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【経済】【中国】新エネ車補助は20年撤廃、代替策導入を準備=工業情報化部長


中国の第12期全国人民代表大会(全人代)第5回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。工業和信息化部(工業情報化部)の苗ウ(土へんに于)部長は会議開催前のメディア取材で、新エネルギー車政策に関して言及。国家補助の撤廃を予定する2020年以降は、それに代わる新たな普及政策を導入するとの方針を表明した。自動車メーカーに一定割合で新エネ車の生産・販売を義務付ける新制度の策定に着手。すでに案をまとめ、意見公募を行っている段階だと説明した。

苗部長が言及した同政策は、工業情報化部が昨年9月に発表した「企業平均燃料消費量と新エネ車ポイントの並行管理に関する暫定規則案」と同一と思われる。同案では、新エネ車の生産販売比率に関して、18年に8%、19%に10%、20年に12%の到達を求めた(21年以降の比率は別途設定)。中国国内でのガソリン・ディーゼル車の生産台数、または輸入台数が年間5万台を超える企業に対して適用。達成できないメーカーは罰金を払うか、または排出量取引市場を通じて他社から「ZEV(排ガスゼロ車)排出枠クレジット」を買う必要がある。半面、一定割合以上の新エネ車を生産・販売したメーカーはクレジットを売ることができるという仕組みだ。

足元の購入補助制度について苗部長は、補助金詐取が存在する現状を指摘。「産業のスタート段階では国家支援が非常に重要」と解説しつつも、「自動車メーカーによる補助金不正受給の報告が昨年以降、増えている実態は容認できない」と強調した。その上で、財政部などと協力し、補助金申請のプロセスや審査を一段と厳格化する意向を表明している。

中国の16年新エネ車販売は、中国全体で前年比53.0%増の50万7000台(自動車販売の1.8%)に拡大した。うち電気自動車(EV)は65.1%増の40万9000台、プラグインハイブリッド車(PHV)は17.1%増の9万8000台。全体の生産台数は51.7%増の51万7000台に伸びた。

中国の新エネ車販売は、2015~16年にかけて2年連続で世界最多を記録。保有台数は約100万台に達し、世界全体の過半を占めた。



【亜州IR】

《SK》

 提供:フィスコ

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