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【特集】IBJ Research Memo(2):婚活会員数は55万人を超え、年々増加

IBJ <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業概要

1. 事業内容
IBJ<6071>は、婚活に関連する様々なサービスをオンライン(ネット)とオフライン(リアル)の両面から提供する日本最大規模の婚活サービス企業である。同社サービスを利用する婚活会員数は2016年12月末で約55万人に上り、年々増加の一途をたどっている。

事業セグメントとしてはメディア部門とサービス部門の2部門で開示しており、メディア部門はコーポレート事業、コミュニティ事業、イベント事業、ライフデザイン事業が含まれ、また、サービス部門はラウンジ事業で構成されている。2016年12月期の売上構成比で見ると、売上高はイベント事業が37.4%と最も高く、次いでラウンジ事業が28.3%を占め、2つの事業で60%を超える。また、事業利益でもこれら2事業で全体の50%を超えているが、収益性はコーポレート事業やコミュニティ事業が相対的に高く、すべての事業でバランスよく収益を稼ぎ出しているのが特徴と言える。各事業の内容は以下のとおり。

(1) コーポレート事業
コーポレート事業は、主に同社が設立した国内最大級の結婚相談所ネットワーク「日本結婚相談所連盟」に加盟する結婚相談所向けのサービスとなる。加盟店は「IBJシステム」と呼ばれるお見合い管理システムを導入することによって、同連盟に登録されている1,300社超の結婚相談所、約5.8万人に上る日本最大級の会員データベースを共有することが可能となり、お見合いのセッティング機会が増大するなどのメリットを享受している。また、同連盟では業界活性化・健全化のための定例会(勉強会)の開催やガイドラインの設定、あるいは加盟店同士のコミュニケーションツールとなるIBJ新聞(季節ごと)の発行も行っている。

同連盟の売上高は加盟店からの開業加盟金120万円と、システム利用料月額約2万円からなり、同事業売上高の大半を占めている。法人向けには開業の際の事業計画策定から研修まで同社スタッフがサポートするパッケージプラン(300万円~)も提供している。コーポレート事業の売上高の大半はこれら加盟金やシステム利用料で占められるが、そのほかにも運営サイトでの広告販売収入やECサイト「emma」の売上高も同事業に含まれている。

(2) コミュニティ事業
コミュニティ事業では、婚活サイト「ブライダルネット」の運営を行っている。月額有料会員数は2016年12月末で1.8万人となっている。同事業の売上高は、主に「ブライダルネット」の有料会員から得られる月額利用料3,000円(税込)となる。無料会員は相手検索やメッセージ交換、婚シェル相談室の利用などはできるものの、プロフィール写真の閲覧や連絡先交換など一部機能が制限されている。

婚活サイト市場については、ここ数年で参入企業が増加し顧客獲得競争が激化してきている。競合としてはスマホアプリの婚活サイトで国内最大級の(株)エウレカが運営する「Pairs(ペアーズ)」のほか、(株)ネットマーケティングが運営する「Omiai(お見合い)」、(株)リクルートマーケティングパートナーズが運営する「ゼクシィ縁結び」などがある。

(3) イベント事業
イベント事業には、婚活パーティーサイト「PARTY☆PARTY」の運営・イベント事業と、合コンセッティングサイト「Rush」の運営事業が含まれる。売上高は主に1人当たりイベント参加費用4,000~5,000円×動員数からなり、直近では売上高の8割弱を「PARTY☆PARTY」で占めている。

「PARTY☆PARTY」で企画した婚活パーティーや各種イベントは、主に自社直営のイベントスペースをパーティー会場として利用することで低コスト運営を実現している。会員からのイベント参加料(前払い)が主な収入源となっており、首都圏、京阪神、名古屋に加えて、ここ1~2年で東北や甲信越、北陸、中国、九州等の地方都市にも出店し、婚活パーティーを企画・開催している。現在は、全体で月間約3千本のお見合いパーティーを開催している。なお、地方都市では主に現地のパートナー企業との共同開催形式を採っている。

一方、「Rush」は登録会員数が40万人超と国内最大級の合コンセッティングサイトとなっている。会員は日時や場所、人数、年齢など各種条件検索により、希望する合コンにサイト上から参加申し込みするシステムとなる。同社では合コンのセッティングのほか、飲食店の選定・予約・代金精算代行サービスも一括して提供している。合コン参加者からは飲食代金込みの参加料金を前受金で徴収し、また、契約する飲食店からも送客手数料などを別途収受している。

(4) ライフデザイン事業
ライフデザイン事業は2016年6月に100%子会社化したWASの事業と、同年12月に100%子会社化した「かもめ」の事業が含まれる。WASでは、ウェディング関連の専門誌の製作販売(年間約72.5万部発行)のほか、結婚準備無料相談サロン(サービス名「ウエディングnavi」)を5店舗運営し、結婚式場やドレス、ジュエリー販売店への送客サービスを行っている。子会社化前の収益水準は、売上高で約3億円、営業利益で数百万円程度となっている。また、のれんは約80百万円(5年償却)となり、年間で16百万円ののれん償却費用が発生する。

一方、「かもめ」は海外ツアーの旅行企画販売業を行っている。特徴は、大手があまり参入しないニッチな旅行先(中南米、北欧、アフリカ等)のツアー商品を多く取りそろえていることにあり、また、主要ターゲット顧客は20-40代の独身女性で、同社の顧客層と重なる部分も多い。成婚カップルの新婚旅行のみならず、55万人に上る婚活会員に向けて、休暇旅行・婚活旅行などを提案していくことで、旅行ニーズに隠れている出会いニーズも掘り起こしていく。また、シニア世代に向けても交流旅行等を今後、提供していくことを検討している。

(5) ラウンジ事業
ラウンジ事業では、直営の結婚相談所の運営を行っている。店舗数は2016年12月末時点で、首都圏と大阪、神戸、名古屋、福岡に合計10店舗出店している。徹底した成婚主義にこだわっているのが特徴で、業界最高水準の成婚率約53%※を実現している(業界の平均水準は10~30%)。ラウンジ会員数は2016年12月末で4,513人、2016年の成婚者数は1,060人となっている。なお、出店場所は主要都市及びターミナル立地に特化しており、今後店舗数を増やしていく予定はない。

※2016年1月~6月実績。成婚率=成婚退会者数÷全退会者数

「IBJメンバーズ」成婚率の高さの背景には、「IBJシステム」による約5.8万人の豊富な会員データベースの活用に加えて、優秀なカウンセラーによる少人数専任制(1カウンセラー当たり担当会員数は約60名と他社比較で約3割の水準)を敷いていること、成婚報酬主義を採用していることなどが挙げられる。また、同社の新規会員は「PARTY☆PARTY」など自社グループ内サービスからの入会者が過半を占めるため、会員獲得のためのマーケティングコストも競合他社と比較して抑えることができ、そのコスト分を優秀なカウンセラーの維持獲得費用に振り向け、高品質なサービスを提供する体制を構築していることが、成婚率の高さにつながっていると考えられる。なお、同事業は会員からの入会金、年間活動サポート費、月会費、成婚料が主な収入となっている。サービス内容によって4つのコースに分かれているが、会員の年間費用は平均で18?24万円程度となり、これに成婚した場合の成婚料として1人当たり20万円(税抜)を受領している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ
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