【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):ニトリHD、郵船、FFRI
ニトリHD <日足> 「株探」多機能チャートより
ニトリホールディングス<9843>は反落。22日の取引終了後に発表した3月度(2月21日~3月20日)の国内売上高で、既存店売上高が前年同月比3.8%減と3カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気されている。カーテンやバス・トイレ用品が好調に推移したほか、ダイニング家具の売り上げが伸長したが、前年が閏年のため営業日が1日少ないことや、前年の売り上げ水準が高かったこと(既存店売上高17.2%増)から、前年実績を下回ったとしている。
■日本郵船 <9101> 242円 -4 円 (-1.6%) 本日終値
JPモルガン証券が22日、海運セクターに関するリポートを発表した。これによると、海運3社の株価は大きく回復したが、足もとは好材料出尽くしに近く、バリュエーションも割安でないため、中立のスタンスを推奨するとしている。大量供給に苦しんでいたコンテナ船業界では、昨年の秋以降、韓進海運の破綻をきっかけに、解撤が急速に増加。その結果、16年初には前年比8%増であった船腹量伸び率が、年末には同1%増まで急低下。解撤は過去最高の66万TEU(20フィートコンテナ換算個数)に達し、船腹量を3.3%も減らしたという。一方、需要面では米新大統領の誕生をカタリストに世界の景況感、消費者心理が急速に改善し、需要と供給の両面における予想外の急改善でコンテナ船市況が大きく回復した。ただ、2月末時点でコンテナ船の船腹量が前年比0.5%増の1993万TEUで、世界各社のデリバリー・スケジュールに基づいて同証券が予想した17年末の船腹量が2067万TEUであることから、2月末から4%弱増える見通し。つまり、予想より早く絞られた供給量も、これからは大型船の竣工につれて増えていく見通しにあるという。従って、需要の伸びが4%を大きく超えなければ、市況がピークアウトすると判断。また、マーケットが次のカタリストとして注目しているのは、北米航路の年間契約の着地だと考えているが、3~4月にそれに関連するニュースが出れば、一旦の好材料出尽くしになる可能性は高いと見ている。これを受けて同証券では、海運3社の業績予想を修正し、日本郵船<9101>の目標株価を210円から290円へ、商船三井<9104>を同260円から380円へ、川崎汽船<9107>を同180円から230円へ引き上げたが、バリュエーション面ではもう割安ではないと判断している。
■FFRI <3692> 5,130円 -40 円 (-0.8%) 本日終値
FFRI<3692>は、前日終値の5170円を挟んで小幅な値動きとなっている。日証金が22日、FFRI株について23日約定分から、制度信用取引の新規売りおよび買いの現引きに伴う貸借取引の申し込み停止措置を実施すると発表した。ただし、弁済繰り延べ期限の来た買いの現引きは除く。貸借取引の規制強化に伴って、売買の自由度が制限されるとの見方があるなかで、きょうは、売り買いが拮抗しているようだ。
■三菱UFJ <8306> 708.3円 -5.4 円 (-0.8%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は下値模索の展開が続いた。きょうで5日続落し、週足チャートでは昨年11月以降の“トランプ相場”で初めて13週移動平均線を下に抜けた。米国株市場では21日、金融株が総崩れとなるなかNYダウが230ドルを超える下げをみせた。22日はいったん下げ止まる動きをみせたものの、ゴールドマン・サックスやシティグループなど大手金融機関の株価は続落と冴えない。米長期金利の低下に加え、トランプ米大統領が掲げるドッド・フランク法撤廃などの金融規制緩和が思うように進まないとの見方が、失望売りを誘っており、この流れは日本のメガバンクの上値も重くしている。特に米国での展開力で他行に勝る三菱UFJは、米金融緩和の思惑で先行して株価を切り上げた経緯があるだけに、足もとの環境は向かい風が強い。
■山九 <9065> 701円 -5 円 (-0.7%) 本日終値
鉄鋼など改修ニーズの高まりが追い風山九<9065>は売上高構成比で約45%を占める機工事業(設備工事やメンテナンス)が伸長。鉄鋼や石油化学といった改修ニーズの高まりを追い風に、来期も業績を牽引しそうだ。17年3月期第3四半期累計(16年4~12月)の機構事業は2ケタの増収増益となった。設備工事関連では国内製鉄所の大型高炉改修工事や、生産効率化を目的とした製造基盤整備案件および既存設備の撤去・解体工事などが着実に増加。また、設備保全関連でも国内の石油・石化構内設備の大型定期修理工事の需要が活発化している。背景には設備の老朽化が目立っていることが挙げられ、今後も安定した受注が見込まれる。今期業績は売上高の約51%を占める物流事業が堅調に推移していることもあり、連結営業利益予想260億円(前期比6.9%増)は再度上振れする可能性もありそうだ。株価は1月31日に昨年来高値754円をつけたあと上げ一服商状となっているが、17日時点の信用倍率は0.24倍と取組妙味があり、押し目は狙ってみたいところだ。(参)
■トヨタ自動車 <7203> 6,160円 -1 円 (0.0%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、富士重工業<7270>などが売り先行で始まった。米国株市場の急落を境に世界的なリスク回避ムードが漂うなか、外国為替市場では円買いの動きが加速、一時1ドル=110円台に入る円高が進行しており、輸出株には輸出採算悪化に対する警戒感が強まっている。特に、為替感応度の高い自動車株には風向きが悪い。ただし、ここ連日の下げで株価には値ごろ感が生じており、押し目買いや空売りの買い戻しも入りやすい状況。足もとは売り買いのバランスが拮抗してきた。
■ケアサービス <2425> 1,303円 +300 円 (+29.9%) ストップ高 本日終値
ケアサービス<2425>が3日連続のストップ高で、新値追いとなった。同社は日本と同様に高齢化が進む中国での事業強化を進めており、これを好感した買いが継続するかたちとなっているようだ。同社は17日に、中国の北京精益順欣養老管理の共同出資で、4月中旬にも介護事業の合弁会社「北京福原順欣健康管理」を設立すると発表。また同日には、中国子会社の上海福原護理服務が4月下旬から上海市閔行区葬儀場でエンゼルケア事業を開始することも明らかにした。内閣府の試算では、中国の高齢者率(総人口に占める65歳以上の割合)は2015年の9.6%から35年には20.3%に上昇する見通しで、高齢者向け市場の拡大が見込まれる。
■インタートレード <3747> 382円 +80 円 (+26.5%) ストップ高 本日終値
インタートレード<3747>がカイ気配スタートとなった。22日の取引終了後、産学官共同研究「IT―はなびらたけプロジェクト」の研究成果を報告し、標準ハナビラタケ株の抽出物から、抗がん剤などに利用可能と考えられる新しい細胞活性を発見したと発表しており、今後の事業展開を期待した買いが入っている。同研究は、東京女子医科大学および産業技術総合研究所(産総研)との産学官による共同研究で、ハナビラタケの有効成分の探究を進めていたもの。今回発見した細胞活性はサイレントエストロゲンと呼ばれる、従来のエストロゲン活性の利点を保持し、同時にがんの増殖を活性化するという欠点を持たない活性であり、その成分は抗がん剤のほか、エストロゲン製剤や抗エストロゲン剤、抗動脈硬化剤、健康食品などに利用が可能であるという。
■IIF <6545> 5,150円 +700 円 (+15.7%) ストップ高 本日終値
インターネットインフィニティー<6545>がストップ高の5150円まで買われた。円高への警戒や日米における政治の不透明感を背景に主力株に手掛けにくさが高まるなか、需給面でのしこりが少なく、値動きの軽い直近IPO銘柄に物色の矛先が向かっているようだ。同社は、短時間リハビリ型デイサービス「レコードブック」の運営を主力に、ケアマネージャーネットワークを利用したシルバーマーケティング支援や、仕事と介護の両立支援を行うWEBソリューション事業などを展開しており、シニアに関するリアル×WEBのサイクルモデルによる成長への期待も強い。また、同じく直近IPO銘柄で、博多ラーメンチェーン「一風堂」を展開する力の源ホールディングス<3561>や、物流センター内の作業請負が主力でアマゾンジャパンを主要顧客とするファイズ<9325>、さらにジャパンエレベーターサービスホールディングス<6544>、うるる<3979>なども大幅高している。
■アクアライン <6173> 1,346円 +168 円 (+14.3%) 一時ストップ高 本日終値
22日、アクアライン <6173> [東証M]が広島ガス <9535> と水まわり緊急修理サービス事業で業務提携すると発表したことが買い材料視された。同社は水回りの緊急トラブルに対応する「水道屋本舗」を展開している。今回の提携により、広島ガスが新たに開始する顧客の身近な困りごとへのサービス「広ガスくらしサービス」における水まわりの緊急修理サービスを受託する。なお、具体的な条件や推進方法は今後協議を行う予定としている。発表を受けて、広島県内40万戸超の豊富な顧客基盤を持つ広島ガスの業務請負による業績への寄与に期待する買いが殺到した。
●ストップ高銘柄
澤藤電機 <6901> 417円 +80 円 (+23.7%) ストップ高 本日終値
力の源ホールディングス <3561> 3,130円 +500 円 (+19.0%) ストップ高 本日終値
フルテック <6546> 1,135円 +150 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
など、6銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース