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【市況】FOMCでの利上げ確実、もち合いレンジ上限突破を窺う/オープニングコメント

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 10日の米国市場では、注目された2月雇用統計で非農業部門雇用者数が23.5万人増と予想(20.0万人増)を大きく上振れたほか、失業率の改善も好感された。FRBがこのところ示していた楽観的な景気認識を裏付けるものとなった。これにより、FOMCでは追加利上げとなろう。織り込み済みではあるが、これまで日本株については見極めムードからこう着が続いていたこともあり、ドル高進行や米国債利回りの上昇を背景にトレンドが強まる可能性はある。

 もっとも、日経平均は先週末の大幅上昇の反動もあって、週初はもち合いレンジ上限レベルでの攻防といったところか。その後、高値圏での底堅さが意識されるようだと、アク抜け後のレンジ上放れが意識されてくるだろう。日経平均は年初からのこう着で、相当煮詰まり感が台頭している。期末要因から貸株の返却に伴う、買い戻しといった需給要因も意識されやすいだろう。

 また、先週のメジャーSQを含め、昨年11月から5ヵ月連続でSQ値が切り上がっている。これについては、アベノミクス相場が始まった12年11月から13年5月に7ヶ月連続して切り上がった以来、4年ぶりとなる。改めて中期的な目標値として、日経平均の2万円が意識されてくる可能性が高そうだ。

 また今週は、オランダでは15日に、注目されている欧州の一連の選挙の先陣を切って議会選挙が行われる。米国では米連邦債務上限の適用停止期間が終了するほか、トランプ政権が予算概要を議会に提出する。これまでのようなサプライズがないとも言えないが、市場はサプライズからの波乱展開に対する修正の早さも目立っている。これら警戒要因が通過することで、アク抜け的な動きが意識されてこよう。
《AK》

 提供:フィスコ

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