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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~日経平均は反落、値動きの軽い中小型株での短期的な値幅取りが中心に

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は反落、値動きの軽い中小型株での短期的な値幅取りが中心に
・ドル・円は111円23銭、じり高、クロス円の上昇で
・日銀金融政策は据え置き、17年度コアCPI見通しは+1.4%


■日経平均は反落、値動きの軽い中小型株での短期的な値幅取りが中心に

日経平均は反落。45.67円安の19243.76円(出来高概算9億1000万株)で前場の取引を終えている。26日の米国市場は小反落だった。注目された税制改革案は、概ね予想通りの内容だったこともあり、直近の大幅な上昇に対する利益確定に向かわせた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比105円安の19175円だったこともあり、利食い優勢の展開となっている

ただ、寄付き直後に19199.59円と19200円を下回る場面もみられたが、その後は下げ幅を縮めており、全体としては底堅さが意識されている。セクターではパルプ紙、繊維、化学、水産農林、金属、小売が小じっかり。半面、証券、電力ガス、情報通信、石油石炭が小安い。東証1部の騰落銘柄は値上り数が過半数を占めている。

午後は日銀のETF買い入れへの思惑等もあり、引き続き底堅さが意識される相場展開になりそうだ。もっとも、米国で期限を迎える暫定予算にむけての、動向を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすいほか、明日28日は決算発表の第1弾ピークを迎えることになるため、積極的な売買は手控えられよう。個人主体の資金は値動きの軽い中小型株での短期的な値幅取りが中心になりそうである。

日経平均は小動きではあるが、75日線や一目均衡表の雲下限を上回っての推移が続いているほか、陽線形成であり、押し目買い意欲は強そうである。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は111円23銭、じり高、クロス円の上昇で

27日午前の東京外為市場では、ドル・円はじり高。日本株の下げ幅縮小を受けクロス円は円買いが弱まり、ドル・円が上昇した。

前日発表された米国のトランプ政権による税制改正については財源が明示されず、実行可能性に疑念が残された。ただ、日経平均株価が下げ幅を縮小したことでリスク回避的な円買いは弱まり、ドル・円を押し上げているもよう。

ドル・円は午前中、111円41銭まで上昇したが、その後は上値が重い展開。日銀金融政策決定会合での政策発表では緩和政策維持の公算。引き続き円売り地合いとなり、クロス円主導でドル・円は上昇基調が続くだろう。

ここまでのドル・円の取引レンジは111円03銭から111円41銭、ユーロ・円は121円06銭から121円49銭、ユーロ・ドルは1.0902ドルから1.0916ドルで推移した。

12時20分時点のドル・円は111円23銭、ユーロ・円は121円39銭、ポンド・円は143円14銭、豪ドル・円は83円30銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はファナック<6954>となり、2銘柄で日経平均を約41円押し下げた。

・日銀金融政策は据え置き、17年度コアCPI見通しは+1.4%

・米当局「北朝鮮は安全保障に差し迫った脅威」

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00  民生用電子機器国内出荷(3月)

<海外>
・15:00  スイス・貿易収支(3月)    31.1億スイスフラン

《SK》

 提供:フィスコ

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