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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):伊藤園、東エレク、イーブック

伊藤園 <日足> 「株探」多機能チャートより
■伊藤園 <2593>  4,245円  +25 円 (+0.6%)  本日終値
 伊藤園<2593>が続伸し昨年来高値を更新。米トランプ政権の政策運営に不透明感が強まるなか、飲料などのディフェンシブ株を見直す動きも出ている。同社の第3四半期(16年5月~17年1月)の連結営業利益は前年同期比46%増の173億2900万円と好調だった。抹茶入りお茶などが好調なほか「タリーズ」ブランドの缶コーヒーも伸びた。17年4月期の同利益は205億円が予想されているが、第3四半期までの進捗率は84%に達しており、市場には240億円前後への増額修正期待が出ている。

■東京エレクトロン <8035>  12,055円  +65 円 (+0.5%)  本日終値
 東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、SCREENホールディングス<7735>など半導体製造装置関連の上値追いが続いている。米国株市場ではこれまでのインフラ関連や金融関連株の上値が重くなる一方で、半導体・ITセクターの銘柄に買いの勢いが増している。半導体スーパーサイクル突入が意識されるなか、半導体銘柄で構成されたフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は過去最高値圏でなお上値を慕う動きに変化がない。東京市場でも3次元NAND型メモリーなど最先端の半導体増産に対応したメーカーの設備投資増強の思惑が、製造装置関連の株価を再び押し上げる展開となっている。

■日本電産 <6594>  10,575円  +45 円 (+0.4%)  本日終値
 28日、日本電産 <6594> が米プレス機用高速送り機メーカーのヴァムコ・インターナショナルを買収したと発表。これが好材料視され買いが先行している。ヴァムコ社は、世界最高速・高精度サーボ送り装置「クォンタム」をはじめ圧倒的な業界ブランド力や高い技術力を持ち、北米とアジアを中心に強固な顧客基盤を有している。買収により、子会社のミンスター、アリサ、キョーリが展開するプレス機事業との相乗効果による事業基盤の強化を図る。

■東ソー <4042>  989円  +3 円 (+0.3%)  本日終値
 JPモルガン証券は28日、同日付の日経新聞や化学工業日報で、国内苛性ソーダの値上げが浸透し始めているようだと報じられたことを受けて、苛性ソーダの値上げ交渉進展は塩ビ・苛性プレイヤーの収益押し上げ要因になるとのリポートをリリースした。同証券では報道を受け、アジア圏では旺盛な需要と限定的な供給増からPVC(ポリ塩化ビニル)や苛性ソーダの値上げが進んでいるが、国内へも波及し始めている点は好印象と評価。東ソー<4042>は国内最大手だが、年間生産量は約110万トンで、国内出荷向けは50万トンを超えることから、仮に10円/キログラムの値上げとなれば、50億円強の収益寄与と試算され、これは全社収益を5%程度引き上げる効果があるとしている。また、トクヤマ<4043>の苛性ソーダの生産能力は50万トン/年、稼働率は90%超で国内向けが大半を占めることから、仮に10円/キログラムの値上げとなれば、16年度会社計画比で10%強の収益寄与と試算。カネカ<4118>の生産能力は36万トン/年で、10円/キログラムの値上げとなれば16年度会社計画比で10%弱の収益寄与と試算されるとしている。さらに、そのほかの関連メーカーとして大阪ソーダ<4046>や東亞合成<4045>、日本曹達<4041>などがあるとしている。

■黒田電気 <7517>  2,486円  -59 円 (-2.3%)  本日終値
 黒田電気<7517>が反落。この日午前に提出された大量保有報告書(変更報告書)で、旧村上ファンド関係者が運営する投資会社のレノ(東京都渋谷区)らの保有割合が直前の33.89%から35.09%に増加したことが判明しており、次の株主総会で株主提案などの要求を出す可能性が高まったことから、これを警戒した売りが出ているようだ。なお、レノは15年の株主総会でレノの福島啓修代表取締役らを社外取締役に選任するように求める株主提案をし、経営陣と対立した経緯がある。

■科研製薬 <4521>  6,530円  -110 円 (-1.7%)  本日終値
 科研製薬<4521>が反落。28日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、営業利益を289億円から306億円(前期比12.9%減)へ、純利益を208億円から218億円(同3.1%増)へ上方修正したが、直近で株価は上昇局面にあっただけに織り込み済みとの見方が強く、市場の反応は限定的のようだ。売上高は薬価改定の影響や爪白癬治療剤「クレナフィン」の海外導出先からの収入の減少などで1061億円から1013億円(同7.7%減)へ下方修正したものの、利益面は研究開発費の一部が来期へずれ込む見込みのため、予想を上回るとしている。

■ハニーズHD <2792>  1,121円  -5 円 (-0.4%)  本日終値
 ハニーズホールディングス<2792>が反落。28日の取引終了後、17年5月期第3四半期累計(16年6月~17年2月)の連結決算を発表し、売上高は390億5000万円(前年同期比8.2%減)、営業利益は5億4900万円(同44.1%減)、最終損益は4億4300万円の赤字(同10億100万円の赤字)と、減収減益だったことが嫌気された。国内は消費マインドが低迷し売上高はわずかに前年を下回ったことに加え、新しい什器の導入などで販管費が膨らんだ。また、中国では百貨店などの集客力が弱く、競争環境も激化していることから苦戦を強いられた。なお、通期業績予想は従来見通しを据え置き、売上高544億円(前期比6.6%減)、営業利益29億5000万円(同4.6%増)、最終利益10億5000万円を見込んでいる。

■イーブック <3658>  1,391円  +300 円 (+27.5%) ストップ高   本日終値
 イーブックイニシアティブジャパン<3658>がストップ高。28日の取引終了後、親会社のヤフー<4689>と、電子書籍ストア運営に関して業務委託契約を締結したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。同契約に基づき、イーブックは4月1日からヤフーが運営する「Yahoo!ブックストア」のストア運営業務を受託。「Yahoo!ブックストア」の販売促進に向けた施策の企画・立案を受け持つほか、ウエブページの編集・制作、ならびに出版社との取引に関する業務などを担当するとしている。

■ハピネス・アンド・ディ <3174>  1,052円  +150 円 (+16.6%) ストップ高   本日終値
 28日、ハピネス・アンド・ディ <3174> [JQ]が決算を発表。17年8月期上期(16年9月-17年2月)の経常利益(非連結)が前年同期比79.9%増の3.9億円に拡大して着地したことが買い材料視された。低価格品の拡充や好立地への移転効果などで、年末年始商戦が好調だったことが寄与。不採算店舗の閉店で利益率が向上したことも大幅増益に貢献した。通期計画の1.9億円を既に2倍も上回っており、通期業績の上振れを期待する買いが向かった。併せて、発行済み株式数の1.57%にあたる4万株(金額で4000万円)を上限に自社株買いを実施すると発表。株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

●ストップ高銘柄
 澤藤電機 <6901>  873円  +196 円 (+29.0%) ストップ高   本日終値
 ネポン <7985>  229円  +48 円 (+26.5%) ストップ高   本日終値
 No.1 <3562>  3,920円  +700 円 (+21.7%) ストップ高   本日終値
 など、5銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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