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2017年03月19日09時40分

【経済】【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆連続イベント、一歩ずつ消化◆


〇米雇用統計基調変化に至らず〇

先週末の米雇用統計は非農業部門雇用者数23.5万人増(事前予想19万人増)、失業率0.1ポイント低下の4.7%と、やや強めの結果となった。ただ、賃金上昇率が前月比+0.2%と予想の+0.3%に届かなかった(ただし、1月分が+0.1%から+0.2%に上方修正。前年同月比では+2.8%で、前月の+2.6%から上昇、FRB目標の3.0-3.5%水準に近付いた)ため、ドル高要因とならず、ドル指数は2月28日以来の水準に低下した(週間で0.34%下落。下落は5週間ぶり)。

好調な雇用統計を受け、JPモルガンやGSは「年4回利上げ」の可能性に言及(3,6,9月に続き12月も)し、ドル安の歯止めになったと思われる(利上げ拡大懸念は原油相場を一段と圧迫し、WTI先物は48.49ドル/バレル)。ユーロ/ドルが1.1%高、4週間ぶりの高値となったが、ECBで量的緩和策終了前の利上げ議論が浮上したと伝えられたことが材料視された。9日の理事会では緩和策維持を表明、ユーロは下落していたので、やや唐突な展開。仏世論調査(レゼコー紙)で、約72%がユーロ圏離脱に反対と伝えられたことも影響した可能性がある。

ヘッジファンド・リサーチによると、マクロ戦略型ヘッジファンドの年明け後の運用が不振(1-2月+0.3%、ヘッジファンド全体は+2.2%、MSCIワールド指数は+5%)。当選直後のトランプ相場を牽引したが、ドル高などを見込み過ぎ、ポジション調整を余儀なくされている可能性がある。基調が壊れた訳ではないが、上値の重さ、材料反応の複雑さ、気迷い感に投影されている公算がある。

今週はイベント目白押しだが、先取りする動きより、一つずつ結果に反応していく流れが想定される。その観点で見ると、週末大混乱も危惧されていた韓国情勢は、限定的な影響にとどまると見られる。朴前大統領罷免で次期大統領選に向かい、最有力とされるムン・ジェイン(文在寅)氏がスンナリ支持されるかが焦点になる。反日、反米、親北朝鮮・中国の政治姿勢だが、発言は大衆迎合的で変わり易い。米国はTHAAD配備を急ぎ、対韓姿勢を維持する意向で、それを受け容れ易く正式出馬表明をしていないファン・ギョアン(黄教安)大統領代行首相を支援する可能性が考えられる。両氏の一騎打ちの展開を軸に見て行きたい。なお、日韓関係は1990年代の許永中事件、2007年に発覚したポスコによる長年の新日鉄(現新日鉄住金)からの技術盗取事件などにより、徐々に距離が置かれている。焦点は、韓国財閥企業の疲弊、韓国脱出傾向により、どれだけ日本市場にシフトして来ようとするか、にあると思われる。ただし、北朝鮮が大統領罷免に前掛かりの声明を出しており、南北統一機運に向かえば、改めて日本の立場が問われることになろう。


以上


出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/3/13号)

《WA》

 提供:フィスコ
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