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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

アズジェント <日足> 「株探」多機能チャートより

■アズジェント <4288>  1,737円 (+300円、+20.9%) ストップ高

 アズジェント <4288> が後場に入って動意づき、新値追い。同社は7日、取り扱いを行っているVOTIRO社(イスラエル)のファイル無害化ソリューション「Secure Data Sanitization」が、今年2月末時点で41の都道府県内で採用されたことを明らかにした。これら一連の採用は「自治体情報セキュリティクラウド構築」および「自治体情報システムの強靭性向上モデル」におけるファイル無害化対策を目的としたもの。昨年末の採用実績(33都道府県)から2ヵ月間で8つ増加しており、同社では今後も採用実績が増加すると見込んでいる。

■ アイル <3854>  1,053円 (+152円、+16.9%) ストップ高

 アイル <3854> が急反発し、ストップ高の1053円まで買われた。6日取引終了後に発表した第2四半期累計(16年8月-17年1月)連結決算が、売上高39億8000万円(前年同期比9.8%増)、営業利益1億6800万円(同30.1%増)、純利益1億1500万円(同13.9%減)と大幅増益となったことが好感されている。主力のパッケージソフトウエア「アラジンオフィス」の商品力の強化を、業種別に継続して進めたことや、複数ネットショップ一元管理ソフトである「CROSS MALL」について、新たなショッピングモールとの連携開発を継続して取り組んだことなどが寄与した。

■テクマトリックス <3762>  1,352円 (+83円、+6.5%)

 東証1部の上昇率7位。テクマトリックス <3762> が4連騰し、連日の実質上場来高値更新となった。午前9時30分ごろ、連結子会社クロス・ヘッドが、次世代データセキュリティーソフト「デジタル ガーディアン クラウド」の提供を13日に開始すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。「デジタル ガーディアン クラウド」は、サイバー攻撃を入口で遮断する従来の手法ではなく、不正な侵入をされていることを前提に、データ漏洩の被害を食い止める出口の監視を行うのが特徴。また、運用管理を24時間365日体制で支援する日本初のクラウドサービスを行い、最新のデータセキュリティー対策の効果的な運用を実現するとしている。

■JALUX <2729>  2,505円 (+153円、+6.5%)

 東証1部の上昇率8位。JALUX <2729> が急伸。大和証券は6日、同社株を新規「1(買い)」でカバレッジを開始した。目標株価は2990円としている。同証券では、航空関連産業を低成長時代でも持続成長が可能な産業として注目している。同社は航空専門の商社で、「機材から小売りまで航空関連産業を幅広くカバーしている」、「IHI <7013> 向け整備用部品事業が急成長しており、今後も安定的に拡大する見込み」、「小売り事業はインバウンド需要の底打ちで安定成長へ回復する」――ことを評価材料に挙げている。同証券では、17年3月期の連結営業利益を前期比8%増の41億円、18年3月期は43億円と予想。

■ASB機械 <6284>  2,566円 (+121円、+5.0%)

 日精エー・エス・ビー機械 <6284> が急伸。大和証券が6日付のリポートで、レーティング「2」、目標株価2700円でカバレッジを開始したことが好材料視された。世界のPET容器市場は中長期的に拡大傾向が続くとみている。近年PETボトルは、日本や欧米を中心に日用品や化粧品の容器へもシフトが進んでいる。同証券では、関連企業の日精エー・エス・ビー機械に注目しており、18年9月期に稼働予定のインド第3工場の収益貢献に期待している。同時に、フジシールインターナショナル <7864> もカバレッジを開始しており、レーティングは「2」、目標株価は2700円としている。

■前田建設工業 <1824>  1,031円 (+44円、+4.5%)

 野村証券が6日付で前田建設工業 <1824> の投資判断「バイ(買い)」と目標株価1213円を継続したことが買い材料視された。リポートでは、愛知県の有料道路のコンセッション事業による業績へのプラス影響と、やや損失が広がると考える海外土木のマイナスの影響を織り込み、業績予想を見直した。同証券では、17年3月期の連結営業利益を従来予想の210億円→230億円(会社計画は195億円)、18年3月期は230億円→260億円、19年3月期を235億円→275億円にそれぞれ上方修正した。

■オークマ <6103>  1,325円 (+29円、+2.2%)

 オークマ <6103> やDMG森精機 <6141> など工作機械株が高い。両社ともに昨年来高値を更新した。工作機械の受注は、中国向けが回復基調にあるほか、今後は米国でのインフラ投資の活発化による需要増加が期待されている。オークマの場合、東海地区を地盤としており、自動車業界向け好調の追い風を受けているほか、DMG森精機はドイツ・DMGとの経営統合により欧州市場での需要取り込みも見込まれている。

■任天堂 <7974>  24,690円 (+450円、+1.9%)

 任天堂 <7974> は大商いのなか3日続伸。3日に発売した新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」は据え置き型ゲーム機としては「Wii U」以来、約4年ぶりの発売となったこともあって、出足は想定以上に好調。価格設定が高めであるため、消費者ニーズを取り込めないのではないかとの大方の予想を覆す人気ぶりで、これがサプライズをもたらした。ゲーム機本体の普及が早まれば、各メーカーのソフト投入も相次ぎ、これが普及をさらに加速させるという相乗効果が指摘されており、任天堂の18年3月期業績に対する期待につながっている。

■日本郵船 <9101>  260円 (+4円、+1.6%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手をはじめ海運株が軒並み高となり、業種別騰落率では33業種中で値上がり率第3位。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が前日6日時点で40ポイント高の979と急回復トレンドに入っている。同指数は2月14日に685ポイントの安値に叩かれていたが、そこから3週間で43%も上昇したことになる。中国の景気刺激策や米国の巨額インフラ投資計画などを背景に、世界的な景況感の回復が指摘されており、物流を担う海運市況も先高期待が高まっているようだ。これを受けて同指数と高い株価連動性を持つ海運株に物色の矛先が向かっている。

■ピジョン <7956>  3,375円 (+50円、+1.5%)

 6日、ピジョン <7956> が決算を発表。17年1月期の連結経常利益は前の期比9.2%増の164億円と、減益予想から一転して増益で着地。続く18年1月期も前期比3.3%増の170億円に伸び、7期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。前期は哺乳器などの販売が好調だった国内ベビー・ママ事業が収益を牽引した。今期は国内や中国で哺乳器、紙おむつなどの需要を取り込み、16期連続増収・7期連続増益を目指す。業績好調に伴い、前期の年間配当を50円→53円(前の期は42円)に増額し、今期も前期比3円増の56円に増配する方針としたことも支援材料となった。

■ブロードリーフ <3673>  707円 (+10円、+1.4%)

 ブロードリーフ <3673> が10日続伸。6日の取引終了後、ソフトウエアの研究・開発を手掛けるタジマ(東京都新宿区)の全株式を取得し子会社化することで合意したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。今回の買収は、両社は同じ業界で事業を展開しているものの、それぞれの得意とする顧客層が異なることから、タジマをグループに迎え入れることで、これまで以上に幅広い顧客にサービスを提供することが可能になるものと判断したことが要因。取得予定価額は16億7000万円(ほかにアドバイザリー費用など)で、4月中に株式譲渡を予定。なお、17年12月期業績への影響は現在精査中としている。

■JR九州 <9142>  3,735円 (+50円、+1.4%)

 大和証券は6日、本決算期末が7-9月期企業のTOPIX浮動株比率(FFW)と調整係数適用銘柄の見直し予想を発表した。新たなFFWは4月7日に公表され、同月28日に実施される見込み。このため同月27日にリバランスに伴う売買インパクトが予想されている。調整係数も同じタイミングとなる。調整係数では時価総額に比べ流動性が低い銘柄には、通常のFFWに調整係数(0.75)を乗じたFFWが適用されている。今回の見直しでは九州旅客鉄道 <9142> の調整係数が解除されると予想され、株価にはプラスインパクトが見込まれている。同証券によると、FFWと調整係数の見直しで現行の比率とのウエイト差が大きくプラスが期待できるのはファーストリテイリング <9983> 、JR九州、ホシザキ <6465> 、名古屋鉄道 <9048> 、山口フィナンシャルグループ <8418> など。一日平均売買高などを考慮し、売買インパクトが大きい銘柄はメディアスホールディングス <3154> 、いであ <9768> 、キューブシステム <2335> 、イフジ産業 <2924> 、ソルクシーズ <4284> などを挙げている。

■三菱ケミHD <4188>  887円 (+10.1円、+1.2%)

 6日、三菱ケミカルホールディングス <4188> が傘下の三菱レイヨンの炭素繊維材料であるSMCがトヨタの新型「プリウス PHV」のバックドアの骨格に採用されたと発表したことが買い材料。自動車市場で車体軽量化への関心が高まる中、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の自動車部材への適用が期待されている。同社が開発したSMCは、CFRPの中間基材の一種で長さ数センチメートルにカットされた炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料。複雑な形状の部材を成形することができる点などが評価された。発表を受けて、新型「プリウス PHV」への採用を契機に自動車部材向け炭素繊維材料の販売拡大に期待する買いが向かった。

■特種東海製紙 <3708>  4,400円 (+50円、+1.2%)

 特種東海製紙 <3708> が続伸し連日の昨年来高値。6日の取引終了後、連結子会社の新東海製紙が17年3月期に補助金収入32億3200万円を特別利益として計上すると発表しており、業績上振れを期待した買いが入ったようだ。「平成28年度エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」の交付金として、補助金収入を計上する。なお、17年3月期業績予想については、他の項目を含めて現在精査中としている。

■日立建機 <6305>  2,795円 (+30円、+1.1%)

 日立建機 <6305> が後場上げ幅を拡大し昨年来高値を更新。7日、クラウド型統合システム「Trimble Connect(トリンブルコネクト)」などを展開する米トリンブル社(カリフォルニア州)と、クラウド環境下でのオープンプラットフォームの開発における連携を開始したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。トリンブル社の「Trimble Connect」の技術やノウハウをもとに、日立建機およびトリンブル社でオープンなプラットフォームを開発することで、顧客の事務所から現場、建設機械の運転席まで、シームレスな情報の管理・活用を実現するのが狙い。また、日立建機が業務に則した使いやすいアプリケーションを開発し、顧客の現場で稼働する日立建機製の建設機械や他社製のICT建設機械を対象に、最適なソリューションを提供するとしている。

■バンナムHD <7832>  3,320円 (+35円、+1.1%)

 バンダイナムコホールディングス <7832> が反発し上場来高値を更新。傘下のバンダイナムコエンターテインメントが7日、VRをはじめとした最先端技術を活用したエンターテインメント施設を今夏、東京・新宿にオープンすると発表しており、これを好材料視した買いが入った。「VR ZONE Shinjuku」は、新宿・歌舞伎町の「新宿TOKYU MILANO」跡地に期間限定でオープンする予定で、延べ床面積は約3600平方メートルと国内最大規模のVR施設となる見通し。単なるVRゲームにとどまらない最先端のVRアクティビティーを提供する予定で、そのほかプロジェクションマッピングなどの技術を活用したインタラクティブな“アソビ”を楽しめるコンテンツを導入。さらに施設内には飲食や物販コーナーも設ける予定としている。

■東鉄工業 <1835>  3,190円 (+30円、+1.0%)

 東鉄工業 <1835> が3月に入り切り返し歩調にある。鉄道工事会社で保守に強みを持ち、JR東日本 <9020> 向けが売上高の約80%を占めている。手持ち工事が豊富で山手線などのホームドアの新設工事や駅前商業ビルの民間建築工事、また首都圏直下型地震への対応による耐震補強工事が来期も寄与する見通し。さらに、東京五輪関連では競技会場の最寄り駅である千駄ヶ谷駅の改良工事などが業績に貢献する見込みだ。17年3月期営業利益は前期比2.6%増の128億円を見込むが、来期については136億~138億円と7%前後の成長が見込まれる。時価PER12倍台に割高感はなく、信用取組も売り買いともに枯れた状態で株式需給面からも上値は軽い。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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