市場ニュース

戻る
 

【特集】シノケンG Research Memo(1):「人気エリア×駅チカ×単身者世帯向け」に特化したアパート販売で躍進続く

シノケンG <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

シノケングループ<8909>は、アパート販売事業、マンション販売事業を2本柱とし、東京、福岡、名古屋、大阪、仙台など主要都市圏で事業を展開。ゼネコン事業も含めたこれらフロービジネスを拡大しながら、付随する賃貸管理や家賃滞納保証サービス、LPガス供給販売といったストックビジネスを積み上げていくビジネスモデルを展開している。アパート物件の立地場所は、都市部の中でも人気エリアで駅から徒歩10分圏内とし、単身者やDINKS用のアパートとしているため、入居率が2016年末で97%台と高水準を維持していることが特徴となっている。

1. 2016年12月期は過去最高業績を大幅更新

2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比47.6%増の81,294百万円、営業利益が同55.2%増の10,570百万円となり、過去最高業績を大幅更新した。超低金利が続く市場環境下で、主力のアパート販売やマンション販売等のフロービジネスが大きく伸びたことで、賃貸管理や家賃滞納保証サービスなど付随するストックビジネスも好調に推移し、すべての事業セグメントで2ケタ増収増益を達成した。

2. アパート販売とストックビジネスがけん引し、2017年12月期も2ケタ増収増益を見込む

2017年12月期の連結業績は、売上高が前期比29.2%増の105,000百万円、営業利益が同10.7%増の11,700百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。マンション販売は一段落するものの、アパート販売の高成長が続くほか、ストックビジネスもさらに積み上がる。アパート販売に関しては前期末の受注残が620棟(受注から販売までの期間は6~8ヶ月)と既に2016年12月期の販売実績(530棟)を上回る水準となっており、足元も東京エリアを中心に需要は堅調に推移している。業界統計では、首都圏のアパート空室率が上昇しているとの報道もあるが、これは郊外物件や駅チカではない物件が増えたことが影響しているとみられ、同社保有物件に関してはまったくその影響は受けておらず、今後も堅調な推移が予想される。なお、民泊ビジネスについては計画には織り込んでいないものの、既に民泊対応型マンションの開発用地や社有のマンション物件を確保しており、関連法案が整備されれば参入する予定となっている。


3. 今後3年間で実質無借金体制を実現、2020年以降の成長に向けた基盤構築を進める

新たに発表された中期3ヶ年計画では、2019年12月期に連結売上高125,000百万円、営業利益13,000百万円を掲げた。東京エリアでのアパート販売棟数の拡大とストックビジネスの積み上げにより、同計画を達成していく考えだ。また、今後3年間は2020年以降の成長に向けた新たな成長ドライバーを育成する期間と位置付けている。具体的には、海外(インドネシア)で投資用物件の開発や、国内での介護関連事業の体制作りを強化していく。インドネシアに関しては子会社の(株)小川建設の現地事務所もあり、物件の設計・施工をグループで行うことによってシナジーを生かしていく。一方、介護事業では現在、東京、福岡、大阪において、サ高住やグループホーム、デイサービス施設等の運営のほか訪問介護サービスをグループ会社等で展開している。同社では様々な介護サービスをワンストップで提供できる強みを生かして、急速に進行する超高齢社会に向けて更なる成長拡大を図るため、体制強化を進めていく戦略だ。

Key Points
・独自の販売戦略で投資用アパート販売事業が急成長
・アパート販売とストックビジネスの好調持続で2ケタ増収増益を見込む
・既存事業の拡大と介護事業、海外事業の体制強化を進める

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均