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【市況】米国株式市場見通し:政策実現に向けた議会動向に注目


先週のトランプ大統領の演説では、政策全般について大まかな方向性が示された。政治や国民の分断回避を求める内容も好感され、敵対関係にあったメディアからも一定の評価を得たことで、株式市場にとってはポジティブに働くだろう。今週以降は、医療保険制度改革法(オバマケア)の廃止・差し替えのための審議が始まるほか、13日までに2018会計年度(17年10月-18年9月)予算教書の提出も予定されており、減税策への議論や、政策実現に向けた議会動向に注目が集まりそうだ。

先週、イエレンFRB議長が経済成長が予想通りに改善すれば3月利上げが適切と発言したほか、多くの連銀高官も利上げに積極的な姿勢を示した。FF金利の先物取引から算出される3月の利上げ確率は94%(3日時点)と14-15日に開催されるFOMCでの利上げはほぼ確実だ。今週は雇用統計の発表が予定されているが、大幅な下振れでない限り、利上げ実施の判断には影響しないだろう。

経済指標では、1月製造業・耐久財受注(6日)、1月貿易収支(7日)、2月ADP雇用統計(8日)、1月卸売在庫(8日)、2月輸入物価指数(9日)、2月雇用統計(10日)などが予定されている。輸入物価指数は2ヶ月連続で予想を上振れ、2012年以来の高水準となっている。同指数は今後の利上げ判断において重要な指標となるインフレ率に影響を与えるため、注目したい。雇用統計では失業率は4.7%で小幅改善、非農業部門雇用者数は前月比19万人増が予想されている。

企業決算では、アパレル小売のアーバンアウトフィッターズ(7日)、税務サービスのH&Rブロック(7日)、事務用品小売のステープルズ(9日)、リゾート施設運営のベイル・リゾーツ(10日)などが予定されている。アーバンアウトフィッターズは粗利益率予想を下方修正したほか、傘下ブランド「アンソロポロジー」などの業績懸念が指摘されており、決算への警戒感が広がっている。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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