【市況】後場に注目すべき3つのポイント~日経平均は続伸、シグナル好転も模様眺めムードが強まるか
日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより
26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は続伸、シグナル好転も模様眺めムードが強まるか
・ドル・円は111円22銭、伸び悩み、米税制改正を見極める展開
・豪1-3月期消費者物価指数:前年比+2.1%
■日経平均は続伸、シグナル好転も模様眺めムードが強まるか
日経平均は続伸。152.59円高の19231.92円(出来高概算10億3000万株)で前場の取引を終えた。25日の米国市場はNYダウが200ドル超の上昇となり、ナスダックは初の6000pt乗せとなった。26日発表される税制改革案への期待のほか、28日に期限を迎える暫定予算にむけてメキシコ国境の壁建設費の予算計上を先送りにしたことが好感された。この流れを受けて、シカゴ日経225先物清算値は大阪比110円高の19200円、円相場は1ドル111円台と円安に振れており、この流れを引き継ぐ格好で始まった。
ただし、税制改革案の中身を見極めたいとする模様眺めムードのほか、週末には決算発表の第一弾のピークとなることもあり、買い一巡後は19200円を挟んでのこう着が続いている。セクターでは石油石炭、ゴム製品、銀行、海運、輸送用機器、非鉄金属、鉱業、機械の強さが目立つ。一方で、情報通信のみが小幅にマイナスだった。東証1部の騰落銘柄は、値上り数が1600を超えており、全体の8割を占めている。
日経平均は75日、13週線等の抵抗を明確に上放れ、一目均衡表の雲下限を突破してきており、シグナルが好転している。遅行スパンの上方シグナル発生も近づいており、一段の上昇への期待が高まろう。一方で、税制改革案が失望される可能性もあるほか、警戒感は高まってはいないものの、米政府の暫定予算期限を見極めたいところでもある。
需給面では、日経平均は年初からもち合いが続いていたレンジに到達しているため、戻り待ちの売り圧力が次第に意識されてくるところでもある。海外勢が買い越し基調に転じてくる可能性から下値は堅そうだが、上値追いはやや慎重になりそうだ。今後は決算を手掛かりとした物色が中心になるため、やや日替わり的な物色に向かいやすいだろう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は111円22銭、伸び悩み、米税制改正を見極める展開
26日午前の東京外為市場では、ドル・円は伸び悩み。上昇一服後は今日発表の米税制改正案を見極める展開となった。
フランス大統領選後のリスク選好的な流れが続き、ドル・円は日経平均株価の堅調地合いを背景に110円97銭から一時111円39銭まで値を切り上げた。その後上昇は一服し、111円20銭付近でもみあった。
今日発表のトランプ政権による減税案に関しては、海外還流利益の税率を10%に引き下げるほか、バススルー事業への最高税率を現行の39.6%から15%とする。
ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いを維持しており、目先の日本株高を見込んだドル買い・円売りの流れが続きそうだ。ただ、市場では内容を見極める動きで様子見ムードが広がる見通しで、ドルは上値が重そうだ。
ここまでのドル・円の取引レンジは110円97銭から111円39銭、ユーロ・円は121円27銭から121円87銭、ユーロ・ドルは1.0924ドルから1.0945ドルで推移した。
12時20分時点のドル・円は111円22銭、ユーロ・円は121円66銭、ポンド・円は142円78銭、豪ドル・円は83円60銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・夢展望<3185>、ケアサービス<2425>など6社がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・豪・1-3月期消費者物価指数:前年比+2.1%(予想:+2.2%、10-12月期:+1.5%)
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・13:30 全産業活動指数(2月) 0.6% 0.1%
・14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合(27日まで)
・決算発表:ヤフー、日立建機、北陸電、LINE、キヤノン
<海外>
・特になし
《SK》
提供:フィスコ