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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

東芝 <日足> 「株探」多機能チャートより

■東芝 <6502>  189.5円 (-26.4円、-12.2%)

 東証1部の下落率トップ。東芝 <6502> が急反落。東京証券取引所が14日の取引終了後、同社株を15日から監理銘柄(審査中)に指定すると発表しており、上場廃止への警戒感から売られたようだ。東芝は、2015年に発覚した不正会計に伴い同年9月に特設注意市場銘柄(特注銘柄)に指定されていたが、同指定から今月15日で1年6ヵ月が経過するため。東芝では特注銘柄の指定解除のため、16年9月に内部管理体制確認書を提出したが、東証では内部管理に不備があるとして、特注銘柄の指定解除の判断を延長していた。今後、東芝から再提出される確認書の内容などを確認し上場維持の是非が判断されるが、改善がなされなかったと判断された場合は上場廃止となるおそれがある。

■ヤーマン <6630>  5,860円 (-640円、-9.9%)

 東証1部の下落率2位。ヤーマン <6630> が急反落。14日の取引終了後、17年4月期第3四半期累計(16年5月-17年1月)の連結決算を発表。売上高は148億6700万円(前年同期比23.4%増)、営業利益は28億7100万円(同3.9倍)と営業利益は通期計画28億3600万円(前期比2.8倍)を上振れたが、通期予想は据え置かれたため15日は失望売りに押された。家電量販店や大手百貨店などの販売が想定以上に好調であったことに加え、原価低減や社内体制の整備などの取り組みが奏功し、大幅な増収増益で着地した。なお、売上高の通期予想を据え置き、192億5300万円(前期比18.0%増)を見込んでいる。同時に、17年4月期の株主優待品の内容が発表された。100株以上500株未満を保有する株主に対して2万円相当の同社商品(前期は1万円相当)を、500株以上保有する株主に対しては4万5000円相当の同社商品(同3万円相当)を贈呈し優待内容が拡充されているが、市場の反応は限定的。

■九州電力 <9508>  1,147円 (-100円、-8.0%)

 東証1部の下落率3位。九州電力 <9508> が続落。14日、同社がユーロ円建て新株予約権付社債(CB)を発行し、1500億円を調達すると発表したことが売り材料視された。20年満期の3年債で750億円、22年満期の5年債で750億円をそれぞれ発行。調達資金は2019年に稼働を予定する石炭火力の松浦発電所2号機の建設費用や社債の償還資金の一部に充てる。転換価格は3年債が1434円、5年債が1471円で発行済み株式総数に対する潜在株式数の比率は21.79%になる見込みで、将来的な株式価値の希薄化や株式需給の悪化を警戒する売りが向かった。

■そーせいグループ <4565>  11,500円 (-710円、-5.8%)

 東証マザーズが15日後場に入り急落。ここ中小型株人気に乗り、東証マザーズ指数も順調に上昇してきたが、15日はそーせいグループ <4565> [東証M]やミクシィ <2121> [東証M]、CYBERDYNE <7779> [東証M]といった主力株が値を下げた。中小型株には利益確定売りの動きも出たようだ。

■栄研化学 <4549>  3,025円 (-160円、-5.0%)

 栄研化学 <4549> が反落。14日の取引終了後、17年3月期連結業績予想について、営業利益を27億1000万円から40億円(前期比13.1%増)へ、純利益を18億2000万円から27億7000万円(同14.0%増)へ上方修正し、これを受けて株価は昨年来高値3200円にツラ合わせしたが、その後は目先の材料出尽くし感台頭で利益確定売りに押された。便潜血検査用試薬の海外売り上げが伸び悩んでいることで売上高は338億3000万円から331億9000万円(前期比3.2%増)へ下方修正したが、第4四半期に見込んでいた小型全自動遺伝子検査装置の開発費約7億5000万円が来期にズレ込む見込みであることや、その他の経費などの効率的使用によるコスト削減で、営業利益以下は上方修正するという。

■丸一鋼管 <5463>  3,380円 (-115円、-3.3%)

 丸一鋼管 <5463> が下落。SMBC日興証券が14日付で投資評価を「1」から「2」とし、目標株価を4400円から3700円へ引き下げたことが弱材料視された。材料の熱延コイルの需給が逼迫し調達費用が上昇傾向にあることや、国内の鋼管市場では市況の動きが鈍く、値上げが遅れているうえ、材料価格の上昇をフルに転嫁できないリスクが高まっていること、さらに、海外子会社は米国の鋼管子会社が堅調だが、ベトナムのSUNSCOが材料価格の上昇分を製品価格に転嫁できていない可能性が高いことなどを考慮。これに伴い18年3月期の営業利益予想を244億円から202億円へ、19年3月期を同254億円から215億円へ下方修正したことが要因としている。

■三菱ケミHD <4188>  869.5円 (-29.5円、-3.3%)

 三菱ケミカルホールディングス <4188> が反落。14日、同社がユーロ円建て新株予約権付社債(CB)を発行し、総額1500億円を調達すると発表したことが売り材料視された。22年満期の5年債で750億円、24年満期の7年債で750億円をそれぞれ発行。調達資金は借入金の返済や自社株買いに充てる。転換価格は5年債が1276円、7年債が1258円で発行済み株式総数に対する潜在株式数の比率は8.04%になる見込みで、将来的な株式価値の希薄化や株式需給の悪化を警戒する売りが向かった。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の2.3%にあたる3337万0400株(金額で300億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したが買い材料視されなかった。

■洋缶HD <5901>  1,982円 (-31円、-1.5%)

 東洋製缶グループホールディングス <5901> が続落。14日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、純利益を245億円から140億円(前期比39.6%増)に下方修正したことが嫌気されたようだ。連結子会社が保有している固定資産の一部について減損処理を行うとともに、のれんの減損処理を行い、約125億円を減損損失として特別損失に計上することが要因としている。なお、売上高7800億円(同2.7%減)、営業利益355億円(同9.7%増)は従来予想を据え置いている。

■小野薬品工業 <4528>  2,449.5円 (-37円、-1.5%)

 小野薬品工業 <4528> が続落。SMBC日興証券が14日付で投資判断「1」を継続しつつ、目標株価を3200円から3000円へ引き下げたことが弱材料視された。同証券では、18年3月期からは、免疫チェックポイント阻害剤オプジーボの薬価引き下げ(17年2月1日に50%薬価下げ)の影響が年間でフルに効いてくることや、競合品キイトルーダ(MSD、Merckの日本法人)に非小細胞肺がんのファーストラインの患者をおさえられる可能性が高いこと(非小細胞肺がん患者の約25%)などを考慮し、21年3月期までの業績予想を下方修正したとしており、18年3月期営業利益予想を624億円から580億円へ、19年3月期を同759億円から650億円へ引き下げている。

■国際石開帝石 <1605>  1,106円 (-16円、-1.4%)

 国際石油開発帝石 <1605> 、石油資源開発 <1662> など資源開発関連株やJXホールディングス <5020> など石油関連株に売りが目立った。ここ原油市況の軟化が顕著となっており、14日のWTI原油価格は68セント安の1バレル=47ドル72セントと7日続落、一時約3ヵ月半ぶりの安値を更新した。サウジアラビアが2月に増産したとの報告が需給の緩みを想起させ、前日の米国株市場では原油安が収益面にデメリットとなるシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー関連の下げにつながっている。東京市場にもこの流れが波及しており、関連株は全体地合い悪のなかで下値を探る展開となった。

※15日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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