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【特集】“2万円目前”東京市場、勝利呼ぶ「Wメリット」22銘柄リスト <株探トップ特集>

アルインコ <日足> 「株探」多機能チャートより

―地合い急改善で好業績予想にポジティブ反応、注目「割安&最高益」株―

 9日の東京株式市場は、外国為替市場で円安・ドル高が進行したものの、前日の日経平均株価が450円高と急騰したことへの警戒感もあり、利益確定売りが優勢となり一服商状となった。日経平均株価終値は、前日比52円70銭安の1万9843円00銭となった。ただ、全般地合いが急激に改善したことにより、決算発表で好調な業績見通しを開示している銘柄への株価の反応が、よりポジティブさを増している。そこで、今期経常利益が過去最高益更新予想の割安銘柄に注目した。

●アルインコは住宅機器関連でネット通販の販路拡大

 足場など建設仮設材大手のアルインコ <5933> は2日、18年3月期の連結業績予想を発表した。売上高500億円(前期比12.1%増)、経常利益39億円(同58.6%増)と大幅増益を見込む。今3月期は、建設機材関連ならびにレンタル関連のコア事業で、安全性と軽量化を同時に実現し、作業効率にも優れた新型足場「アルバトロス」の普及と関連機材の開発を引き続き強化していく。一方、住宅機器関連事業では、インターネット通販市場の拡大に応じた販路拡大と新製品供給を、電子機器関連事業ではデジタル簡易無線をはじめとした新製品群の拡販をそれぞれ進めていく。

●コムチュアは金融機関向けソリューションサービスの受注拡大

 独立系システムインテグレーターのコムチュア <3844> は1日、18年3月期の連結業績予想を発表した。売上高153億円(前期比10.1%増)、経常利益17億円(同10.2%増)と2ケタの増収増益となり、連続で過去最高益を更新する見通し。今期はクラウド、ビッグデータ関連の旺盛なシステム投資需要を背景に、金融機関向けソリューションサービスなどの受注が拡大する見込み。また、高付加価値化による1人当たり売上高の増加、生産性の向上および事業拡大による利益増により、労務費の増加や事業拡大・強化のための投資を実施する。

●エステーは消臭芳香剤防虫剤で高付加価値化を推進

 エステー <4951> は1日、18年3月期の連結業績予想を発表した。売上高は497億円(前期比8.1%増)、経常利益は33億円(同13.7%増)と、13期ぶりに過去最高益を更新する見通し。今3月期はエアケア(消臭芳香剤)で、生活者に支持される「消臭力」や、香りを重視した「シャルダン」の商品力の強化などによりマーケットのさらなる成長を図る。また、衣類ケア(防虫剤)については、No.1ブランド「ムシューダ」シリーズに「圧縮パック衣類用」を追加投入し、防虫と同時に収納の悩みも解決することで新規ユーザーの獲得を図る。サーモケア(カイロ)については、店頭での効果的な販促プロモーションを展開し、潜在顧客の多い足回り品を中心に拡売を図る。

●日本ライフLは、心房細動治療関連製品の販売数量が増加

 医療機器輸入商社の日本ライフライン <7575> は4月28日、18年3月期の連結業績予想を発表した。売上高418億2800万円(前期比12.5%増)、経常利益96億400万円(同19.9%増)で、2期連続の最高益更新を見込む。今3月期は、保険償還価格(厚生労働省が決める医療機器の公定価格)の改定が行われない一方で、引き続き心房細動のアブレーション(心筋焼灼術)治療の症例数の増加が予想されることから、オンリーワン製品である心腔内除細動カテーテルをはじめとして心房細動治療関連製品の販売数量増による増収を見込んでいる。

●積水化成品は早期収益貢献に向け事業展開施策を再構築

 積水化成品工業 <4228> は4月28日、18年3月期の連結業績を発表した。売上高1120億円(前期比9.4%増)、経常利益57億円(同12.9%増)を見込む。今3月期はグローバル事業について、早期に収益貢献に結びつくよう事業展開施策を再構築する。「STレイヤー」(炭素繊維強化プラスチックス複合発泡成形体)や「エラスティル」(熱可塑性エラストマービーズ発泡体)など新製品開発については、上市や拡販のスピードアップをはかる。また、原材料価格の変動に対応した適切な製品価格の改定を行うとともに、高利益体質の構築に向け、生産性向上や物流費削減などグループ全体のコストダウンに引き続き取り組む。

●インフォコムは電子コミックとヘルスケア重点に新中期計画を推進

 システム開発とネット配信を2本柱とするインフォコム <4348> [JQ]は、4月27日に、18年3月期の連結業績予想を発表した。売上高は460億万円(前期比10.1%増)、経常利益53億円(同9.2%増)と連続して過去最高益を更新する見通し。新たに策定した中期経営計画(17年4月-20年3月)の基本方針「成長の追求」、「成長を支える経営基盤の継続的強化」の下、電子コミックとヘルスケアを重点事業と定め、主要施策を推進し最終年度の目標達成を目指す。中期経営計画の最終年度には、売上高600億~800億円、EBITDA(減価償却前営業利益)70億~100億円を目標としている。

●コニシはインフラ整備市場の拡大でボンド需要が堅調推移

 接着剤最大手のコニシ <4956> は4月28日、18年3月期の連結業績予想を発表した。売上高1300億円(前期比7.1%増)、経常利益74億円(同7.2%増)と増収増益で連続最高益更新を見込む。今3月期は、住宅着工件数の減少が予想されるものの、リフォーム物件の需要の高まりが予想されているほか、産業資材分野も堅調に推移すると見込まれる。また、土木建設事業では、20年の東京五輪開催に向けて、新幹線をはじめとする鉄道での維持修繕、補強計画の予算化や、老朽化する全国の道路橋などのインフラ整備の市場拡大などが期待でき、主力のボンド需要の拡大が見込まれる。

◆主な18年3月期経常最高益更新予想の割安銘柄◆

銘柄 <コード>        増益率   株価   PER
九電工 <1959>        15.0    3690   10.6
JALUX <2729>       9.0    2647   12.4
マクニカ富士 <3132>     14.2    1777   14.3
ユニゾHD <3258>      12.0    3080   10.2
コムチュア <3844>      10.2    4075   16.8

積化成 <4228>        12.9    843   10.2
クイック <4318>        8.5    1314   15.9
CTS <4345>        13.3    764   17.0
インフォコム <4348> [JQ]  9.2    2025   13.8
理研ビタミン <4526>     12.5    4245   13.2

ID <4709>         28.0    1248   13.9
ITFOR <4743>      31.5    582   14.3
総合メデカル <4775>      8.9    4605   17.1
エステー <4951>       13.7    1939   18.9
コニシ <4956>         7.2    1430   11.5

アルインコ <5933>      58.6    1034    9.6
スタンレー <6923>      10.2    3410   17.6
日本ライフL <7575>     19.9    2893   16.1
ニホンフラ <7820>      19.6    1504    8.2
東エレク <8035>       37.1  1万4730   14.8

イチネンHD <9619>      8.8    1200    8.0
日本管財 <9728>        7.3    1940   15.5

※株価は9日終値(単位:%、円、倍)

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