【通貨】NY為替：ECBによる早期利上げ観測後退でユーロ弱含み

29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、110円76銭から111円15銭まで上昇し、111円04銭で引けた。この日発表された米2月中古住宅販売成約指数は市場予想を上回る大幅な伸びを記録したことや、ローゼングレン・ボストン連銀総裁が年4回の利上げを支持する見解を示したため、ドル買いは縮小しなかった。


ユーロ・ドルは、1.0740ドルに下落後、1.0773ドルまで反発し、1.0765ドルで引けた。英国が正式に離脱を欧州連合（EU）に通告したことを受けて、域内の経済見通しに不透明感が広がった。「欧州中央銀行（ECB）は異例な金融刺激策がまだ終了しないことを市場に再確認する意向」との関係筋の発言を受けてユーロ売りが優勢となった。ユーロ・円は、119円02銭へ下落後、119円58銭へ上昇。


ポンド・ドルは、1.2462ドルから1.2397ドルへ下落した。英国が離脱を欧州連合（EU）に正式に通告したことを受けて、長期にわたる交渉への不透明感が景気見通しに悪影響を与えるとの懸念が浮上し、ポンド売りが優勢となった。


ドル・スイスは、0.9943フランから0.9976フランへ上昇した。

《MK》

　提供：フィスコ