。スイッチの出足が予想以上に好調だったのは、同時発売の「ゼルダの伝説」がドル箱ソフトとして貢献したとみられている。今後も人気タイトルの発売が続き、ハードとの相乗効果が収益を押し上げるとの思惑が株価の先高期待につながっているもようだ。

■富士通 <6702>  811.5円 (+24.7円、+3.1%)

 富士通 <6702> が反発。新興市場などに上場する銘柄を中心に人工知能(AI)関連株が全面高に買われる地合いとなっているが、同社はスーパーコンピューター「京」の開発で有名であり、その高度な技術力を背景にAI分野での展開も加速している。来年度までにAI関連人材を3.5倍の3500人に増やす方針を発表しており、ソフトバンクグループ <9984> 同様に同テーマの中核銘柄として存在感を高めている。SMBC日興証券では23日付で同社の目標株価を760円から900円に大幅に引き上げており、これも株高トレンドを後押ししている。同証券では富士通の17年3月期業績は改革費用を除いた実質ベースでは2ケタ増益とし、18年3月期以降も基本的には収益の改善傾向を想定している。

■薬王堂 <3385>  3,545円 (+95円、+2.8%)

 薬王堂 <3385> が3連騰で年初来高値を更新。24日午前中にNTTドコモ <9437> のポイントサービスであるdポイントの加盟店契約を締結したと発表しており、集客力向上を期待した買いが入ったようだ。東北5県の薬王堂223店舗での買い物時(調剤除く)にdポイントカードなどを提示することで、100円(税抜)ごとに1ポイントのdポイントを貯めることができるようになるという。サービスは17年秋開始の予定で、岩手県内の企業としては初のdポイント加盟店となる。

■MDV <3902>  2,291円 (+53円、+2.4%)

 メディカル・データ・ビジョン <3902> が続伸し、実質的に上場来高値を更新した。23日の取引終了後、ヒップ <2136> の100%子会社でSMO(治験施設支援機関)事業を展開するコスメックスの全株式を取得し、子会社化することで基本合意したと発表しており、業績への貢献が期待されている。今回のコスメックスの買収は、コスメックスの企業価値向上のためには、医療機関・製薬会社に強いネットワークを持つMDVの傘下で事業を進めることが、医療分野でのシナジーを実現することができるとヒップが判断。一方、MDVでは今後、保有する大規模診療データベースを利活用した治験事業の展開も視野に入れて共同して事業を推進し、グループの飛躍的な事業成長につなげるとしている。なお、取得価額は現在協議中としている。

■イオンモール <8905>  2,071円 (+34円、+1.7%)

 イオンモール <8905> が続伸し年初来高値を更新。SMBC日興証券が23日付で投資評価「2」を継続しつつ、目標株価を1750円から2070円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。国内既存店の売り上げ伸び悩みをコスト削減で相殺すると見込んだことや、17年2月期に子会社化したOPA事業の新店効果や不採算店舗の閉鎖効果をより見込んだこと、さらに中国事業の想定よりも早い損益改善を反映したことなどを考慮し、18年2月期の営業利益予想を455億円から480億円へ、19年2月期を同465億円から510億円へ上方修正したことが要因としている。

■三菱UFJ <8306>  701円 (+9.7円、+1.4%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクがいずれも買われた。米国株市場ではNYダウなど主要指数が4日続伸と戻り足を鮮明としており、全般はリスクオフの巻き戻しから債券が売られる展開にあった。米10年債利回りは5月17日の2.22%台を底に4日連続で上昇、22日は2.28%台まで水準を切り上げており、これを受けて23日の米国株市場ではゴールドマン・サックスやシティーグループなどの金融関連株が買われた。米国でも事業展開する三菱UFJをはじめとするメガバンクにも追い風が意識された。

■アリアケ <2815>  7,900円 (+80円、+1.0%)

 アリアケジャパン <2815> が続伸、上場来高値を更新した。業種別の「食料品」指数が27年ぶりの高値圏に上昇するなか、天然調味料最大手の同社株も物色人気となった。SMBC日興は23日、同社株の投資評価「2」を継続し、目標株価を5660円から6610円に引き上げた。同証券では、18年3月期の連結営業利益を従来予想117億4000万円から119億円(会社予想110億5000万円)に見直すなど、業績見通しを増額修正した。

※24日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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