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【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:栗田工、資生堂、アスクル

栗田工 <日足> 「株探」多機能チャートより
■栗田工業 <6370>  2,825円  +145 円 (+5.4%)  11:30現在  東証1部 上昇率6位
 栗田工業<6370>が大幅反発。この日寄り前に自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入っている。上限を400万株(発行済み株数の3.45%)、または100億円としており、取得期間は3月2日から5月31日まで。経営環境に応じて機動的な資本政策を実行し、資本効率の向上を図るためとしている。

■東海カーボン <5301>  478円  +23 円 (+5.1%)  11:30現在  東証1部 上昇率8位
 東海カーボン<5301>が急動意。前日に25日移動平均線を足場に切り返しに転じたが、きょうは一気に上げ足を加速させている。同社はカーボンブラックや炭素・セラミクスなどを手掛けており、17年12月期営業利益は前期比4.6倍の52億円予想と急回復を見込む。市場では「同社は収益構造改革に取り組み、今期業績はV字回復期待が強い。12月決算企業ということで、会社側が開示している予想は、3月決算企業の来期業績を買うような感覚に近く買う側に安心感がある。直接的には、岡三証券が投資判断を『買い』に引き上げ、目標株価を400円から520円に上方修正したことが株価を押し上げたようだ」(準大手証券ストラテジスト)という。

■資生堂 <4911>  3,068円  +113 円 (+3.8%)  11:30現在
 資生堂<4911>がマドを開けて買われ、2月10日以来となる3000円大台を回復。同社は28日、有効成分「レチノール」にしわを改善する効能効果の承認を日本で初めて厚生労働省から取得したことを発表、これが材料視されている。レチノールはヒアルロン酸の産生を増加させ皮膚に柔軟性を与えて、しわを改善するという。同成分を配合した商品発売に対する期待の大きさが株高に反映されている。

■アスクル <2678>  3,320円  +100 円 (+3.1%)  11:30現在
 アスクル<2678>が高い。2月28日の取引終了後、埼玉県・三芳町にある物流センターで発生した火災について、焼失・損壊した資産の帳簿価額が121億円強になると発表した。一方で、火災保険や運送保険から保険金が支払われた場合、損失額は最大で約46億円減る見通しで、損失額のメドが示されたことが好感されているようだ。なお、17年5月期連結業績への影響は判明し次第公表するという。同時に発表した2月度(1月21日~2月20日)の月次売上高(単体ベース)は、前年同月比7.2%増となり、23カ月連続で前年実績を上回った。火災の影響はあったものの、主力分野のBtoB事業が4.0%増となったことに加えて、成長分野のLOHACOは31.8%増と高い伸び率を維持した。

■三井金属 <5706>  381円  +10 円 (+2.7%)  11:30現在
 SMBC日興証券が2月28日付で三井金属鉱業 <5706> の投資判断を「1(強気)」、目標株価を500円に新規設定したことが買い材料視された。リポートでは、主力の極薄銅箔は携帯電話での使用単位が急速に伸び、出荷数量が20年3月期までに17年3月期比で2倍強に拡大すると指摘。また、立ち上げに苦戦し、多額の減損損失を計上したカセロネス銅鉱山の赤字は19年3月期に解消すると予想している。

■アンリツ <6754>  884円  +19 円 (+2.2%)  11:30現在
 アンリツ<6754>は続伸、昨年12月に上放れを明示して以降、急勾配の25日移動平均線に一度も接触することのない強力な上昇波動を形成している。17年3月期は主力の計測器が低調だったことから営業利益段階で前期比6割減の22億円と落ち込む見通しだが、株価には既に織り込まれており、18年3月期以降の急回復期待が直近3カ月の株価上昇に投影されている。あらゆるものをネットでつなぐIoT時代に、同社はそのイノベーションの源泉となる次世代通信方式5G関連の特需を取り込む可能性が指摘されている。既にIoT向けソリューションに積極的に取り組み、商機到来に備えている。株式需給面では、直近2月24日申し込み現在で信用売り残が減少し、買い残が増加しているものの、信用倍率は1.4倍台と依然として良好でミニ踏み上げ相場の素地を内包。株価は900円台に乗せてくると滞留出来高も一気に減少することで、2014年7月以来となる4ケタ大台も視野に入る。

■コマツ <6301>  2,756円  +45.5 円 (+1.7%)  11:30現在
 コマツ<6301>など中国関連株はしっかり。日立建機<6305>やファナック<6954>、ユニ・チャーム<8113>が値を上げている。為替市場で円安が進行しているほか、この日、中国国家統計局が発表した2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.6と1月に比べ0.3ポイント上昇し、市場予想(51.2)も上回ったことが好感された。続いて発表された2月の財新・中国製造業購買担当者景気指数(PMI)も予想を上回った。これを受け、中国景気回復期待からの関連株への見直し買いの動きが出ている。

■トヨタ自動車 <7203>  6,419円  +54 円 (+0.9%)  11:30現在
 トヨタ自動車<7203>、富士重工業<7270>、ホンダ<7267>など自動車株が買い優勢。足もと1ドル=113円台に入るなどドル高・円安が進行しており、これが好感されている。米フィラデルフィア連銀総裁が前日の講演で、好調な米景気を背景に「2017年は3回の利上げが適切」と強調、これが米長期金利の上昇につながり、日米金利差拡大の思惑からドルを買う動きが強まった。輸出セクターのなかでも特に為替感応度の高い業種である自動車株には追い風が強い。

■三菱UFJ <8306>  739.6円  +1.2 円 (+0.2%)  11:30現在
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が6日ぶり反発に転じたほか、第一生命ホールディングス<8750>も上値指向にある。米国では足もと3月利上げの可能性が再浮上、米長期金利は前日時点で2.39%に上昇しており、これが収益機会の拡大につながるメガバンクや生保にはプラスに働いた。米フィラデルフィア連銀総裁が前日の講演で、好調な米景気を背景に「2017年は3回の利上げが適切」と強調したことで、これがFRBによる3月利上げ思惑を再燃させる背景となっている。

■ポーラHD <4927>  9,820円  -910 円 (-8.5%)  11:30現在  東証1部 下落率トップ
 ポーラ・オルビスホールディングス<4927>が急反落。2月28日の取引終了後、資生堂<4911>がレチノールを有効成分とした新しい製品について、シワを改善する効能効果の承認を厚生労働省から受けたと発表したことを受けて、今年1月にシワ改善効果がある薬用化粧品「リンクルショット メディカル セラム」を発売した同社には競合を警戒した売りが出ているようだ。資生堂がシワ改善効果を取得したレチノールは、これまでにも多くの化粧品に使われているが、資生堂では安定的に配合し、製造することに成功。さらにレチノール製剤だけに使用する独自の容器も開発している。一方、ポーラの「リンクルショット」は、「好中球エラスターゼ」がシワの原因の一つであることを発見し、この働きを抑制するポーラオリジナルの医薬部外品有効成分「ニールワン」を配合している。「リンクルショット」は発売後1カ月で販売計画を超過する約25万個、約36億円の売り上げを上げている人気商品なだけに、影響が注目されているようだ。

■パーク24 <4666>  3,010円  -145 円 (-4.6%)  11:30現在  東証1部 下落率7位
 パーク24<4666>が大幅反落。2月28日の取引終了後に発表した第1四半期(16年11月~17年1月)連結決算が、売上高504億400万円(前年同期比7.7%増)、営業利益42億6300万円(同13.5%減)、純利益28億7200万円(同10.2%減)と2ケタ営業減益となったことが嫌気されている。主力の国内駐車場事業や海外駐車場事業は好調に堅調に推移しているものの、1月にオーストラリアやニュージーランドなどで駐車場を運営するセキュア・パーキングのグループ会社を買収したことに伴い、関連費用などが膨らんだ。また、カーシェアリングなどモビリティ事業も順調に売り上げを伸ばしているが、安全装備への投資や増車ペースの加速などでコストが増え、利益を圧迫した。

■エイチ・アイ・エス <9603>  2,870円  -108 円 (-3.6%)  11:30現在
 エイチ・アイ・エス<9603>が4日続落。2月28日の取引終了後、17年10月期の第1四半期(16年11月~17年1月)連結決算を発表。売上高は1250億2200万円(前年同期比0.7%増)、営業利益は25億4700万円(同45.7%減)と大幅な営業減益だったことが嫌気されている。旅行事業は、燃油サーチャージの減額や円高影響による海外子会社の売上高の目減りが響いた。また、ハウステンボスの入場者数は昨年12月23~25日の3連休で開業以来過去最高の約7万人にのぼったものの、団体観光客や訪日外国人の集客が低調に推移した。なお、為替相場の急激な変動により、為替差益33億6100万円を計上したため最終利益は39億9700万円(同2.1倍)と大幅な増益となった。通期業績予想は従来見通しを据え置き、売上高5800億円(前期比10.7%増)、営業利益200億円(同40.1%増)、最終利益120億円(前期2億6700万円)を見込んでいる。同時に、ハウステンボスと共同出資で再生可能エネルギーの発電事業を目的とする子会社の設立も発表した。

■イビデン <4062>  1,803円  -16 円 (-0.9%)  11:30現在
 イビデン<4062>は小動き。2月28日の取引終了後、17年3月31日時点の株主に対して株主優待制度を導入すると発表したが、市場の反応は限定的のようだ。1単元(100株)以上を保有する株主に対して、保有株数に応じて100~499株を保有する株主にはクオカード500円分、500~999株で同1000円分を贈呈。また、1000~1999株を保有する株主にはカタログギフト2000円相当分、2000~3999株で同3000円相当分、4000株以上で同5000円相当分をそれぞれ贈呈するとしている。

■ジェイホールディングス <2721>  1,285円  +205 円 (+19.0%)  11:30現在
 ジェイホールディングス<2721>が新値追い。2月17日に今17年12月期通期の連結営業利益見通しを2億円(前期比9.6倍)と発表したことを手掛かりに前日もストップ高まで買われており、この流れを引き継ぐかたちとなっているもよう。また、2月28日取引終了後に、子会社のシナジー・コンサルティングが販売用不動産の取得および売却の売買契約を締結したと発表したことも新たな買い手掛かりとなっているようだ。シナジー・コンサルティングは、同日付でオスカートラスト(東京都港区)から愛知県安城市にある共同住宅(鉄筋コンクリート造陸屋根4階建)を取得するとともに、同日付でこの不動産の売却契約を締結した。なお、買主および取得価格、売却価格は非公表としているが、取得価格および売却価格は16年12月期の連結純資産額6557万円の30%相当額以上だとしている。

■ソフトブレーン <4779>  656円  +100 円 (+18.0%) ストップ高   11:30現在
 ソフトブレーン<4779>が大幅高で4連騰、一時86円高の642円まで買われるなど上げ足が加速している。顧客関係管理(CRM)を中心とした業務支援システムを手掛けており、引き合いは旺盛。16年12月期の営業5割増益に続き、17年12月期も増益基調が継続する可能性が高い。AI関連株としてのテーマ性を持ち、筆頭株主のスカラ<4845>との間で経営に関する思惑が交錯しているが、株価にはポジティブに作用している。フィールド・クラウドサービスを展開する同社の主要子会社が業容拡大を続けていることも株高を後押ししている。なお、同社は28日、経営戦略の方向性確認に加えて、中期経営計画について今後速やかに策定し公表する方針であることを発表しており、これに対するマーケットの期待感が高まっている。

■カナミックネットワーク <3939>  6,840円  +1,000 円 (+17.1%) ストップ高   11:30現在
 2月28日、カナミックネットワーク <3939> [東証M]が、総務省が実施する「IoTサービス創出支援事業」に係る委託先候補に選定されたと発表したことが買い材料視された。候補に選定されたのは「医療・介護データを活用した介護サービス及び業務支援モデル事業」。介護施設における医療・介護センサーデータを効果的に活用することで、介護のサービス向上及び業務効率を高めるモデルを実証する。受託した場合の業績への寄与は来期(18年9月期)となる見込みとしている。

●ストップ高銘柄
 オウチーノ <6084>  4,510円  +700 円 (+18.4%) ストップ高   11:30現在
 チヨダウーテ <5387>  755円  +100 円 (+15.3%) ストップ高   11:30現在
 サイバーステップ <3810>  1,145円  +150 円 (+15.1%) ストップ高   11:30現在
 など、7銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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