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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、前日の115円乗せ失敗を意識

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。前日発表された米経済指標が堅調だったものの、節目の115円を突破できなかったことで、上値の重さが意識されそうだ。また、米国のトランプ政権による人事のもたつきも、ドル買いを手控えさせる要因となろう。

今晩は22時半発表の米国の2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが材料視される見通し。同指数は昨年8月以降に業況判断の境目であるゼロを連続して上回っており、前日同様に経済指標で景気の底堅さが示されれば、ドル買いに振れやすい展開となりそうだ。また、前日までのイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長による議会証言や地区連銀総裁らによる講演で、年内3回の利上げに前向きなスタンスが示されたことも、ドル買い継続の材料となろう。

ただ、前日NY市場では、米国の1月消費者物価指数の伸びや小売売上高の増加を受けて、ドル・円は115円を目指す展開となったものの、オプション絡みの防戦売りに上昇を阻まれ、その後は利益確定売りに押されている。オプションの行使期間とみられる明日までは、ドルの上値の重さが意識されそうだ。

一方、トランプ政権による人事のつまずきも、ドル買いを弱める要因となる見通し。労働長官に指名されていた実業家のパズダー氏は15日、議会での承認を得るのが困難となり、指名を辞退する異例の事態となっている。国家安全保障担当のフリン大統領補佐官が就任後1カ月も経たずに辞任したことも合わせ、トランプ大統領の政権運営に不安が増幅している。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・20:30 フィッシャー米FRB副議長TV出演
・21:30 欧州中央銀行(ECB)1/19理事会議事要旨
・22:30 米・1月住宅着工件数(予想:122.6万戸、12月:122.6万戸)
・22:30 米・1月住宅建設許可件数(予想:123.0万戸、12月:修正値122.8万戸)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:24.5万件、前回:23.4万件)
・22:30 米・2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:18.0、1月:23.6)
・05:10 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演(フィンテック関連)
・G20外相会議(ボン、17日まで)

《SK》

 提供:フィスコ

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