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【材料】企業調査レポート(ESG統合版)旭化成<3407>---多角的な事業を通じて2つの社会課題に貢献

旭化成 <日足> 「株探」多機能チャートより

 

企業調査レポート(ESG統合版)は、企業の価値を評価するに重要なESG情報などを加味し、フィスコのアナリストが同社の公開資料及び独自取材に基づき作成した企業調査レポートです。

旭化成<3407>は、化学を中心とした日本を代表する多角化企業。創業時の繊維メーカーから石油化学コンビナートを基盤とした総合化学メーカーへ転身、建材である軽量気泡コンクリート(ALC)を事業化し、住宅(ヘーベルハウス)に展開、さらに、LSIをはじめとした最先端のエレクトロニクス、医療用医薬品や医療機器などのヘルスケア分野へ事業の多角化を進めてきた。

1. 経済価値
繊維不況、オイルショック、リーマン・ショックなど多くの逆境を経験しながら事業ポートフォリオの転換を繰り返し、事業環境の変化に対応しながら安定的に利益成長を果たしてきた。

2016年度にスタートさせた新中期経営計画(Cs for Tomorrow 2018)では、2025年の同社グループのあるべき姿として「収益性の高い付加価値型事業の集合体」を見据え、「クリーンな環境エネルギー社会」と「健康・快適で安心な長寿社会」という2つの社会課題に対し、事業活動を通じて取り組んでいくことを示している。

2. ガバナンス
同社は監査役設置会社の形態をとっているが、取締役会の下に社外取締役を主たる委員とする指名諮問委員会と報酬諮問委員会を設置している。

取締役は9名、うち社外取締役は3名(内、1名は女性取締役)である。それぞれ、元東京ガス<9531>社長として経営者の経験と見識を持たれた方、大学教授で経済・社会に対する経験と見識を持たれた方、産業・経済政策における経験と見識を持たれた方である。知識・経験はそれぞれ異なっており、取締役会での厚みのある議論も期待できる。

3. 環境価値
新中期経営計画で掲げる「クリーンな環境エネルギー社会」を目指し、積極的CSRとして事業を通じた環境課題の解決に取り組んでいる。

これまで長年にわたり取り組んできたレスポンシブル・ケア(RC)活動の重要課題である地球温暖化対策については、地球環境対策推進に特化した「地球環境対策推進委員会」を中心に、戦略的アプローチで地球温暖化防止に取り組んでいる。

4. 社会価値
新中期経営計画で掲げる「健康・快適で安心な長寿社会」を目指し、積極的CSRとして事業を通じた社会課題の解決に取り組んでいる。

レスポンシブル・ケア(RC)活動の一環として「労働安全衛生」「健康」「品質保証」に取り組むほか、基盤的CSRとして「社員の個の尊重」や「社会との共生」にも注力している。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 啓司)

《TN》

 提供:フィスコ

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