【特集】<話題の焦点>=高速道路の逆走事故ゼロへ、国交省が対策技術を選定
大成建 <日足> 「株探」多機能チャートより
国交省は「20年までに高速道路での逆走事故をゼロにする」という目標を掲げ、15年12月に有識者委員会を設置。この取り組みの一環として、NEXCO東日本および中日本、西日本が16年11月から17年2月にかけて民間企業などから逆走対策の技術を募集していた。
高速道路での逆走は2日に1回以上の割合で発生しており、件数は確認できたものだけで14年は212件、15年は259件、16年は249件におよび、その約6割はインターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)で起こっている。背景にはICやJCTが複雑化して分かりにくくなっていることがあり、誤って一般道から高速道路の出口に進入したり、目的のICを通り過ごしてUターンするケース、サービスエリアやパーキングエリアの入口から出てしまう事例が多い。逆走事故は、死傷事故となる割合が高速道路での事故全体に比べ約5倍、死亡事故では約40倍と高く、早急な対策強化が求められている。
今回、選定された技術は3つのテーマに分けられ、そのひとつは「道路側での物理的・視覚対策、道路側での逆走車両への注意喚起」に関する技術。選ばれたのは、大成建設<1801>子会社である大成ロテックのウェッジハンプ(段差)、積水樹脂<4212>の錯視効果を応用した路面標示、FCホールディングス<6542>グループの福山コンサルタントとアスカネット<2438>が共同提案した空中浮遊映像表示による逆走警告、シーキューブ<1936>のエアバルーンによる逆走警告、三菱電機<6503>のオーロラビジョンなど。
「道路側で逆走を発見し、その情報を収集」する技術では、古河電気工業<5801>の準ミリ波レーダーによる検知、セフテック<7464>のマイクロ波センサーによる検知、デンソー<6902>のレーザーセンサーによる検知、日本信号<6741>の高解像度カメラの画像処理技術による検知などが選ばれた。
また、「自動車側で逆走を発見し、その情報を収集。逆走車両ドライバーへの注意喚起」に関する技術では、OKI<6703>のETC2.0車載器による蓄積型逆走情報提供、カーメイト<7297>のBluetoothビーコン発信電波による逆走警告、パナソニック<6752>傘下のパナソニックシステムネットワークスのETC2.0車載器による逆走警告などの検証が行われる。
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)