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【特集】ソルクシーズ Research Memo(2):金融業界向けを中心としたシステム開発事業が主力

ソルクシーズ <日足> 「株探」多機能チャートより

■会社概要

1. 会社沿革
ソルクシーズ<4284>は受託ソフトウェア開発事業を目的に1981年に設立された。その後、M&A等を行いながら、ソフトウェア開発事業を拡大し、また、金融業界や製造業など特定業界に特化した事業を行う子会社を設立し、各領域での競争力を高めながら事業展開している。2016年12月時点での連結子会社数は10社となっている。なお、2016年6月に東証第2部市場から第1部市場に指定替えとなっている。

2. 事業内容
同社は金融業界や情報通信業界などに向けたSI/受託開発業務及びそれに付随・関連したアウトソーシング業務、パッケージソフトの開発・販売などのソリューション業務、情報機器販売業務を行っており、連結売上高に占める単独売上高の比率は2016年12月期で76.2%となっている。

連結対象子会社はソフトウェア開発事業で9社、デジタルサイネージ事業で1社の構成となっている。このうち、ソフトウェア開発事業に関しては事業領域ごとに子会社展開している。主要な子会社を見ると、(株)エフ・エフ・ソルは銀行向けの受託開発を、(株)コアネクストは証券バイサイド向けの業務システムの開発・保守等を主に行っている。また、(株)アスウェアはICTインフラの企画・構築・保守業務を、(株)イー・アイ・ソルは組込・制御・計測関連分野でのソリューション業務をそれぞれ展開しており、これら子会社は開発面において同社と取引関係がある。

一方、同社から独立して事業展開を行っている子会社として、自動車業界向けにソフトウェア開発のコンサルティングサービスを展開するエクスモーションや、自動車教習所向け教材システムや情報システムで業界トップの(株)ノイマン、商業施設やアミューズメント施設におけるデジタルサイネージやセキュリティシステム等の設計・工事・保守等を行う(株)インターディメンションズがある。

事業セグメントはソフトウェア開発事業とインターディメンションズが展開するデジタルサイネージ事業に区分されており、2016年12月期における売上構成比ではソフトウェア開発事業が約98%を占める主力事業となっている。ソフトウェア開発事業の単独ベースで見た業種別売上構成比(2016年12月期)では、金融業界向けが68.9%と高いのが特徴で、なかでもクレジット向けが30.9%と高くなっている。このため、同社の業績は金融業界のIT投資動向に影響を受けやすい構造になっていると言える。また、同社の単独売上のうち直接顧客向けの売上構成比は36.8%を占め、残り63.2%が大手SI会社等からの間接受注となっている。売上構成比の上位をみると、富士通<6702>系が19.6%、日立<6501>系が13.1%、IBM系が4.8%となっている。収益性に関しては基本的に、直接顧客向けの方が高い傾向にあるが、外注比率の違いによっても変わってくるため、一概には言えない。なお、現在の外注比率は5割強の水準となっている。

一方、デジタルサイネージ事業では、商業施設やアミューズメント施設におけるデジタルサイネージ、AVシステム、セキュリティシステム等の設計・販売・設置工事・保守サービスのほか、太陽光発電や風力発電等の設置工事・販売・保守サービスなども手掛けている。営業エリアは主に東北エリアと首都圏となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

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