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【特集】毎コムネット Research Memo(1):学生向けマンションを全国展開。開発からサブリースまでの一気通貫が強み

毎コムネット <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

毎日コムネット<8908>は、首都圏を中心に学生向けのマンションの開発・管理事業と学生生活関連のサービスを展開する企業である。1980年代のテニスブームに乗り、サークルのテニス合宿などの旅行商品の販売で成長し、2002年にはJASDAQ市場に上場した。その後、学生向けマンションの仲介・管理・サブリース及び開発事業にも業容を広げ、現在の主力事業に育て上げた。学生の就職・採用関連サービスは、2015年に連結子会社化した(株)ワークス・ジャパンが成長しグループ内での存在感が増している。大学生の様々な生活シーンを一気通貫で支援する唯一無二の企業である。

1. 事業概要
同社の事業セグメントは、不動産ソリューション事業と学生生活ソリューション事業の2つに分かれ、不動産ソリューション事業が全社売上高の76.7%(2017年5月期第2四半期)、営業利益の93.5%(同)を占める。不動産ソリューション事業の中でも不動産マネジメント部門が主力であり、学生マンションのサブリース(転貸)や賃貸管理を行う。首都圏を中心に大学周辺のマンション192棟、8,456戸(2016年5月期)を管理しており、そのうち6,491戸(76.8%)がサブリース方式で借り上げる。開発から募集、管理までを一気通貫で行うことにより、強靭なビジネスモデルが構築されおり、2016年4月時点の入居率は11年連続100%を誇る。

2. 2017年5月期第2四半期の業績
2017年5月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同四半期比7.1%増の6,962百万円、営業利益で同24.4%減の421百万円、経常利益で同24.5%減の386百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同21.4%減の272百万円となり増収減益決算となった。不動産デベロップメント部門の売却案件の規模が前年同期より大きかったことが増収をけん引したが、一方で案件の収益が前年比で減少したことが減益の要因にもなった。減益決算となったが、期初の利益計画は超えて推移しており、順調な推移と判断してよいだろう。

3. 2017年5月期通期の見通し
2017年5月期通期の業績予想は、売上高で前期比7.5%増の14,600百万円、営業利益で同1.4%増の1,532百万円、経常利益で同2.2%増の1,450百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.3%増の940百万円と、期初計画に変更はなく、売上高・利益ともに堅調に推移する見通しだ。上半期までの業績が計画を上回る出来だったことや、これから繁忙期を迎える人材ソリューション部門の拡大基調、さらには例年の同社の計画精度の高さなどからすると、予想とのブレは大きくはないだろう。なお、人材ソリューション部門は、3月の企業説明会解禁の前後数ヶ月に需要が高まるため、同部門の繁忙期は第3四半期以降(12月?5月)となることを留意したい。

4. 成長戦略:不動産ソリューション事業の全国展開
同社の管理物件は、全192棟、8,456戸(2016年5月期)のほとんどが首都圏であるが、全国展開戦略の中で京都や広島で物件が完成し、既に募集フェーズに入った。今春オープンする地方物件3棟266戸を首都圏物件と比較すると、部屋数が多めであり、自社所有での展開が多い点に特徴がある。まずはスピーディな開発が可能な自社所有物件で地方展開に弾みをつけたい考えだ。

5. 株主還元策:今期中間配当実施、中期的に配当性向35%以上へ
2017年5月期は中間配当を導入し、第2四半期末に15円(実施済)、期末17円、合計32円、配当性向30.6%を見込む。なお、2018年5月期には40周年の記念配当を含めて年39円(配当性向35%以上)を計画しており、2019年5月期以降は配当性向35%以上を継続する計画である。

■Key Points
・主力の学生向けマンション・寮は開発からサブリースまでの一気通貫が強み
・2017年5月期第2四半期は増収減益、期初の計画を超えて推移
・不動産ソリューション事業で全国展開、今春京都・広島に3棟オープン

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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