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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~こう着ながらも自律反発を意識した相場展開に

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 

9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:こう着ながらも自律反発を意識した相場展開に
■外資系証券の注文動向:差し引き440万株の買い越し
■前場の注目材料:トヨタ、4年連続ベア実施へ


■こう着ながらも自律反発を意識した相場展開に

9日の日本株市場はこう着感が強いながらも、自律反発を意識した相場展開が期待される。週末の米雇用統計の前哨戦となるADP雇用報告では、民間部門雇用者数は29.8万人増と、市場予想の18.5万人増を上回る大きな伸びとなった。これにより週末の雇用統計を待たずに来週のFOMCでの利上げが確実視される格好。シカゴ日経225先物は大阪比70円高の19320円、円相場は1ドル114円台半ばとやや円安に振れて推移している。もっとも、原油相場が大きく下げていることから、エネルギー関連が上値の重しになりそうだ。

日経平均は前日までの調整で支持線として意識されている25日、75日線までの調整をみせており、タイミング的にもいったんは自律反発に向かいやすいだろう。米国の利上げ観測の高まりを背景としたドル高・円安基調の流れを受けて、押し目買いも入れやすいところである。

とはいえ、雇用統計待ちには変わらず、週末にメジャーSQを控えていることもあって積極的な売買は手控えられやすいだろう。そのため自律反発の域は脱せず、その後はこう着感が強まりやすい。物色の流れとしては主力処の買い一巡後は、好調が続く中小型株にシフト。高値警戒感も意識されていることもあり、相対的に出遅れている銘柄を探る動きが強まるとみておきたい。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き440万株の買い越しとの観測

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り520万株、買い960万株、差し引き440万株の買い越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。

03月02日(木):990万株の買い越し
03月03日(金):20万株の売り越し
03月06日(月):140万株の売り越し
03月07日(火):150万株の買い越し
03月08日(水):150万株の売り越し


■前場の注目材料

・NYダウは下落(20855.73、-69.03)
・シカゴ日経225先物(19320、+70)
・NY原油は続落(50.28、-2.86)
・円相場、1ドル114円40-45銭
・2月米ADP民間雇用者数、29.8万人増
・2月街角景気(景気ウォッチャー)、2ヶ月連続悪化へ
・2月中国貿易収支、1兆円の赤字
・サムスン、米国生産拡大を計画

・ピーバンドットコム<3559>が東証マザーズに新規上場
・アサヒ<2502>などビール大手4社、北海道で共同輸送へ
・東芝<6502>、新たな損失の恐れ、米原発建設20年末に税制優遇期限
・ソフトバンクG<9984>、アーム株80億ドル分をサウジとのファンドに移管へ
・トヨタ<7203>、4年連続ベア実施へ


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50  マネーストック(2月、日本銀行)
・09:00  毎月勤労統計(1月)  0.3%  0.5%
・11:00  都心オフィス空室率(2月)    3.74

<海外>
・10:30  中・消費者物価指数(2月)  1.8%  2.5%
・10:30  中・生産者物価指数(2月)  7.5%  6.9%

《SK》

 提供:フィスコ

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