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【注目】前週末21日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

アセチレン <日足> 「株探」多機能チャートより

■東邦アセチレン <4093>  1,075円 (+150円、+16.2%) ストップ高

 20日、東邦アセチレン <4093> [東証2]が17年3月期の連結経常利益を従来予想の18億円→22億円に22.2%上方修正。従来の3.2%減益予想から一転して18.3%増益を見込み、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。自動車部品メーカーの設備投資需要の増加を背景に、自動車関連機器の販売が伸び、売上が計画を上回ったことが利益を押し上げた。

■テモナ <3985>  7,930円 (+1,000円、+14.4%) ストップ高

 テモナ <3985> [東証M]がストップ高。同社は今月6日に東証マザーズに新規上場した直近IPO企業で、ここ急速に値を戻している。同社はEC(電子商取引)事業者の支援システムが主力。ネットショップの購入者をリピーターに育て上げることをコンセプトにしたショッピングカート付きリピート通販専用Webサービスの「たまごリピート」と、販売促進ツール「ヒキアゲール」を提供している。上場2日目の7日に公開価格2550円に対し3.2倍の8050円で初値をつけ、翌営業日の10日に8800円高値をつけた。ただ、その後は調整局面入りしたが、直近IPO銘柄へ見直し機運が高まり、21日は7000円台へ値を戻した。

■トーエネック <1946>  574円 (+50円、+9.5%)

 東証1部の上昇率5位。20日、トーエネック <1946> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の54億円→79.1億円に46.5%上方修正。減益率が34.2%減→3.6%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。親会社である中部電力以外の電気工事の遅れなどで売上は計画を下回ったものの、採算管理の徹底や工事施工の効率化による工事採算の改善が利益を押し上げた。業績上振れに伴い、前期の年間配当を従来計画の11円→17円(前の期は14円)に大幅増額修正したことも支援材料。前日終値ベースの予想PERが14.9倍→9.5倍に急低下し、割安感も強まった。

■イビデン <4062>  1,700円 (+104円、+6.5%)

 東証1部の上昇率10位。イビデン <4062> が急反発。20日の取引終了後、集計中の17年3月期連結業績について、売上高が従来予想の2650億円から2660億円(前の期比15.3%減)へ、営業利益が50億円から70億円(同69.0%減)へ、最終損益が635億円の赤字から630億円の赤字(前期75億3000万円の黒字)へ上振れたようだと発表しており、これを好感した買いが入った。電子およびセラミックセグメントともに想定を上回って推移したことに加えて、為替が想定より円安基調で推移したことが寄与した。なお最終損益については、固定資産の減損損失を特別損失に計上したことなどから修正幅が小さくなっている。

■KOA <6999>  1,640円 (+99円、+6.4%)

 KOA <6999> が3連騰し年初来高値を更新。20日の取引終了後に発表した17年3月期連結決算で、売上高456億円(前の期比0.3%増)、営業利益31億3600万円(同21.0%増)、純利益25億6300万円(同28.3%増)と2割強の営業増益となったことが好感された。自動車の電子化を背景に、日本やアジア、ヨーロッパの自動車向け売り上げが増加したことが業績を牽引。また、コストダウンの効果も利益を押し上げたという。なお、期末配当は従来予想の14円から1円増額して15円にするとしており、年間配当は29円となる。18年3月期業績については、第1四半期の業績予想のみ発表しており、売上高122億7000万円(前年同期比12.2%増)、営業利益12億8000万円(同76.9%増)、純利益9億3000万円(同10.5%増)を見込んでいる。

■技研製作所 <6289>  2,750円 (+158円、+6.1%)

 油圧式杭圧入引抜機などの建設機器を手掛ける技研製作所 <6289> [東証2]が連日の大幅高となった。同社は6日の取引終了後に、17年8月期第2四半期累計(16年9月-17年2月)の連結決算を発表した。連結経常利益は32億7800万円(前年同期比26.4%増)と大幅増益を達成した。この第2四半期累計経常利益は、通期計画の経常利益48億円(前期比17.9%増)に対して68.3%と高い進捗率となっている。17年8月期第2四半期累計では、防災関連の公共工事向けを中心に主力の杭圧入機の販売が好調だったうえ、圧入工事も防潮堤関連などの受注が伸び、売上高も138億500万円(前期比20.0%増)を達成している。国土強靭化計画で国策となっているさまざま防災関連の工事で、同社のインプラント機械に代表される建設機械の需要は今後も拡大が期待される。株価は、好決算発表直後に急騰をみせたものの、その後は2400円台固めの推移となっていたが20日、21日と急動意をみせ、連日の新値追いとなった。

■ディー・ディー・エス <3782>  902円 (+46円、+5.4%)

 ディー・ディー・エス <3782> [東証M]が急伸。同社は指紋認証機器など生体認証ソフトや装置の開発を手掛ける。同社は20日、次世代オンライン認証規格「FIDO」に準拠した生体認証システムの構築を支援する「マガタマ ソリューションパッケージ」の提供を5月から開始することを発表、これを手掛かり材料とする買いを呼び込んだ。株価は4月に入り調整局面にあったが、目先5日移動平均線を足場に急浮上に転じている。

■旭硝子 <5201>  916円 (+35円、+4.0%)

 SMBC日興証券が20日付で旭硝子 <5201> の投資判断を「2(中立)→1(強気)」に引き上げ、目標株価を770円→1100円に大幅増額したことが買い材料視された。リポートでは、LCD用基板ガラスは販売面積の拡大と価格の下落幅縮小で17年12月期に増益転換すると予想。建築用・自動車用ガラスについても欧米地域で良好な受注環境が続くと指摘。さらに、東南アジアの需要拡大や生産能力の増強による化学品の成長により、バランスの取れた収益構造に変化することを評価している。

■住友大阪セメント <5232>  467円 (+17円、+3.8%)

 SMBC日興証券が20日付で住友大阪セメント <5232> の投資判断を「2(中立)→1(強気)」に引き上げ、目標株価を430円→570円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、停滞していた国内セメント需要は16年後半から底打ちの兆しが見られ、18年3月期以降、回復すると予想。内需底打ちを背景とする販売価格の値上げも寄与し、18年3月期以降は増益に転換すると指摘している。

■コマツ <6301>  2,764円 (+98円、+3.7%)

 コマツ <6301> 、日立建機 <6305> など大手建機メーカーが堅調な値動きとなったほか、小型建機を手掛ける竹内製作所 <6432> も高い。ムニューシン米財務長官やコーン国家経済会議委員長が大型減税や大規模インフラ投資に積極的な姿勢を示したことで、前日の米国株市場はNYダウが大幅上昇、インフラ関連として建機大手のキャタピラーなどが物色人気を集めた。日本の建機メーカーも米インフラ投資の恩恵を受けるとの思惑から、買い優勢の展開となっている。足もと為替が円安傾向に振れていることも追い風となった。

■資生堂 <4911>  2,955円 (+75円、+2.6%)

 資生堂 <4911> が反発。20日、しわ改善効果のある薬用クリーム「エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームS」(医薬部外品)を6月21日に発売すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。新製品は、「純粋レチノール」と呼ばれる薬用有効成分を配合したのが特徴。同社では2月に厚生労働省から純粋レチノールのしわ改善の効能について日本で初めて承認を得ていた。なお、全国のドラッグストア百貨店など約1万5000店舗で販売するほか、同社の総合美容サイトでも販売するという。

■野村ホールディングス <8604>  669.5円 (+16.5円、+2.5%)

 野村ホールディングス <8604> が続伸。全体株価指数が戻り足を強めるなか、相場環境の改善が手数料収入や投信など運用成績の向上につながるものとして物色資金を呼び込んだ。同社株については、東海東京調査センターが20日付で「ニュートラル」から「アウトパフォーム」にレーティングを引き上げており、目標株価も550円から850円に大きく上方修正した。これが、株価を刺激する格好となった。目標株価はPBR1.0倍を適用した。増配や自己株式取得など株主還元にも注目したいとしている。

■アイシン精機 <7259>  5,090円 (+105円、+2.1%)

 アイシン精機 <7259> が続伸。21日、寝具事業を手掛けるエアウィーヴ(東京都中央区)と、両社の持つ寝具ブランド「アスリープ」「エアウィーヴ」の販売提携で合意したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。アスリープとエアウィーヴは、それぞれ寝具におけるノンコイル(寝具の内蔵素材にコイルを使っていない)分野に商品を投入し、マーケティング活動を行っているが、新素材寝具によりノンコイル市場を急成長させるため、お互いの販路での販売協力や商品の共同開発に着手することにしたという。両社は当面、店頭での販売協力や共同キャンペーンなどを行うが、7月をメドに両社独自のノンコイル素材「ファインレボ」「エアファイバー」を組み合わせた新たな寝具を提案するとしている。

■沢井製薬 <4555>  5,940円 (+120円、+2.1%)

 沢井製薬 <4555> が続伸。20日取引終了後、米国のジェネリック(後発薬)企業である「アップシャー・スミス・ラボラトリーズ」社を買収すると発表した。買収金額は10億5000万ドル(約1155億円)で6月末までの完了を予定している。アップシャー・スミス・ラボラトリーズ社は、1919年の創業で経口固形製剤を中心に約30品目の製品ポートフォリオおよび30品目を超えるパイプライン製品を有している。この買収に対して、野村証券では「買収価格はリーゾナブル」と前向きに評価しており、パイプラインもメドは立っている可能性が高い、とみている。リスク要因としては米国の後発薬品マーケットの競争激化を挙げている。

■インフォコム <4348>  1,734円 (+34円、+2.0%)

 インフォコム <4348> [JQ]が5日続伸。20日の取引終了後、グループ会社アムタスが運営する電子書籍配信サービス「めちゃコミック」サイトで、人工知能(AI)を活用した結果、業務効率化と売り上げ増加に効果が発現したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入ったようだ。「めちゃコミック」では、これまではスタッフがそれぞれの作品に手作業でタグ付けを行っていたが、AIを活用し作品に関するさまざまな情報に機械学習を適用することで、その内容からテーマやキーワードを検出できるエンジンを構築。この結果、作品に関する情報に「時代物」「バトル」といったような具体的な記述がない場合でも、その作品の内容に適した言葉を検出することができるようになったという。このツールを利用することで、スタッフのタグ付けの作業時間を大きく削減でき、これまでは実施できていなかった多くの作品へのタグ付けも可能となり業務の効率化につながったという。また、タグ付けした作品は検索が容易となったため、タグ付けをしていない時と比べて売り上げの増加も確認できたとしている。

■ミツウロコG <8131>  674円 (+12円、+1.8%)

 ミツウロコグループホールディングス <8131> が4日ぶりに反発。21日午前中、長期保有の株主に対する優待制度を新設すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。17年3月末時点の株主から、3年以上保有した株主に対して、保有株数が1000株以上でナチュラルミネラルウォーター500ミリリットル24本、2000株以上で同48本を贈呈するという。

■三菱UFJ <8306>  678.4円 (+11.8円、+1.8%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクが買い優勢の展開。前日に揃って底入れの動きをみせたが、21日も戻り足を継続、下降トレンドからの転換を示唆している。前日の米政府高官の発言を受けトランプ政権の経済政策への期待が再燃、朝鮮半島や中東地域などの地政学リスクに対する不安心理も足もとやや後退しており、米長期金利は再び上昇基調にある。これを受けて前日の米国株市場では、ゴールドマン・サックスやシティグループ、JPモルガンなどの大手金融株が買われており、これがメガバンクの買い戻しを後押ししている。

■新日鐵住金 <5401>  2,480.5円 (+32円、+1.3%)

 新日鉄住金 <5401> 、ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> など鉄鋼株が強い動きをみせた。中国の鉄鋼メーカーによる過剰供給で鋼材価格が下落し、「鉄冷え」を余儀なくされてきた鉄鋼業界に風向きの変化が意識されている。日本鉄鋼連盟が20日に発表した2016年度の粗鋼生産量は1億516万トンと前年度比0.9%増と拡大、3年ぶりに前年度実績を上回った。こうした環境の変化を受けて、新日鉄住金やJFEなどが一部の品種を除きフル生産体制を続けていることを21日付の日本経済新聞などが報じており、これが株価の底入れを促す動きとなっている。

■エイベGHD <7860>  1,600円 (+20円、+1.3%)

 20日、エイベックス・グループ・ホールディングス <7860> が秋元康氏が新たにプロデュースする劇団の運営・マネジメントを担う子会社、エイベックス・AY・ファクトリーをY&N Brothersと共同出資で設立したと発表したことが買い材料視された。同子会社は劇団の舞台興行のほか、劇団員の中からテレビや映画、CM、歌などあらゆるフィールドの第一線で活躍するスターの輩出を目指し、事業を展開する。発表を受け、秋元康氏のマネジメント会社設立による業績への寄与に期待する買いが向かった。

※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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