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【注目】前週末17日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

シンプロ <日足> 「株探」多機能チャートより

■安江工務店 <1439>  1,885円 (+382円、+25.4%) 一時ストップ高

 安江工務店 <1439> が一時ストップ高の1903円まで買われ上場来高値を更新した。10日に東証ジャスダック市場と名証2部に新規上場したばかりの銘柄で、週末要因などもあって全般市場に手詰まり感が強まるなか、直近IPO銘柄ならではの値動きの軽さに期待した買いが入ったようだ。同社は、愛知県を地盤に住宅リフォームや新築注文住宅の建設、不動産流通事業などを展開。10日の上場時には公開価格1250円に対して1300円で初値をつけたが、13日に上場来高値1739円をつけた後はさえない展開となっていた。ただ、14日に発表した17年12月期の単独業績予想は、売上高41億7500万円(前期比7.4%増)、営業利益3億3700万円(同9.4%増)と増収増益を見込んでおり、これに対して16日終値のPERは8倍台と割安感が強いことを注目する向きも強いようだ。

■シンプロメンテ <6086>  2,275円 (+400円、+21.3%) ストップ高

 シンプロメンテ <6086> [東証M]がストップ高。16日、店舗のメンテナンスを手掛ける同社が乃村工芸社 <9716> と資本業務提携に向けて基本合意したと発表したことが買い材料視された。乃村工芸社の子会社で設備メンテナンスを展開するテスコを株式交換で完全子会社化する。乃村工芸社とは合弁会社を設立し、飲食店などの新設・改装向けサービスで協業する。発表を受けて、店舗内装などディスプレイ事業最大手の乃村工芸社との提携による事業拡大に期待する買いが向かった。

■レッド <3350>  37円 (+4円、+12.1%)

 レッド・プラネット・ジャパン <3350> が後場急騰。17日正午ごろ、16年12月期決算短信において、「継続企業の前提に関する注記事項」の記載を解消したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同社では、15年9月期に3期連続で営業損失、経常損失、純損失並びに営業キャッシュフローのマイナスを計上したことから、「継続企業の前提に関する注記」を記載していたが、16年9月には総額約81億円の資金調達を実施し、ホテル事業のさらなる推進と拡大に向けた財務基盤を整備したことなどから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められなくなったと判断したという。なお、同時に発表した16年12月期業績は、売上高52億2900万円、営業損失7億8600万円、最終損失15億4600万円を計上(決算期変更に伴い前の期との比較はない)。なお、17年12月期業績予想は現在精査中としている。

■トレンドマイクロ <4704>  4,805円 (+410円、+9.3%)

 東証1部の上昇率2位。トレンドマイクロ <4704> が続急騰。16日、ウイルス対策ソフト大手の同社が決算を発表。16年12月期の連結経常利益は前の期比3.1%増の351億円と、従来予想の289億円を上回り減益予想から一転して増益で着地。続く17年12月期も前期比7.3%増の377億円に伸びる見通しとなったことが買い材料視された。前期業績の上振れはストックオプション関連費用やマーケティング費用などが想定を下回ったことが背景。今期は前期に買収したTipping Pointが通期フル寄与する北米事業を中心に業績が拡大し、11.6%の大幅増収を見込む。業績好調に伴い、従来未定としていた前期の期末一括配当を141円(前の期は110円)実施するとした。なお、今期の年間配当は未定としている。

■新日本電工 <5563>  344円 (+19円、+5.9%)

 東証1部の上昇率8位。新日本電工 <5563> が急伸、昨年来高値を更新した。同社は16日、16年12月期の連結業績予想の修正を発表し、最終損益は10億円の赤字から1億円の赤字(前の期は141億8100万円の赤字)へ修正した。合金鉄市況の回復で当初10億円を予定していた追加の減損を行わないことから赤字幅が縮小する。17年12月期の業績は急回復する見込みだ。売上高660億円(前期推定比14%増)で、最終損益は35億円の黒字を予想している。主力のフェロマンガンの国際市況が昨年末にかけ上昇基調にあり、今期も緩やかな値上がりが続く見通しだ。合金鉄事業の徳島工場における新規取得固定資産は、今後の収益好転が見込めることから今期の減損計上は見送る。これに伴い、3期連続の最終赤字は回避される見通しだ。

■RSテクノ <3445>  5,700円 (+290円、+5.4%)

 RS Technologies <3445> が5連騰し、連日で上場来高値を更新した。同社は14日に決算を発表。16年12月期の連結経常利益は前の期比54.7%増の14.5億円に拡大して着地。続く17年12月期も前期比25.9%増の18.2億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことを材料視した買いが続いた。前期は三本木工場の生産力増加や台湾新工場の本格稼働で、下期に再生処理した半導体シリコンウエハーの販売が大きく伸びた。今期も両工場のフル稼働で、今後も拡大が見込まれる半導体関連メーカーの需要を取り込み、大幅増益を達成する見通しだ。

■薬王堂 <3385>  2,324円 (+108円、+4.9%)

 薬王堂 <3385> が大幅3日続伸。16日夜のテレビ東京系トーク・ドキュメンタリー番組「カンブリア宮殿」で、投資ファンドのレオス・キャピタルワークスの藤野英人社長が注目している企業として挙げており、これを好材料視した買いが入った。同氏によると、「東日本全体が薬王堂で占められる日が来るのではないかと思うくらい面白い企業」と評価。また、同社のほか番組で取り上げられたニイタカ <4465> も3日続伸した。

■ジオスター <5282>  1,072円 (+48円、+4.7%)

 ジオスター <5282> が4連騰と新値追い継続。足もと軟化傾向にある東証1部市場を横目に東証2部市場の強さが目立った。2部指数は17日まで3日続伸、2月にはいってから前日比マイナスだった日はわずかに2営業日しかない。そのなか、同社株はその象徴として上昇基調を鮮明としている。建設用コンクリート2次製品メーカーで、新日鉄住金 <5401> が同社の40%の株式を保有する筆頭株主で販売先となっている。トンネルの内壁材であるセグメントでトップシェアを持つが、東京外郭環状道路向けトンネル用で大型案件を受注、地下河川や共同溝向け土木製品も好調だ。17年3月期業績は2度にわたる増額を経て営業利益は前期比2.4倍の27億1000万円と高変化が見込まれている。また、配当も16年3月期の10円から17円50銭に大幅増配することで市場の注目を集めた。来期については、横浜湘南道路、横浜環状南線など横浜エリア向けの受注増加が収益を支え2ケタ増益が有望視されている。

■日本セラミック <6929>  2,283円 (+87円、+4.0%)

 日本セラミック <6929> が全体地合い悪に抗して上昇、急勾配の5日移動平均線を足場にマドを開けて買われた。同社は赤外線センサーで世界でも抜群の実績とシェアを有しており、自動運転分野など車載向けで今後の収益機会が広がるとの見方が強い。市場では「同社は前週末に好決算と合わせて自社株買いを発表しており、週明け13日に人気化した。直近はゴールドマン・サックス証券が投資判断を『買い』に引き上げ、目標株価を2600円に引き上げたことで、これが改めて材料視された。電子部品セクター全般は足もとの収益環境改善が指摘されており、同社株はその連想が働いている部分もある」(大手ネット証券アナリスト)としている。

※17日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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