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【経済】NYの視点:米3月雇用統計に期待、トランプエフェクトが存続


米労働省が発表する3月雇用統計は、米国の労働市場が最大雇用の水準にあることを再確認し、FOMCが利上げ軌道を維持することを後押しする結果が期待されている。ただ、労働市場が連邦公開市場委員会(FOMC)の目標である最大雇用にほぼ達したとの見方は強く、雇用の増加は市場に織り込まれつつある。このため、賃金や労働参加率の動向など、スラック(たるみ)状態により注目が集まる。

米国労働省が発表する雇用統計と最も相関関係が強いとされる先行指標、民間部門の雇用者数をあらわすADP全米雇用統計の最新3月ADP全米雇用報告は前月比+26.3万人と、伸びは10万台へ鈍化予想に反して、2月+24.5万人から拡大。2014年12月以降ほぼ2年ぶりの大幅な伸びを記録した。2月分は+29.8万人から下方修正された。20万人超えのポジティブサプライズは年初来、3か月連続。トランプエフェクトが依然奏功している証拠となった。

セクター別で、物製造業は+8.2万人で、建設は+4.8万人。製造業は+3万人。サービスセクターでは+18.1万人。規模別では従業員1-49人の小企業で+11.8万人、50-499人の中企業で+10万人、500人以上の大企業で+4.5万人となった。ムーディーズアナリティックのエコノミストは「2017年の雇用は強く始まった。全般的に強いものの、特に建設、製造業、鉱業が好調だ」と指摘した。

失業保険申請件数も70年代以来で最低水準を維持していることも良好な結果を示唆する。市場エコノミストは失業率が2月と同様4.7%と2007年来の低水準を維持するほか、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人と、2月+23.5万人から伸びの鈍化を予想している。


■3月雇用統計の先行指標

・米ADP全米雇用報告:前月比+26.3万人(予想:+18.5万人、2月:+24.5万人←+29.8
万人)

・米ISM製造業指数雇用:58.9(2月54.2)

・米ISM非製造業指数雇用:51.6(2月55.2)

・NY連銀製造業景況指数
雇用(現状):8.8(2月2.0)
週平均就業時間:15.0(2月4.1)

6か月先

雇用:14.2(2月28.6、6か月平均19.1)
週平均就業時間:11.5(2月19.4、6か月平均12.9)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):+17.5(2月+11.1、6ヶ月平均+6.1)
週平均就業時間:+18.5(2月+13.6、6か月平均+8.0)

6か月先

雇用:38.5(2月28.5、6か月平均28.1)
週平均就業時間:21.9(2月19.9、6か月平均17.7)

・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):20(2月10)
週平均就業時間:21(2月16)
賃金::21(2月15)

6か月先
雇用(現状):25(2月23)
週平均就業時間:15(2月11)
賃金::40(2月30)

・消費者信頼感指数

雇用(現状)
十分:31.7(2月26.9、前年同月25.4)
不十分:48.8(2月53.2、49.4)
困難:19.5(2月19.9、25.2)

雇用(6か月先予想)
増加:24.8(2月20.9、前年同月13.0)
減少:12.2(2月13.6、前年同月16.3)
不変:63.0(2月65.5、前年同月70.7)

所得(6か月先予想)
増加:21.5(2月19.2、前年同月16.9)
減少:7.0(2月8.1、前年同月12.3)
不変:71.5(2月72.7、前年同月70.8)

・失業保険申請件数

件数 前週比 4週平均 継続受給者数

03/25/17 258,000 -3,000 254,250 n/a
03/18/17 261,000 15,000 246,500 2,052,000
03/11/17 246,000 -6,000 243,000 1,987,000
03/04/17 252,000 25,000 243,500 2,025,000
02/25/17 227,000 -20,000 239,750 2,059,000
02/18/17 247,000 -1,000 245,500 2,057,000

■市場予想
失業率:4.7%(2月4.7%)
非農業部門雇用者数:前月比+18.0万人(2月+23.5万人)
民間部門雇用者数:前月比+17万人(2月+22.7万人)
平均時給:前月比予想+0.2%(2月+0.2%)

《SK》

 提供:フィスコ

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