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【市況】新興市場見通し:トランプ氏演説を前に手仕舞いも想定、3月IPOの動きが本格化

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、マザーズ指数が5日続伸、日経ジャスダック平均にいたっては11日続伸と堅調な展開が続いた。月末に予定されるトランプ米大統領の議会演説まで大型株は手掛かり材料に乏しく、為替の円高傾向も重しとなって日経平均は足踏みが続いている。このため、直近IPO銘柄など値動きの軽い中小型株を中心に短期の回転売買が活発となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.3%であったのに対して、マザーズ指数は+3.1%、日経ジャスダック平均は+2.0%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のそーせいグループ<4565>が週間で3.8%安と軟調だったものの、ミクシィ<2121>が同3.0%高、サイバーダイン<7779>が同5.0%高となった。サイバーダインは第3回「日本ベンチャー大賞」を受賞している。売買代金上位では、一部証券会社が目標株価を大きく引き上げたアカツキ<3932>や新規位置情報ゲームを発表したモバイルファクトリー<3912>などが買われた。また、直近IPO銘柄のJMC<5704>や肺線維症治療薬が中国で保険収載されたジーエヌアイグループ<2160>が週間のマザーズ上昇率上位だった。反面、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ<6090>などは利益確定売りに押された。ジャスダック主力では、セリア<2782>が同5.3%高、エン・ジャパン<4849>が同8.4%高となった。売買代金上位も安江工務店<1439>やアエリア<3758>が大きく上昇するなど全般堅調だった。また、良好な今期業績見通しがポジティブ視されたジェイHD<2721>や野村マイクロ・サイエンス<6254>が週間のジャスダック上昇率上位となった。一方、平田機工<6258>などが軟調で、山王<3441>が下落率トップだった。IPOでは、2月23日に3社が新規上場したが、このうちフュージョン<3977>とユナイテッド&コレクティブ<3557>が初日値付かずの高い人気となった。レノバ<9519>も初値形成後に連日でストップ高を付けた。

今週の新興市場では、トランプ米大統領による議会演説後の相場動向が焦点となりそうだ。中小型株はこれまで強い値動きが続いていただけに、直前にはポジションを手仕舞う動きが出てきそうだ。また、事前の期待が高まっているだけに演説後は日経平均の乱高下も想定され、新興市場でもリスク回避の動きが広がる可能性がある。

今週は2月27日にウチダエスコ<4699>、28日に大和コンピューター<3816>、はてな<3930>、3月3日に日本スキー場開発<6040>、ピープル<7865>などが決算発表を予定している。上期決算を発表するウチダエスコだが、学校市場向けIT関連機器の好調で第1四半期決算発表時に業績予想を上方修正している。また、3日には任天堂<7974>の新型ゲーム機「Nintendo Switch」が発売される。ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>など関連銘柄の動向を注視しておきたい。

IPO関連では、ファイズ<9325>、ほぼ日<3560>、うるる<3979>が2月28日よりブックビルディング期間となるなど、3月上場案件の動きが本格化する。なお、先週はスシローグローバルHD<3563>(3月30日、東証1部または2部)など8社の新規上場が発表されている。3月のIPO件数は計22社となり、前年同月の件数に並んだ。過密スケジュールによる資金分散が想定される一方、知名度の高い企業も散見され、3月IPOは盛り上がりを見せそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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